サブスリーを達成したランナーでも、
「これは別世界」と感じる人がほとんどではないでしょうか。
実際、
サブエガ達成者は全体の1%未満。
難易度・割合ともに、
アマチュアランナーの中では最上位クラスの目標です。
この記事では、
サブスリー達成後420日でサブエガを達成した実体験をもとに、
月間走行距離、練習量、ピーキング、補給、
そして37km以降のリアルな心情まで、
包み隠さず記録しています。
「月間300kmも走れないと無理?」
「40代・50代でも可能?」
「結局、何が一番きつい?」
そんな疑問を持つ方にこそ、
読んでほしいサブエガ達成のリアルです。
サブエガとは?難易度と達成者の割合を実体験から解説
サブエガとは?サブスリーとの決定的な違い
サブエガとは、フルマラソンを2時間50分以内で完走することを指します。
1kmあたりのペースは4分00秒。
サブスリー(4分15秒/km)から、
さらに1kmあたり15秒短縮が必要になります。
実際に達成してみて感じたのは、
サブエガは「サブスリーの延長」ではないということ。
必要になるのは、
単なる走行距離の積み重ねではなく、
高い走力・練習の質・レース運び、
そして当日のコンディションまで含めた総合力です。
体感としては、
ランナー人生の中でも明確に別次元の壁だと感じました。
-
ゴルフで例えると:
アマチュアゴルファーがスクラッチプレーヤー(パーで回る)になるレベル。
継続的なトレーニングと専門的な知識が不可欠です。 -
ボウリングで例えると:
パーフェクトゲーム(300点)を出す難易度。
一般的なアマチュアにとっては、狙って簡単に出せるものではありません。
日本でのサブエガ達成者の割合はどれくらい?
サブエガを達成できるランナーは、全マラソン参加者の約1%未満と言われています。
レースのレベルによって多少の差はありますが、
アマチュアランナー全体で見れば、
到達できる人はほんの一握りです。
『全日本マラソンランキング』のデータでは、
日本におけるサブエガ達成率は、
男性ランナーで約0.8%、
女性ランナーでは約0.1%とされています。
この数字が示す通り、
サブエガはアマチュアランナーの最上位クラスに位置する目標です。
だからこそ、
「本当に自分が目指していいのか?」と悩むのは、
ごく自然なことだと思います。
サブエガ達成までの月間走行距離【実体験データ公開】
結論から言います。サブエガは、月間300kmを走り続けなくても達成できます。
サブエガは、
ランナー全体の上位1%未満と言われる世界ですが、
「月間どれくらい走ればいいのか?」については、
情報がかなり曖昧だと感じていました。
私自身、
2019年11月のつくばマラソンでサブスリーを達成しています。
バナナぴろし
サブスリー達成後、
いわゆるサブスリーロスに陥り、
一時はモチベーションが大きく落ちました。
次に掲げた目標がサブエガ。
キロ4'00で走り切るフルマラソンです。
正直、
このペースは「無理ゲー」だと思っていました。
ですが、
そこから1年4ヶ月(420日)。
試行錯誤を重ねた結果、
サブエガ(2時間49分38秒)を達成しています。
ここからが本題です。
以下は、
私がサブエガを達成するまでの実際の月間走行距離を、
すべて記録したデータです。
| 年度 | 月 | 月間走行距離 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 2019年 | 10月 | 262.7km |
つくばサブスリー (2:58'08") PB10km37'07、ハーフ 1:22'41 |
| 11月 | 246.2km |
さいたま国際マラソン (2:58'01") 中足骨疲労骨折 |
|
| 12月 | 87.1km | 中足骨疲労骨折 | |
| 2020年 | 1月 | 164.8km | 中足骨疲労骨折 |
| 2月 | 256.2km | — | |
| 3月 | 236.4km | — | |
| 4月 | 250.4km | — | |
| 5月 | 283.0km | — | |
| 6月 | 311.5km | — | |
| 7月 | 195.1km | シンスプリント | |
| 8月 | 91.3km | シンスプリント | |
| 9月 | 190.9km | シンスプリント | |
