バナナぴろしのブログ検索(人気キーワード 芝生、10km、坂ダッシュ)
カテゴリ・リストへジャンプ

ヤッソ800とは?正しいやり方・本数・レスト設定とサブ4〜サブ3ペース表を徹底解説

2025年12月7日日曜日

マラソン知識・技術/スピード練習の種類

t f B! P L
ヤッソ800とは?正しいやり方・本数・レスト設定とサブ4〜サブ3ペース表を徹底解説
フルマラソンでサブ4・サブ3.5・サブ3を目指すランナーに長く支持されている代表的な練習がヤッソ800です。
ただ、「効果は本当にあるの?」「サブ3を狙う設定は?」など、疑問を持つ人も少なくありません。

実はヤッソ800とは、単なるインターバルではなく
神経刺激 × 閾値維持 × フォーム安定
の3つを同時に鍛えられる、非常に効率的なマラソントレーニングです。
正しく理解して行えば、30km以降の落ち幅を小さくし、走力を確実に底上げしてくれます。

この記事では、私が実際に実施したヤッソ800 10本の実測データを使いながら、初心者〜サブ3レベルまで使える設定と効果を分かりやすく解説します。

この記事を読むと、こんなことがわかります
  • ヤッソ800とは何かが短時間で理解できる

  • ヤッソ800 やり方(本数・レスト・設定)の正しい組み立て方

  • 神経刺激・閾値・フォーム安定がレースにどう効くか


この記事を読み終えるころには、自分の走力に合った最適なヤッソ800設定が明確になり、すぐに練習へ落とし込めるようになります。



りんごちゃん

「ヤッソ800」って最近よく聞くけど…800って何?数字の呪文みたいで、ちょっと怖いんだけど〜!

バナナぴろし

怖がらなくて大丈夫だよ、りんごちゃん。
ヤッソ800はフルマラソンを目標タイムで完走する力があるかどうかをチェックできる、シンプルだけど奥深い練習メニューなんだ。

りんごちゃん

えっ!?練習なのにタイムがわかっちゃうの?
それって、ちょっと魔法っぽくない?

ナップル博士

フフフ、魔法ではないが理論はあるぞい。
ヤッソ800は「800mを〇分で10本走れたら、フルマラソンをその時間で完走できる」という法則があるのじゃ。
例えば、3分00秒で800mを10本こなせれば、サブ3(3時間切り)の可能性が高いというわけじゃな。

バナナぴろし

さっきのりんごちゃんの質問にもあったけど、ヤッソ800がなぜマラソンに効くのか?について、次のセクションでわかりやすく解説していくね。

ヤッソ800とは?マラソンに効く理由と“本質的な効果”をランナー目線で解説

ランナーに人気の「ヤッソ800」とは何か?

ヤッソ800とは、アメリカのバート・ヤッソが考案したマラソン向けの走力測定・強化メニューです。
やり方はとてもシンプルで、800mをフルマラソンの目標タイム(h:mm)と同じ時間で走り、同じ時間をレストとして繰り返すというもの。
例:サブ3 →「3分00秒で800m → 3分00秒レスト」

ヤッソ800とは?やり方を図解で解説|800mを目標タイムで走り同じ時間レストするマラソントレーニング
ヤッソ800のやり方を図解で説明。800mをフルマラソン目標タイムと同じ時間で走り、同じ時間レストするシンプルな練習。
世界中のランナーに支持されている理由は、このメニューが単なるインターバルではなく、マラソンの予測指標としても使える点にあります。
とくに有名なのは、“10本そろえた平均タイム=フルマラソン予想タイム”というシンプルで分かりやすい法則です。
これにより、サブ3・サブ3.5・サブ4といった目標別の走力チェックが誰でも行えるのが魅力です。

なぜマラソンに効くのか?ヤッソ800の効果を解説

ヤッソ800は、マラソンに必要な複数の能力を“同時に”鍛えられるトレーニングです。

  • スピード持久力の向上
    800mを目標ペースで走ることで、フル後半の粘りに直結する脚づくりができる。

  • 心肺機能(VO2max)の強化
    心拍ゾーン4〜5で走る時間が長く、高強度の刺激が効率的に入る。

  • マラソンペースの余裕度アップ
    Mペースより速いスピードで走るため、本番の巡航が“楽に感じる身体”を作れる。

バナナぴろし

こちらの記事も合わせてどうぞ🍌

マラソンの練習で使うE/M/T/I/Rペースの意味や使い分けを初心者向けに丁寧に説明した解説記事です


さらに重要なのは、ヤッソ800が「神経刺激 × 閾値維持 × フォーム安定」の3要素を同時に満たす、非常に質の高いLTインターバルであることです。
この構造こそが、ヤッソ800 効果の本質と言えます。

