実は近年、ウォークブレイクという「意図的に歩く戦略」が、
市民ランナーからトップランナーまで注目されています。
私自身、30km走で何度も撃沈し、
「最後まで脚を残す方法はないのか?」と本気で悩んでいました。
本記事では、ウォークブレイクを
・なぜ歩いてもタイムが落ちないのか
・ペース計算上はどう成立するのか
・練習で試した結果、身体とメンタルはどう変わったのか
・マラソン大会ではどこで使うべきか
これらを、
サブスリーを本気で狙う市民ランナーの実体験をもとに、
理論・計算・実践・大会適用まで順を追って解説します。
「マラソン大会で歩くのはアリなのか?」
その答えを、自分の判断で出せるようになる内容です。
ウォークブレイク戦略とは何か|フルマラソンで歩くという発想
フルマラソンで歩くのは失敗だと思っていませんか?実は近年、ウォークブレイクという「意図的に歩く戦略」が注目されています。
後半の失速を防ぎ、結果的にタイムをまとめやすくなる走り方です。
私は第38回佐倉朝日健康マラソンでサブスリーを狙っており、
その準備として30km走を行いました。
しかし、結果は見事に撃沈。
後半に脚が止まり、「いつものパターンだな…」と感じました。
そこで対策を探す中で出会ったのが、
【ウォークブレイク】【ウォーキングブレイク】という考え方です。
ウォークブレイク
フルマラソンの自己ベスト更新といえば、
止まらずに走り続けるのがセオリーですよね。
それにも関わらず、ウォークブレイクは
あえて歩く
という、真逆の発想を取ります。この理論のベースになっているのが、
【ギャロウェイのランニングブック】です。
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ウォークブレイク実践ガイド|フルマラソンでの具体的な方法
ウォークブレイクとは、フルマラソンのレース中に計画的に短いウォーク(歩行)を入れる走法です。
具体的には、
2.5〜3kmごとに一度、
15〜20秒ほど深呼吸をしながら歩くだけ。
この短いウォークによって、
- 歩いた直後に脚のバネが戻る
- 筋肉疲労をレース中にリセットできる
- 故障や後半の脚攣りを防ぎやすくなる
その後は自然とペースが戻り、前の集団に復帰できます。
ウォークブレイクの実証例|トップランナーの事実
1998年ロッテルダム・マラソンでは、ファビアン・ロンセロがウォークブレイクを取り入れながら、
当時の世界記録「2時間7分26秒」を樹立しています。
このことからも、ウォークブレイクは
市民ランナーだけでなく、トップレベルでも有効な戦略だと分かります。
歩くことによるタイムロスは、
ペース × 距離で計算すると、実はごくわずか。
それよりも後半の失速を防げるメリットの方が大きいと感じ、
私も実際に練習で取り入れてみることにしました。
実践編|ウォークブレイクを取り入れた練習方法
ペース計算|ウォークブレイクでも同タイムで走れる理由
ウォークブレイクで一番気になるのは、「歩いたらタイムが遅くなるのでは?」という点だと思います。
結論から言うと、
歩いても、同じゴールタイムで走ることは可能
私が練習で試した設定はシンプルです。
2km走って、20秒(深い深呼吸10回をしながら歩く)
深呼吸10回で、だいたい20〜25秒。
止まるのではなく歩くので、ウォーク中はキロ9分前後のラップになります。
では、走り続ける場合と比較してみます。
サブ4目標:キロ5'40で走り続けるとゴール4時間
サブ4目標:キロ5'36で2km走り、20秒歩くとゴール4時間
同じタイムでゴールする場合、キロ5'36で良いんです。
サブ3.5目標:キロ4'58で走り続けるとゴール3時間30分
サブ3.5目標:キロ4'52で2km走り、20秒歩くとゴール3時間30分
同じタイムでゴールする場合、キロ4'52で良いんです。
バナナぴろしはサブスリーを狙ってます。
サブ3目標:キロ4'15で走り続けるとゴール3時間
サブ3目標:キロ4'10で2km走り、20秒歩くとゴール3時間
同じタイムでゴールする場合、キロ4'10で良いんです。
仮に3km走って、20秒歩く場合でも、
サブ3目標でキロ4'11で3km走り、20秒歩くとゴール2時間59分になります。
まとめ表にしました。
| 目標 | 走り続けた場合 | ウォークブレイク使用時 |
|---|---|---|
| サブ4 | 5'40/km | 5'36/km |
| サブ3.5 | 4'58/km | 4'52/km |
| サブ3 | 4'15/km | 4'11/km |
実践練習|ウォークブレイクを10kmで試した結果