| 10月 | 270.6km | — | |
| 11月 | 262.7km | MKディスタンス 5000m 17'22" | |
| 12月 | 249.8km | 関東ロード 10km 35'33" | |
| 2021年 | 1月 | 263.8km | — |
| 2月 | 283.8km | 北千住や-すマラソン 1'18'16" | |
| 3月 | 261.3km | 東京チャレンジマラソン 2'49'38" |
月間300kmを超えた月は、ほとんどありません。
重要なのは、
走行距離の多さではなく、
目的に合った練習内容と効率です。
このあと、
サブエガを達成したレースに向けて行った
ピーキング(調整)とレース展開を、
実体験ベースで詳しく書いていきます。
サブエガレースに向けたピーキングと調整方法
サブエガを狙うレースでは、直前のピーキング(調整)が、
結果をほぼ決めると言っても過言ではありません。
どれだけ走力があっても、
レース直前に疲労を残せば失敗します。
逆に、
調整がハマれば持っている力を100%近く発揮できます。
ここでは、
私がサブエガを達成した東京チャレンジマラソンに向けて、
実際に行ったレース3週間前からのピーキングを、
そのまま公開します。
「これをそのまま真似すればOK」
という内容です。
レース3週間前の練習内容はこちらです。
距離を抑えつつ強度を残したピーキングの全体像
- 3週間前:ハーフマラソン(1時間18分16秒)…実戦レース
-
2週間前:AM 芝生30km走
PM 5000m(4'00)×2本(疲労状態でのレースペース確認) - 1週間前:トラックで5000m刺激入れ
- 4日前:10kmジョグ(4'20/km)
- レース前3日間:ランオフ(1.3kmは徒歩)
ここで、
多くのランナーが不安になるポイントがあります。
「3日も走らなくて、本当に大丈夫なのか?」
私も、最初はかなり不安でした。
ですが、
論文を調べていく中で、
はっきりと書かれていた一文があります。
3日間ランオフしても、走力は落ちない
ランニングオフ期間の影響|3日間の休息が走力に与える影響
研究によると、3日間の完全なランオフでは走力はほぼ低下しないことが示されています。
この知見は、
レース前の調整や怪我予防、
テーパリングを考える上で非常に重要です。
多くのランナーは、
「休んだら弱くなる」と感じがちですが、
短期間の休息は、
むしろ疲労を抜き、パフォーマンスを高める方向に働きます。
実際に、
経験豊富なランナーを対象に、
ランオフ前後で5kmTTやVO2maxを比較した研究でも、
走力の有意な低下は見られていません。
一部のケースでは、
パフォーマンスが向上する例すら報告されています。
つまり、
レース前のピーキングでは、
「走らない勇気」こそが最後の仕上げになります。
私は勝負レース前は3日間のランニングオフを実践しています。
VO2max(最大酸素摂取量)が低下し始めるのは、
一般的に4日目以降と言われています。
そのため、
疲労を完全に抜きつつ、
走力を落とさない最適解が3日間でした。
このピーキング方法で、
私は5000m・10km・ハーフマラソン・フルマラソンすべてにおいて、
自己ベストレベルのパフォーマンスを発揮できています。
サブエガレースに向けたカーボローディングと当日の補給
結論から書きます。サブエガだからといって、特別な補給は必要ありません。
ここでは、
私がサブエガを達成したレース当日に実際に行った
カーボローディングと補給内容を、
そのまま公開します。
ポイントは、
「やりすぎないこと」と
「普段から慣れているものだけを使うこと」です。
カーボローディングとは、
数日前から炭水化物の摂取量を増やし、
筋肉や肝臓にグリコーゲンを蓄える栄養戦略です。
フルマラソンでは、
このエネルギーの枯渇を防げるかどうかが、
後半の失速を大きく左右します。
レース1週間前〜前日のカーボローディング
正直に言うと、1週間前から細かい管理はしていません。
意識したのは、
しっかり食べることと
アルコールを控えることだけ。
前日の夕食は、
パスタを大盛りにしました。
ここで無理に量を詰め込まず、
「胃腸に負担をかけない」ことを優先しています。
レース当日の朝ごはんと捕食
レース当日の朝は、以下の内容を摂っています。
