りんごちゃん
前回は「距離より質、ラストスパート」って順調そうだったのに…今回のタイトル、怪我をした話? 何があったの?
バナナぴろし
やってしまったんだ…。トップスピードを上げようと、芝生インターバル、ビルドアップロング走、そして2日連続のセット練習(31.6km+36.6km)を重ねて…脚が壊れた。中足骨の故障だよ。
りんごちゃん
距離は抑えてたんだよね? なのに、どうして…?
ナップル博士
そこが落とし穴じゃ。月間走行距離は6月311.5km、7月195.1km、8月91.3km――数字は減っておる。じゃが問題は距離ではなく、高強度練習の偏りと回復不足。インターバルとロング走、どちらも脚へのダメージが大きいのに、回復日がほとんど無かった。トップスピードを高める練習は、心肺より先に脚が壊れるのじゃ。身体は6月・7月と何度もサインを出していた。それを「まだ走れる」と無視したのが、最大の失敗じゃった。
バナナぴろし
今日は、サブエガを目指す過程で行った練習内容と、月間走行距離の急落、そして怪我に至るまでの「兆候」を正直に振り返るよ。攻める勇気だけでなく、休む判断も同じくらい大事――この失敗から学んだことを、同じ轍を踏まないために残しておく。
そして迎えた、突然の怪我。走れなくなって初めて気づいたのは、怪我は一日で起きたわけではなかったという事実でした。この記事では、サブエガを目指す過程で行った練習内容と、月間走行距離の推移、そして怪我に至るまでの「兆候」を、実体験をもとに振り返ります。
サブエガに向けた練習内容と方針
サブエガを本気で狙う段階に入り、これまでの練習内容を大きく見直す必要がありました。サブスリーを目指していた頃は、月間300〜350kmを走っていても大きなトラブルはなし。距離を踏むことが、そのまま走力アップにつながっていました。実際、一定以上の走行距離を維持していれば、フルマラソン後半でも大きく失速することはありません。しかしサブエガとなると話は別です。同じ距離練習だけでは、レース後半でスピードを維持できないことが明確になってきました。フルマラソン後半、キロ4分を切るペースを維持し続けるためには、「そのペースが余裕で感じられる状態」を作る必要があります。そこで課題として浮き彫りになったのが、トップスピードの不足でした。
トップスピードが高くなれば、相対的にマラソンペースは楽になります。心肺的にも、筋力的にも余裕が生まれる。逆にトップスピードが低いままだと、マラソンペース=限界に近いスピードとなり、後半に耐えきれなくなります。この壁を越えるため、距離重視の練習から一歩踏み込み、思い切ってスピード練習の比重を増やしました。
距離重視から、「スピード × 距離」のバランス型トレーニングへ。これが当時立てた、サブエガに向けた基本方針です。今振り返ると、この判断自体は間違っていなかったと思います。ただし――その後に待っていたのは、想像以上に大きな代償でした。
芝生インターバルと薄底シューズの狙い
トップスピードを高めるために、練習の頻度を上げたのがインターバル走でした。月曜日はランオフ。火曜日に、芝生でインターバル走を行います。
短い距離を高強度で繰り返し走ることで、中間筋を刺激しスタミナ強化を狙ったトレーニング内容。
さらにクッションの少ない薄底シューズ。厚底の反発に頼らず、自分の脚で地面を押す感覚を養うことが目的でした。接地、体重移動、蹴り出し。すべてをごまかしが効かない状態で行います。この組み合わせにより、スピード練習でありながら、フォーム改善と筋力強化も同時に狙いました。
バナナぴろし
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ロング走・セット練習の実践内容
スピード練習と並行して、ロング走の質も見直しました。サブスリーまでは、「とにかく距離を踏むロング走」が中心。そこで取り入れたのが、ビルドアップを基本としたロング走。前半は余裕を持ち、後半にかけて徐々にペースを上げていきます。
序盤は抑えめに入り、後半にかけてペースを引き上げることで、フルマラソン後半を意識したスタミナと脚持久力の強化を狙った内容。
6/27(土)31.6km
6/28(日)36.6km
その後、足の痛みを伴いましたが、無理してランニング……。だましだまし、7月を走る。ただしこの時点で、インターバルによるスピード練習、ビルドアップのロング走、そしてセット練習が重なり、脚への負荷は確実に限界へ近づいていました。それでも当時は、「今が踏ん張りどころ」そう思い込み、走り続けてしまったのです。
月間走行距離の推移と怪我の兆候
