その答えを科学的にくれるのが、ダニエルズの5つのペースです。
大きいのは、練習ごとに正しいペースで走れているかです。
この記事では、ダニエルズのランニング・フォーミュラで使うEペース・Mペース・Tペース・Iペース・Rペースの意味と、自分のペースを計算する方法、10kmタイム別の早見表、そして各ペースをどの練習に使うかまでを、サブスリーを達成した市民ランナーの目線でまとめました。
読み終えるころには、明日の練習で「何分ペースで走ればいいか」が自分で決められるようになります。
ダニエルズのランニング・フォーミュラとは?5つのペースの全体像
ランニング・フォーミュラとは、ジャック・ダニエルズ博士が体系化した、マラソントレーニングの「ものさし」です。自分の走力に応じて練習強度を5段階に分け、目的の違う刺激をムダなく入れていくのが狙いです。
まずは5つのペースを、速い順ではなく「目的の順」でざっくりつかみましょう。
- Eペース(Easy):土台づくり。会話できる楽なジョグ
- Mペース(Marathon):フルマラソン本番の想定ペース
- Tペース(Threshold):「キツいけど耐えられる」閾値走のペース
- Iペース(Interval):心肺を限界まで使うインターバルのペース
- Rペース(Repetition):スピードとフォームを磨く全力に近い短距離
自分のペースを決める方法|VO2maxから計算する
「楽なペース」「キツいペース」と言われても、人によって速さは違います。そこで使うのが、ダニエルズのVO2max(最大酸素摂取量)にもとづく計算です。
直近のレースタイムを入れるだけで、5つのペースが秒単位で出てきます。
▶ VO2MAX計算サイト(RunSmart Project)
- 距離に「10km」を入れる(バナナぴろしのおすすめ)
- 自分のベストタイムを入れる
- 「Calculate」をクリック
- 「Training」タブを開く
たとえば10kmを38分で入力すると、1kmあたりの目安はこうなります。
E・M・T・I・Rペースの意味と狙い
ここが本記事の核心です。5つのペースは「速さの順番」ではなく、鍛えたい能力ごとに役割が分かれています。Eペース(イージー)|すべての土台
息が乱れず会話できる楽なペース。心臓を大きくし、毛細血管やミトコンドリアを増やして「燃費のいい体」をつくります。練習量の7〜8割はこのEで十分。退屈ですが、ここが全ての底上げになります。
Mペース(マラソン)|本番の予行演習
フルマラソンで狙うペースそのもの。「このペースが体にどう感じるか」を覚え、本番のペース感覚と給水のリズムを体に刻みます。Tペース(閾値)|乳酸と長く付き合う力
「キツいけど20分は耐えられる」ギリギリの速さ。血中に乳酸がたまり始める一歩手前(乳酸性作業閾値=LT)を刺激し、速いペースを長く維持する力を伸ばします。テンポ走の正体はこれです。Iペース(インターバル)|心肺の最大値を引き上げる
3〜5分で限界がくるくらいの高強度。VO2max(最大酸素摂取量)そのものを引き上げる、エンジンの排気量アップ練習です。1000m×5本などで使います。Rペース(レペティション)|スピードとフォームの仕上げ
全力の8〜9割で走る短距離(200〜400m)。十分に休みながら、速い動きとキレのあるフォームを神経に覚えさせます。
5つのペースをどの練習に使う?メニューの組み立て方
ペースの意味が分かったら、次は「週のどこで使うか」です。市民ランナーが週3〜4回走るなら、こんな配分が王道です。
ポイントはポイント練習(T・I・R)は週2回までにして、残りをEで埋めること。
欲張って強い練習を増やすほど、故障と疲労で逆にタイムは止まります。
よくある質問Q&A
Q. Eペースが遅すぎて物足りません。もっと速くてもいい?A. ダメです。Eは「速く走る練習」ではなく「土台を広げる練習」。速くすると回復が遅れ、肝心のポイント練習の質が落ちます。
Q. ペースは何か月ごとに見直すべき?
A. レースや記録会で10kmタイムが更新されたら、その都度入れ直しましょう。実力が上がればペースも自動的に速くなります。
Q. 全部のペースを毎週やるべき?
A. いいえ。時期によって重心を変えます。冬の走り込みはE中心、レース前はT・I・Mを増やす、というように季節で配分を動かすのが正解です。
まとめ|ペースを数字で決めれば練習は変わる
- ダニエルズの5ペース(E・M・T・I・R)は、目的ごとに役割が違う
- 自分のペースは10kmタイム+VO2max計算で秒単位で決まる
- 練習量の7〜8割はE。ポイント練習(T・I・R)は週2回まで
- 時期によって配分を変える(走り込み期はE、レース前はT・I・M)
「がんばって走る」から「狙ったペースで走る」へ。
まずは次のジョグで、自分のEペースを守ることから始めてみてください。それだけで練習の質は確実に変わります。
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