ヤッソ800の効果を図解|神経刺激・閾値維持・フォーム安定が同時に鍛えられる質の高いLTインターバル
ヤッソ800は「神経刺激 × 閾値維持 × フォーム安定」が同時に成立する、非常に質の高いLTインターバルであることを示す図解。


ヤッソ800の心拍データ分析|平均154・最大180・Z5滞在27%からわかる負荷とトレーニング効果を示すグラフ
ヤッソ800実施時の心拍データ。平均154・最大180bpm、Z5滞在27%という高強度で、神経刺激・閾値向上・フォーム安定が同時に鍛えられていることが読み取れる。
実測データ(800m区間平均が約3分、心拍平均154・最大180、Z5滞在27%)は、バナナぴろしがヤッソ800を本来の目的に合った最適強度で実施できていることを強く示しています。

ヤッソ800は、単なる「ゼーハーするきついインターバル」ではなく、以下の3つが同時に成立する高度なトレーニングです。
  • ① 神経系の強い刺激(高速ピッチ・筋出力の再現性向上)
    Z5滞在27%という高強度は、動作速度をコントロールする神経系への刺激が十分に入り、レース終盤のフォームの“崩れにくさ”を育てます。

  • ② 閾値(LT)の維持と向上
    走区間で心拍160〜180bpmへ上げ、レストで回復させるリズムは、乳酸処理能力を強化し、巡航ペースの余裕度を高めます。

  • ③ フォームを保ったままスピードを出し続ける能力
    800mを3分前後で“揃えて”走れていることは、脚筋の協調性・姿勢保持筋の持久力が高く、動きの再現性が優れている証拠。

この3つの要素が噛み合うことで、ヤッソ800は非常に質の高いLTインターバルとなり、フルマラソン後半の失速を防ぐ大きな武器となります。

ランナー目線でわかるヤッソ800のメリット

実際にヤッソ800 インターバルを行うと、理論以上に体感できるメリットがあります。
特に大きいのは次の3つです。

  • ① フル後半の失速を防ぐ“粘れる脚”が身につく
    レストが「同じ時間」のため、後半の疲労感がレース終盤に近くなる。

  • ② 心拍の上げ下げがレースに近い
    インターバル→レストの心拍波形が、給水後の再加速とよく似ている。

  • ③ 成長が数値で見える(走力把握に最適)
    過去のラップと比較すると、ペース維持の成長が即座にわかる。

このように、ヤッソ800 とは単なるスピード練習ではなく、マラソンの総合力を底上げする万能メニューです。

次のセクションでは、バナナぴろしの実測データを踏まえながら、ヤッソ800 やり方(本数・レスト・ペース設定)について詳しく説明していきます。

ヤッソ800の正しいやり方|本数・レスト設定と走力別ペース(サブ4〜サブ3.5〜サブ3)

ヤッソ800の基本構成(走:レスト=同じ時間)

ヤッソ800 やり方はシンプルですが、設定を誤ると本来の効果が半減してしまいます。

ヤッソ800の基本ルールはとても明確です。
  • ① 800mを目標タイムで走る
    例:サブ3 → 3分00秒、サブ3.5 → 3分30秒、サブ4 → 4分00秒

  • ② レストは“同じ時間”とする(ジョグまたは歩き)
    走3分 → レスト3分という等時間構造がポイント。

  • ③ 本数は走力別に8〜10本が目安
    「10本そろう=設定どおりの走力がある」ことを意味します。

ヤッソ800の基本構成を図解|800mを目標タイムで走り、同じ時間をレストにする等時間インターバル。本数は8〜10本が目安。
ヤッソ800の基本構成を説明した図。①800mを目標タイムで走る、②レストは同じ時間、③本数は走力に応じて8〜10本が目安という3つのポイントがまとめられている。

サブ4・サブ3.5・サブ3の走力別設定

ヤッソ800は、時間=走力というシンプルな構造で成り立っています。
そのため、目標タイムによって800mの設定が明確に決まります。

目標 設定タイム(800m) レスト(同タイム)
サブ4 4分00秒 4分00秒
サブ3.5 3分30秒 3分30秒
サブ3 3分00秒 3分00秒

ヤッソ800を成功させるコツ

ヤッソ800は「全力で走る」トレーニングではなく、設定どおりに全区間をそろえることが重要です。

  • 序盤から突っ込みすぎない
    後半の失速はメニューの意味を崩してしまう。

  • レストでしっかり心拍を落とす
    再加速の神経刺激が正しく入る。

  • ラップを一定にそろえる意識を持つ
    フォームの安定=フル後半の持続力につながる。

  • 10本完遂を目指すなら6本目まで余裕を残す

バナナぴろしのデータでも、走区間・レスト区間が美しくそろっており、フォーム・心肺・呼吸のコントロールが非常に高いレベルにあることがわかります。
これはサブ3・サブエガを狙うランナーにとって大きな武器です。