スピード練習とロング走を強化した時期でしたが、月間走行距離そのものが大きく増えていたわけではありません。それでも、体への負担はサブスリー時代とは明らかに別物でした。2020年6月。スピード練習の比重を高めた月です。距離は踏めているものの、疲労の抜けが明らかに悪くなっていました。特に違和感を覚え始めたのが、インターバル翌日やロング走の後。「張っている」というより、刺さるような痛みに近い感覚でした。それでも、走れないほどではない。ウォームアップをすれば動く。そんな理由で、違和感を見て見ぬふりをして走り続けます。
2020年6月のバナナぴろしの月間走行距離 311.5km
距離そのものは突出して多いわけではないが、スピード練習とロング走が高頻度で入り、身体への負荷が連日積み重なっていた。
この月は、インターバルなどの高強度スピード練習と、30km前後のロング走が同時に積み重なっています。いずれも脚へのダメージが大きい練習でありながら、回復日がほとんど確保できていませんでした。「距離は増えていないから大丈夫」「少し張るけど、走れなくはない」そう判断して走り続けた結果、疲労は静かに、しかし確実に蓄積していきます。今振り返ると、この6月はすでに、怪我へのカウントダウンが始まっていた時期だったと感じます。
そして7月。
2020年7月のバナナぴろしの月間走行距離 195.1km
距離は6月より減っているものの、練習強度は高いままで、疲労を抜くための余白はほとんど確保できていなかった。
「距離を落としているから大丈夫」「走れているうちは問題ない」そう自分に言い聞かせながら、だましだまし練習を重ねていました。今思えば、この7月は回復に舵を切る最後のチャンスだったのかもしれません。それでも止まらなかった結果が、この先に待っていた8月の大きな怪我につながります。
そして8月、ついに大きな怪我が発生します。
2020年8月のバナナぴろしの月間走行距離 91.3km
痛みの悪化により、思うように走れなくなり、それまで続けてきた練習の流れが完全に断ち切られた月。
今振り返ると、怪我は決して突然起きたものではありません。6月、7月と、身体は何度もサインを出していました。それに気づきながら、「まだ走れる」「ここを乗り切れば強くなれる」と言い聞かせ、立ち止まれなかったこと。それが、この一連の流れにおけるいちばん大きな失敗だったと思います。
スピード強化で怪我をした原因と反省点
今回の怪我を振り返って、一番の原因は「どれか一つの練習」ではありません。スピード練習、ビルドアップのロング走、ロング走のセット練習。それぞれ単体で見れば、サブエガを目指す上で決して間違った内容ではありません。問題だったのは、それらを同時期に重ねすぎたこと。そして、回復を軽視していたことです。疲労が抜けきらないまま、次のポイント練習を入れる。痛みがあっても、「走れるから大丈夫」と判断する。今思えば、体から出ていた危険信号を、すべて無視していました。特にトップスピードを高める練習は、心肺よりも先に脚が壊れます。そこを理解しきれていなかったのは、明らかな反省点です。
サブエガを目指すと、どうしても「今やらなければ」という焦りが生まれます。その焦りが、練習のブレーキを外してしまいました。この失敗から学んだのは、強くなるためには「攻める勇気」だけでなく、「休む判断」も同じくらい重要だということ。遠回りに見えても、立ち止まる勇気を持てていれば、結果的にサブエガへの道はもっと近かったのかもしれません。
ナップル博士
覚えておくのじゃ。故障は「点」ではなく「線」で起きる。8月に壊れたのではなく、6月から線でつながっていた。違和感が「張り」から「刺さる痛み」に変わったら、それは身体からの最終警告じゃ。攻めるランナーほど、引く勇気を持つ者が最後に勝つ。この遠回りが、後のサブエガ達成の糧になるのじゃよ。
バナナぴろし
バナナぴろし
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りんごちゃん
6月から身体はサインを出してたのに、止まれなかった…。「攻める勇気」と同じくらい「休む判断」が大事なんだね。バナナぴろし、よく正直に書いてくれたね。
バナナぴろし
この失敗を隠したら、読んでくれる人の役に立たないからね。でも、この怪我があったから、回復後に「本当に効く練習」を見つけられたんだ。次回はいよいよ、サブエガ達成に一番効いた練習――レペ後Eペースの「鬼練」を公開するよ。お楽しみに!
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