10kmの練習で、2km走って20秒(深い深呼吸10回をしながら歩く)を繰り返してみました。設定はキロ4'05で実施です。
結果(ラップ)
ウォーク直後にペースが上がりやすい点も実感
| No | 距離 | ペース | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1.0km | 4'09/km | ラン |
| 2 | 1.0km | 4'05/km | ラン |
| 3 | 0.0km | 8'42/km | ウォーク |
| 4 | 1.0km | 4'13/km | ラン |
| 5 | 1.0km | 4'04/km | ラン |
| 6 | 0.0km | 9'38/km | ウォーク |
| 7 | 1.0km | 4'03/km | ラン |
| 8 | 1.0km | 4'04/km | ラン |
| 9 | 0.0km | 8'31/km | ウォーク |
| 10 | 1.0km | 4'11/km | ラン |
| 11 | 1.0km | 4'06/km | ラン |
| 12 | 0.0km | 8'42/km | ウォーク |
| 13 | 1.0km | 3'51/km | ラン |
| 14 | 0.9km | 3'45/km | ラン |
それと、ウォーク直後のペースが思ったより速くなってしまい、ペース走の管理が少し難しい。
それでも、想像以上に身体が楽でした。
後半の失速対策として手応えがあった瞬間
メンタル面の利点|距離が短く感じる心理的メリット
ウォークブレイクの1番のメリットは、精神的に楽だということです。10kmをずっと我慢して走るのではなく、
2km+2km+2km+2km+2km と区切って考えられるので、
距離感覚も時間感覚もすごく軽くなります。
10kmペース走だと、4km地点くらいで「まだあるな…」とツラくなりがちですが、
ウォークブレイクを入れると「次のウォークまで」しか考えなくてよくなります。
気づいたら終わってた、みたいな感覚でした。
そしてラスト2kmも、かなりペースを上げられました。
同じタイムで走っても、
10kmペース走より
ウォークブレイク10km走の方が明らかに楽です。
この感触があったので、
第38回佐倉朝日健康マラソンで導入を決めました。
ケーススタディ|佐倉朝日健康マラソンでのウォークブレイク実戦投入
「マラソン大会で歩くのはアリなのか?」ここが一番の不安ポイントだと思います。
私は第38回佐倉朝日健康マラソンで、
サブスリーを狙える感触を得ていました。
そこで考えたのが、
ウォークブレイクを入れる場所を最初から決めておくという戦略です。
第38回佐倉朝日健康マラソンの給水ポイントを事前に確認
歩く場所は「給水のみ」と決めました。
給水では多くのランナーが減速します。
そのタイミングでウォークブレイクを入れれば、
周囲との違和感もなく、リズムを崩さずに歩けます。
ウォークブレイクを入れる場所を明確にした
ペース計算上は十分にサブスリーが狙えます。
| 給水 | 距離(km) | ウォークブレイク 給水+深呼吸10回 |
|---|---|---|
| 給水 | 5.5 | 22秒 |
| 給水 | 11 | 22秒 |
| 給水 | 13.5 | 22秒 |
| 給水 | 16 | 22秒 |
| 給水 | 19 | 22秒 |
| 給水 | 22 | 22秒 |
| 給水 | 25 | 22秒 |
| 給水 | 28.5 | 22秒 |
| 給水 | 30.5 | 22秒 |
| 給水 | 33 | 22秒 |
| 給水 | 35 | 22秒 |
| 給水 | 38 | 22秒 |
キロ4'10で走れれば
サブスリーは達成可能
最後の30km以降の落ち込みを、
ウォークブレイクで最小限に抑えられれば、
サブスリー達成は現実的だと判断しました。
初めての試みでしたが、
「とりあえずやってみよう」と決めて、実戦投入を決断。
結果はどうなったのか?
つづく(サブスリーまで235日)
バナナぴろし
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これって、マジですか? 次の章を楽しみにしています❤️。
返信削除ウォークブレイクって初めて聞きました。試してみたくなります。
返信削除
返信削除給水が下手でフルマラソン後半は、ほぼ歩きながら飲んでますが、ペース走でも途中歩くと精神的に楽に感じそうですね!
貴重なお話ありがとうございます😊
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