サブスリーを達成したあと、
次の目標としてよく名前が挙がるのがサブエガ(フルマラソン2時間50分切り)です。
しかし実際には、
「サブエガって何がそんなに違うの?」
「必要なペースや練習は?」
「そもそも難易度はどれくらい?」
と、具体像が見えずに立ち止まるランナーも少なくありません。
私自身も、サブスリー達成後に目標を見失い、
10kmレースでの悔しい敗戦をきっかけに、
初めて「このままでは先に進めない」と痛感しました。
この記事では、
サブスリーからサブエガへ挑戦したリアルな体験をもとに、
必要なペース・走力の目安・練習内容・達成難易度を、
数字と実感の両面から分かりやすく解説します。
これは、
サブエガ達成まで420日間の挑戦記・新編第1章
です。
サブエガとは?意味・ペース・達成難易度を分かりやすく解説
サブエガとは、フルマラソンを「2時間50分以内」に完走すること。サブスリー達成後に「次は何を目標にする?」となったとき、最初に立ちはだかる大きな壁がこのラインです。
目標タイム2時間50分は、平均すると「1kmあたり4分01秒ペース」。
42.195kmをこの平均ペースで押し切るには、スピードだけでなく、後半まで落ちない持久力と、レース当日の調整まで含めた総合力が必要になります。
サブエガの意味と魅力(由来もサクッと)
サブエガは、市民ランナー目線だと「速い人の証明」になりやすい目標です。サブスリーが「走り込みの積み上げ」で届く人が増える一方、サブエガはスピード練習の比重も上がり、要求されるレベルが一段上がります。
ちなみに「エガ」は、お笑いタレントの江頭2:50さん(=2:50)にかけた呼び名。
由来は軽くても、やることはガチ。だからこそ達成したときの喜びが大きいです。
サブエガの達成難易度は?割合・レベル感の目安
結論から言うと、サブエガは「やれば誰でも届く」ではなく、達成できる人がかなり絞られる目標です。理由はシンプルで、フルマラソンを4分01秒ペースで走るには、後半の失速を抑える心肺・脚作りに加えて、一定以上のトップスピードも必要だから。
「何パーセントくらい?」という問いはよく出ますが、母数(大会規模・コース・気象条件・記録の集計方法)でブレます。
ここでは断定の数字よりも、あなたが照合しやすいように「必要な目安タイム(5km/10km/ハーフ)」で考えるのが現実的です。
40代・50代でも狙えます。
ただし回復力の差が出やすいので、ハード練習を増やすより「継続できる設計(頻度・休養・故障回避)」のほうが近道になりやすいです。
必要な走力の目安(5km・10km・ハーフ)
サブエガを目指すうえで多くの人が気になるのが、「今の自分のタイムで、本当に可能性があるのか?」という点だと思います。
ここでは、サブエガに見られる走力をもとに、
5km・10km・ハーフマラソンの目安タイムを整理しました。
コース条件や得意・不得意で前後するため、あくまで“判断材料のひとつ”として使ってください。
| 種目 | 目安タイム | 見るポイント |
|---|---|---|
| 5km | 17分44秒前後 |
スピードの土台。 ここが弱い場合はスピード練習やインターバルが効果的 |
| 10km | 36分48秒前後 |
巡航力の確認ポイント。 閾値走がしっかり積めているかが分かる |
| ハーフ | 1時間21分23秒前後 |
後半の粘りとスタミナ。 ロング走やペース走の完成度が反映されやすい |
| フル | 2時間50分切り |
平均4分01秒ペース。 勝負どころは30km以降 |
これらのタイムは、ダニエルズ理論に基づくタイムです。
ダニエルズのペースを解説した以下の記事を参考にしてください。
サブエガ達成に必要な練習(まず押さえるべき方向性)
サブエガに必要なのは、ざっくり言うと「速く走る力」と「速いまま長く走る力」の両立です。具体的には、閾値走で巡航力を上げ、インターバルでスピードの天井を押し上げ、ロング走で後半の粘りを作る。