- お餅2個(※ノリは消化が悪いためNG)
- 肉まん
- カロリーメイト 2本
- ウイダー 1本
- コーヒー
食べ慣れているものだけを選んでいます。
レース1時間前の捕食
スタート1時間前には、以下を追加しました。
- ウイダー 1本
- ダカラ 500ml
エネルギー補給というよりも、
血糖値を安定させることです。
レース中の補給
レース中の補給は、最小限にしています。
- 10km地点:塩入りウイダー 1本
- 30km地点:アミノバイタル 1包
胃腸トラブルの原因になります。
サブエガを狙うレースでは、
「足りない」より「やりすぎない」ほうが、
結果的に安定して走れました。
サブエガになったレースレポート
このレースで最も重要だったのは、前半で余裕を残し、後半のトラブルに冷静に対応できたことです。
今回走ったコースは、
1周10kmを4往復する周回コース。
折り返しは合計9回、
そして最後にもう1回追加される構成でした。
折り返しの多さが後半の集中力を試される構成だった
当日の天候にも恵まれ、
ほぼ無風という理想的なコンディションでした。
ランニングウォッチとレース準備
レース中に表示したのは、ラップペース・スプリット・距離のみ。
心拍数は、あえて表示しませんでした。
心拍を見ても、
高ければ焦るし、
低くても安心できるわけではない。
ウォームアップは、
1kmジョグ+ドリル+200mダッシュ1本。
ペーサー付きレースだったため、
2時間50分のペース集団に入り、
位置取りは常に後方をキープしました。
東京チャレンジマラソンの序盤(0〜10km)
走りはかなり余裕がありました。ただ、想像以上に汗をかいた点だけが、
少し気になるポイントでした。
余裕を持ってサブエガペースに収まっていた
中盤(11〜20km)|ペースが完全に安定
ペース感覚は完全に安定。汗も止まり、
身体がレースペースに馴染んできました。
ペース・呼吸・リズムが完全に噛み合った感覚があった
後半(21〜30km)|余裕を残す判断
ここまで来ても、ランにはまだ余裕がありました。
あえてペースを上げず、後半勝負を選択した判断
向かい風を感じたため、
「折り返してから上げる」と判断しました。
この判断が、後半の展開を大きく左右します。
30km以降|攣りと立て直し
33km地点の折り返し直後、踏み込んだ瞬間に、
アキレス腱とふくらはぎが攣りました。
実質18秒ほどロス。
それまで使っていた、
アキレス腱の反射を使った走りを封印。
股関節の可動だけで前に進む走りに切り替え、
少しずつ、少しずつペースを戻しました。
ラスト2km
残っている力をすべて出し切った区間
ゴールへ。
サブエガを走ったときの心情
正直に言うと、本当に嬉しかったです。
420日積み重ねた努力が報われた感情を重ねている
37km〜40kmの、たった3km
本当に、キツかった。
何度も、
「ここでペースを落とそうか……」
「サブエガは、次の機会でもいいんじゃないか……」
そんな悪魔の囁きが、
何度も脳裏を駆け巡りました。
レース後半で折れない心の持ち方
ここを乗り切った、そのときの思考回路を、
正直に書き残しておきます。
①「あと20分なんて、今までの練習時間に比べたら、たった20分。絶対にいける」
この考えが浮かんだとき、
ふと頭に浮かんだのが、
漫画『はじめの一歩』のこのセリフでした。
『3分…だと。たったの3分なんぞへでもねえよ
なんたってこちとら5年も粘ってきたんだ!』
マラソン後半の思考と完全に重なった瞬間
不思議と、もう一歩前に進めました。
② サブエガを達成して、褒めてもらいたい
正直な話、
「スゲー」と言われたい。
それだけの理由でも、人は踏ん張れます。
そんな打算も、
見栄も、
全部ひっくるめて、
サブエガ達成。
この先には、
もう分かりやすい称号はありません。
ただ、
難易度だけが上がっていく、
周回ゲームのような世界。
これからは、
モチベーションをどう保つかが、
次の課題になります。
今回は、新編:第2章で、結果を記載しました。
次回から、練習内容編になります。
サブスリーからサブエガを目指す中で重要となる「ピッチ」と「ストライド」の関係を、実際のデータと経験をもとに解説しています。
バナナぴろし

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