次に目指したのがサブエガでした。
しかし、サブスリーとサブエガの間には、
想像以上に大きな壁がありました。
スピードはあるのに後半がもたない。
距離を踏めば怪我をする。
6月・7月・8月と故障が続き、
「このままではサブエガは無理かもしれない」と本気で思った時期もあります。
そんな中で試行錯誤を重ねる中、
サブスリーからサブエガへ到達するために決定的だった練習が、
大きく分けて3つあることに気づきました。
- 1つめ レペテーションからジョグ
- 2つめ スキップレペテーション
- 3つめ 60km走
このシリーズでは、
サブエガ達成に直結したこれら3つの練習を、
1つずつ実体験ベースで深掘りしていきます。
第1話となる今回は、
1つめのレペテーションからジョグについて。
私が鬼練と名付けたトレーニングです。
この練習は、
スピード強化とスタミナ強化を同時に狙えるのが最大の特徴で、
正直、この鬼練を抜きにしてサブエガ達成は語れません。
なぜこの練習が効いたのか。
どんな理屈でスタミナが伸びたのか。
そして、どうやって実践していたのか。
この記事では、
鬼練の理論と具体的なやり方を、
怪我に悩みながらサブエガを目指した実体験とともに詳しく解説していきます。
サブスリーは達成したけれど、
次の一歩で足踏みしている方にこそ、
ぜひ最後まで読んでほしい内容です。
サブエガ達成に必要な3つの条件
サブエガを達成するためには、闇雲に走るだけでは不十分です。
実体験を通して痛感したのは、次の3つが高いレベルで噛み合うことでした。
- 高速域でも余裕を持てるスピード
- 後半まで落ちない強靭なスタミナ
- キツさから逃げない精神力
私自身、6月・7月・8月と立て続けに怪我をしました。
この期間は走れない時間が増え、
「どうすればサブエガに到達できるのか」を徹底的に考える時間になりました。
無理なスピード練習は、確実に故障リスクを高めます。
これは理論ではなく、身をもって経験しました。
それでもサブエガを目指す以上、
高速で走り続ける能力は避けて通れません。
そこで鍵になるのが、乳酸を過剰に溜めない身体を作ることです。
サブエガ挑戦では、この理解が練習の質を大きく変えた
高速域で走り続けるためには、
LT値(乳酸性閾値)を引き上げる必要があります。
サブエガでは「超えない強さ」を作ることが重要だった
LT値の理論や考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめると、
サブエガ達成には高速で走り続けながら、乳酸を溜め込まない身体を作ることが不可欠です。
この考え方が、後述する「鬼練」につながっていきます。
スタミナが向上する理論的な仕組み
さて、なぜ乳酸が溜まると、急に脚が動かなくなるのか。
マラソンを走っていると、誰もが一度は経験する現象です。
乳酸とは何か?
乳酸は、激しい運動中に体内で生み出される代謝物です。通常、筋肉は酸素を使って糖質をエネルギーに変換します。
しかし、高強度になると酸素供給が追いつかなくなり、
酸素を使わない経路でエネルギーを作り始めます。
このとき発生するのが乳酸です。
決して悪者ではありませんが、溜まりすぎると問題が起こります。
乳酸が溜まると何が起きるのか
乳酸が増えると、筋肉内が酸性に傾きます。すると筋肉の収縮がスムーズに行えなくなり、
スピードを維持できなくなるのです。
これは気合や根性の問題ではなく、
身体を守るための生理的なブレーキです。
乳酸が急激に増え始める境界線が、
LT値(乳酸性閾値)と呼ばれます。
このLT値を引き上げる代表的な方法が、
いわゆる「閾値走(Tペース走)」です。
バナナ先生のイラストで直感的に理解できる図解
ダニエルズ理論でE・T・I・Rペースの役割を丁寧に説明した記事です
ここで、少し立ち止まって考えました。
ここから発想が大きく変わった
乳酸を「発生させない」ことばかりに意識が向いていましたが、
よく考えると、
発生した乳酸を処理できればいいのではと思ったのです。
そこで辿り着いたのが、中間筋という存在でした。
中間筋は、速筋と遅筋の中間的な性質を持ち、
発生した乳酸をエネルギーとして再利用できる能力を持ちます。
つまり、
乳酸を「溜めない」だけでなく、
「処理できる身体」を作ることで、
スタミナは大きく向上するという考え方です。
中間筋とバナナ先生の図解で分かりやすく示した一枚
次章で紹介する鬼練です。
鬼練(レペ+Eペース)の具体的な練習方法
この練習の狙いは明確です。
発生した乳酸を処理しながら走り続ける能力を鍛えること。
中間筋は、発生した乳酸をエネルギーとして再利用できます。
そして中間筋は、強い刺激を受けた速筋が変化することで育ちます。
つまり、
乳酸を意図的に発生させ、
休まずに処理しながら走ることで、
サブエガに必要なスタミナが身につくという考え方です。
足に乳酸を溜めるため、まずは坂ダッシュを行います。
坂は平地よりも、
短時間で強い刺激を入れやすい
という特徴があります。
そのため、効率よく乳酸を発生させることができます。
坂ダッシュ直後は、
レストを入れずにジョグへ移行 します。
ここがこの練習のいちばん重要なポイントです。
ジョグ中はEペースを維持しながら走ります。
そうすることで、
溜まった乳酸を「処理」しながら走る能力
を鍛えることができます。
鬼練メニューとして一目で理解できる実践向け図解
この練習を行うコースは、
200mフラット+200m坂の合計400mが理想です。
坂と平地を連続させるのが最大のポイント
ここが鬼練の一番キツい部分
練習内容は以下の通りです。
400m(200mフラット+200m坂)をレペテーションで10本
そのまま休まずに
10km Eペースジョグ
レペ後のEペース10kmが精神的にも一番キツい
正直に言うと、
レペテーションよりも、その後のEペース10kmの方がキツいです。
それでも走り切ったあと、
「高速域でも粘れる感覚」が確実に残ります。
この練習を、私は鬼練と名付けました。
簡単に言えば、
スピード練習のあとに、休まずEペースで走り続ける
ただそれだけの練習です。
しかし、この鬼練を取り入れなければ、
私はサブエガに到達できなかったと断言できます。
サブエガ達成に最も貢献した練習であり、
スタミナが魔法のように伸びた実感がありました。
9月の月間走行距離とコンディション
この月の月間走行距離は、
190.9km
サブエガを目指すには少なく感じるかもしれませんが、
この時期は怪我明けだったため、あえて距離を抑えていました。
無理に距離を踏めば、再び故障するリスクが高まります。
それよりも意識したのは、
走行距離よりも練習の中身でした。
特に、前章で紹介した鬼練のように、
スピードとスタミナを同時に鍛えられる練習を軸にすることで、
少ない距離でも手応えを感じられる状態を作っていました。
量より質を意識したトレーニング期間だった
この月に意識していたのは、
「たくさん走ること」ではなく、
次につながる走り方を積み重ねることです。
結果として、
月間200kmに満たない走行距離でも、
サブエガに必要なスタミナの土台は確実に作れていました。
距離が踏めずに不安を感じている方こそ、
練習の質を見直す価値があると感じています。
サブエガ達成に役立つスピード強化トレーニング「スキップレぺテーション」を解説した記事です。




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