そして一番大事なのは、レース当日に4分01秒ペースを“気合い”ではなく“再現できる状態”にしておくこと。
次の章で、一般的なトレーニングメニューを具体例付きで整理します。
サブエガ達成に必要な練習内容|インターバル・閾値走・月間走行距離
サブエガ達成のためのトレーニングメニューの考え方
サブエガを目指す練習で大切なのは、「とにかく追い込む」ことではなく、
再現性のあるペースを、疲労を管理しながら積み上げることです。
ここでは、ダニエルズ理論をベースにした練習の考え方を軸に、
サブエガに直結しやすいトレーニングを整理します。
無理な設定は故障や停滞につながるため、
「できる練習を、継続できる形」で組むことが前提です。
ダニエルズの練習ペースの考え方については、
以下の記事で詳しく解説しています。
| Type | 1kmペース |
|---|---|
| Easy | 4分35秒 ~ 5分04秒 |
| Marathon | 4分02秒 |
| Threshold | 3分49秒 |
| Interval | 3分30秒 |
| Repetition | 3分15秒 |
以下は、サブエガを狙う多くのランナーが取り入れている代表的な練習です。
すべてを完璧にこなす必要はありませんが、
それぞれの「役割」を理解して組み合わせることが重要です。
インターバル走(スピードの天井を上げる)
インターバル走は、レースペースを余裕に感じるための「スピードの余白」を作る練習です。
例としては、
1000m × 5本(ペース3分30秒前後、レスト80秒)など。
毎回全力ではなく、「設定を揃える」意識が重要になります。
閾値走(Tペース|巡航力の土台)
閾値走は、サブエガを目指すうえで最重要と言っても過言ではありません。フルマラソンで平均ペースを維持する力は、ここで作られます。
目安としては、
20分前後を「ややキツいが押し切れる」ペースで走る設定。
例:3分50秒前後 × 20分
ロング走・30km走(後半失速を防ぐ)
ロング走は、30km以降に脚が残るかどうかを左右します。毎回30kmを走る必要はありませんが、
レース期には30km走を数回入れておきたいところです。
ポイントはペースよりも「余裕度」。
翌週に影響を残さない範囲で行うのが継続のコツです。
ビルドアップ走・ペース走(レース感覚の定着)
ビルドアップ走やペース走は、レースペースを身体に覚えさせるための練習です。
後半にペースを上げることで、
実戦に近い負荷を安全に再現できます。
ジョグ・回復走(見落とされがちな最重要要素)
ハード練習の効果を最大化するには、ジョグや回復走で疲労を抜くことが不可欠です。
「ジョグが遅くて不安」になる必要はありません。
回復が進めば、次のスピード練習の質が上がります。
サブエガ達成に必要な月間走行距離の目安
サブエガを目指す場合、月間走行距離も無視できない指標です。
一般的な目安としては、
月間280km前後。
ただし重要なのは距離そのものより、
「質の高い練習を支えられる走行量かどうか」です。
走行距離が少なすぎるとスタミナが不足し、
多すぎると回復が追いつかなくなります。
自分の年齢・生活リズム・故障歴を踏まえて、
継続できる練習量を見つけることが、
サブエガへの最短ルートになります。
サブスリー後に訪れた壁|バナナぴろしがサブエガを決意した理由
2019年11月、つくばマラソン。
マラソンを始めて3年、ついにサブスリーを達成しました。
「サブスリーを達成する」
その一点だけを最大の目標にして、暑い夏を走り切りました。
そして――
サブスリー達成
目標を達成した直後、正直に言うと、
マラソンに対する熱が一気に冷めました。
サブスリーという大きな目標を達成したあと、
多くのランナーが経験すると言われる「サブスリーロス」。
周囲でも、この段階で走るのをやめてしまう人を何人も見てきました。
理由はシンプルです。
キロ4分00秒でフルマラソンを走り切るイメージが、
どうしても湧かなかった。
「無理だろうな」
心のどこかで、そう思ってしまう自分がいました。