次のセクションでは、サブ4〜サブ3までひと目で比較できるヤッソ800 ペース表を紹介し、自分の設定がどこに当てはまるか判断しやすく解説します。

ヤッソ800が身体に与える効果|神経系・代謝・筋持久力の3方向から徹底解説

ヤッソ800 効果は単なる心肺強化だけに留まりません。 このセッションが本質的に優れている理由は、
① 神経系の高速化 ② 代謝(乳酸処理・LT)の向上 ③ 筋持久力とフォーム安定性の強化
という「走りの3大要素」を同時に鍛えられる点にあります。

① 神経系が鍛えられる(スピードの再現性が向上)

ヤッソ800は800m区間を目標マラソンタイムと同じ時間で走るため、 ランニング動作を司る神経系に強い反復刺激が入ります。

特にバナナぴろしのデータでは、Z5(無酸素域)滞在27%と高く、 これは以下の効果に直結します。

  • ピッチ・ストライドの調整能力が向上

  • 再加速の反応速度が改善(給水後・坂の後など)

  • フォーム維持の神経的再現性が高まる
マラソン後半でフォームが崩れにくくなる最大の理由が、この神経系への刺激です。

② 乳酸処理能力(LT)が上がる:巡航ペースが楽になる

800m走区間では心拍が160〜180bpmまで上昇し、 そこからレスト3分で回復する循環が何度も生まれています。

これは生理学的に見ると、以下のLT向上を強烈に促します。

  • 乳酸生成 → 処理 → 再加速の能力が劇的に強化

  • 巡航ペース(Mペース)が楽に感じる

  • レース終盤の落ち幅が小さくなる
バナナぴろしのZ4(乳酸性閾値域)が18%を占めているのは、 LT向上に理想的な負荷で走れている証拠です。

③ 筋持久力・姿勢保持筋が鍛えられる(フル後半に効く)

800m×複数本を「ほぼ同じペース」で走るという構造は、 ランナーにとって非常に高い筋持久力トレーニングになります。

これにより、以下のメリットが得られます。

  • 30km以降もフォームが崩れにくい

  • 疲労しても一定ペースで刻める

  • フルマラソン後半の“粘り”が向上
ヤッソ800が「後半に強いランナー」を作る最大の理由がここにあります。

【まとめ】ヤッソ800は“身体を総合的に強くする”万能メニュー

ヤッソ800が与える身体的効果を総合すると、以下の通りです。

  • 神経系の強化 → 再現性の高いフォーム

  • LT向上 → Mペースの余裕度UP

  • 筋持久力の向上 → レース後半の粘りUP
この三位一体の効果により、ヤッソ800は
サブ4・サブ3.5・サブエガ・サブ3すべてのランナーに有効な万能トレーニング として、長年愛され続けています。

次のセクションでは、実際にバナナぴろしが走った心拍・ペース推移をもとに、 トレーニングの深い分析へと進みます。


実際にヤッソ800を走った結果|心拍・ペース推移から見える効果と到達レベル分析

今回のヤッソ800 インターバルは、松戸運動公園の外周(約1.1km)を使い、合計10本というボリュームで実施しました。
800m区間はほぼ3分前後でそろい、レストも3分前後で安定。
これはヤッソ800の本質である「揃ったラップ=マラソン後半の安定感」を極めて高い精度で再現できていると言えます。