そんな停滞期に、ひとつの転機が訪れます。
入賞を目指して走った、我孫子市新春マラソン10km。
このレースは、結果以上に自分の現状を突きつけられた大会でした。
我孫子市新春マラソン10km大会の参加レポート。38分台の自己記録や入賞への挑戦、レース中の戦略・感想をリアルに綴っています。
レース後に強く残ったのは、
ただの「悔しい」では済まされない感情でした。
この大会は、
過去に40分切り、そして初入賞を達成した、思い出深い10kmレース。
「今回も入賞できるだろう」
そんな慢心を、どこかで持ってスタートラインに立っていました。
結果は、37分47秒・7位。
入賞ラインは6位。
あと一歩届かず、賞状すらもらえない順位です。
タイムだけを見れば大崩れではありません。
しかし、レース内容はまったく別でした。
序盤で飛ばしすぎ、
中盤でスタミナ切れ、
そして勝負どころでギアを上げられなかった。
それは故障明けという言い訳以前に、
サブスリー達成後、「次に何を目指すのか」を決めないまま走っていた
ことが原因だと、この10kmではっきり思い知らされました。
「もう、こんな悔しい思いはしたくない」
そこで決めました。
次に目指すのは、さらに高い壁。
目指せ、サブエガ
そして――
バナナぴろしは、
決意から420日後、
サブエガを達成することになります。
サブエガ挑戦開始時のリアルな実力|記録・設定ペース・明確になった課題
サブエガを決意した時点でのリアルな記録
我孫子市新春マラソン10kmでの悔しさを経て、「本気でサブエガを目指す」と決めた時点での、
バナナぴろしの実力を正直に整理してみます。
- 200mダッシュ:29秒(追い風)
- 1000m:3分04秒(追い風)
- 3000m:10分29秒(追い風)
- 5000m:18分00秒
- 10km:37分03秒
- ハーフマラソン:1時間22分45秒(足攣りあり)
- フルマラソン:2時間58分07秒(足攣りあり)
数字を冷静に見ると余裕で狙える状態ではないことが分かります。
設定した目標|まずは10km35分切り
サブエガへの挑戦にあたり、設定した目標はシンプルにこの2つでした。
- ① 10kmを35分切り
- ② フルマラソンでサブエガ(2時間50分切り)
その理由は明確で、
我孫子の10kmで「勝負できなかった原因」が、
トップスピード不足にあると感じたからです。
平均ペース:3分30秒/km
正直、数字を見た瞬間はこう思いました。
「3分30秒って…速すぎないか?」と。
当時設定していた練習ペース
10km35分切りを基準に、当時設定していたトレーニングペースは以下です。
インターバル走:1000m × 5本(レスト80秒)
設定:3分35秒
閾値走:6km
設定:3分45秒
VDOT換算で見えた現実
Jack Daniels のVDOT計算機で、「10km35分」を基準に算出すると、
必要なスピードは次のようになります。
Jack Daniels' VDOT Running Calculator
| 種別 | 1kmペース |
|---|---|
| Easy(Eペース) | 4分23秒 ~ 4分50秒 |
| Marathon(Mペース) | 3分50秒 |
| Threshold(Tペース/閾値走) | 3分38秒 |
| Interval(Iペース) | 3分21秒 |
| Repetition(Rペース) | 3分06秒 |
「手が届きそう」な感覚がありました。
しかし――
- インターバル:3分21秒
- レペティション:3分06秒
足りなかったのは、明確にトップスピード
我孫子市新春マラソン10kmで感じた「勝負できなかった感覚」。
数値で振り返ることで、その正体がはっきりしました。
こうして、サブエガへの旅が本当に始まります。
サブエガまで420日
420日間の挑戦が始まった瞬間を象徴するイメージ

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