心拍データから見える負荷の高さと効果

ヤッソ800実施時の走行マップと概要データ(松戸運動公園外周10.82km、平均心拍154、平均ピッチ180、獲得標高104m)
COROSログに記録されたヤッソ800実施時の走行マップとトレーニング概要。松戸運動公園外周を利用し、総距離10.82km・平均心拍154・平均ピッチ180などが確認できる。
ヤッソ800のラップ一覧表。各本の距離と時間、平均ペースが表示されており、走区間0.78〜0.80kmは2分52秒〜3分05秒で安定。レスト区間は0.29〜0.34kmで約3分前後。全18本が高い再現性でそろっていることが分かるデータ。
ヤッソ800のラップ一覧。走区間は2:52〜3:05で安定し、レストも3分前後で揃った高精度のインターバルが実施できていることが分かる。
本数 疾走タイム レストタイム
1 3:02.97 2:54.54
2 2:54.80 3:04.59
3 2:53.91 3:04.83
4 2:55.24 3:02.82
5 2:57.13 3:03.22
6 2:56.45 3:00.46
7 2:54.87 3:03.63
8 2:56.25 3:01.07
9 2:55.45 3:00.71
10 2:52.33
ヤッソ800インターバル実施時の心拍データ。平均154bpm・最大180bpmで、走区間では心拍が160〜180まで上昇し、レストで大きく下がる波形が繰り返されている。Z5滞在27%、Z4滞在18%など心拍ゾーン別の負荷割合が表示され、高強度インターバルであることがわかる心拍グラフ。
ヤッソ800中の心拍推移を示すグラフ。平均154・最大180bpm、Z5滞在27%で、走区間とレスト区間の心拍の上げ下げが明確に表れている。
  • 平均心拍:154 bpm
  • 最大心拍:180 bpm
  • Z5(無酸素域):27%(15:31)
  • Z4(乳酸性閾値域):18%(10:32)

ペース推移から分かる再現性の高さ

ヤッソ800実施時のペース推移グラフ。800m区間では3分台前半の高速ペースを繰り返し、レストで大きく落ちる波形が連続している。乳酸性閾値ゾーン(3'36〜3'54)が32%、無酸素性パワーゾーン(3'19〜3'35)が13%を占め、インターバル強度が適切に入っていることを示すデータ。
ヤッソ800のペース推移グラフ。走区間は3分台前半で揃い、レストでしっかり落とす理想的な心拍・ペースの波形が形成されている。乳酸性閾値〜無酸素域の滞在割合が高く、正しい強度でヤッソ800が実施できていることを示している。
800m区間の推移は以下の通り、驚くほど安定していました。
・最速:2:52
・平均:3:00〜3:02
・最大でも約3:05

マラソン後半で必要とされる「淡々と刻む力」が、ヤッソ800で確実に鍛えられていることがよく分かります。

レストもほぼ3分で安定し、心拍の回復→再加速のリズムが乱れていません。
これはインターバルトレーニングに慣れたランナー特有の“再現性の高さ”を示しています。

今回のデータから導かれる総合評価

今回のヤッソ800セッションの特徴をまとめると、以下のようになります。
  • ① 800mの全ラップが3分前後で安定
    → サブ3設定を完全にクリア。

  • ② 心拍の上下動が理想的なリズムで反復されている
    → 正しいヤッソ800 効果を得られている。

  • ③ 18本を大きく崩さずに走り切れている
    → スピード持久力・回復力が高い水準。

  • ④ 外的環境(気温8℃・風9km/h)にも適応
    → レース条件への耐性も高い。

結論として、今回のセッションはバナナぴろしがサブ3ペースの反復に十分耐えられる走力を持っていることを明確に示しています。
ヤッソ800の精度が高いほど、本番での「30km以降の落ち幅」が小さくなるため、今回のデータは大きな自信材料となります。

今後はこの結果を踏まえ、レース戦略・トレーニング周期への落とし込みを行うことで、さらに高いレベルへ到達できるでしょう。

りんごちゃん

なるほど〜!ヤッソ800って、ただのスピード練じゃなくて、マラソンの総合力をチェック&強化できるメニューだったんだね!

バナナぴろし

その通り!特にペースの安定・心拍のコントロール・後半の粘りを高めるのにピッタリなんだ。
正しくやれば、30km以降の落ち幅を減らせるよ。

りんごちゃん

よ〜しっ、わたしもサブ4目指してヤッソ800チャレンジしてみるっ🍎!
でも…最初は5本くらいからでもいいんだよね?笑

バナナぴろし

うんうん、最初は本数を少なめにしてフォーム重視でやるのがおすすめだよ。
今回のデータ分析を参考に、ぜひ自分のペースで取り入れてみてね!

このブログを検索

カテゴリ・ラベル

    プロフィール(著者)

    自分の写真



    昭和49年生まれ
    2017年1月1日からランニングを始める。
    初めての10km走を75分

    トレーニング方法を学び、芝生ランニングにたどり着く

    その結果
    2年と11ヶ月で2:58:08(サブスリー)
    その後、
    1年と4カ月で2:49:35(サブエガ)

    5000m: 17:22
    10km: 35:33
    ハーフマラソン: 1:18:47
    フルマラソン: 2:49:35
    ウルトラマラソン: 挑戦中

    X(Twitter) Facebook

    質問があれば受け付けます

    名前

    メール *

    メッセージ *

    ページビューの合計

    QooQ