筑波山を遊び尽くす45kmの冒険がここから始まります。
それが今回紹介する、筑波山周回45kmランニングコースです。
つくし湖を起点に、筑波山の険しい表情を四方から味わうこのルートは、まさに「峠走の聖地」。
信号待ちのストレスなく、ひたすら自分と向き合い、脚を削り、心を鍛えるための超実践的コースを詳しくレポートします。
筑波山周回コースのスペックと魅力
筑波山周回コースは、ウルトラランナーや坂好きランナーにとって、理想的な高強度トレーニングを提供してくれます。コースの全長は45km。その道のりには、合計4つの大きな峠越えが組み込まれています。
特筆すべきは、コースの90%がロード(舗装路)であること。トレイルランニングほどの装備は不要ですが、ロード用シューズで挑むにはかなりの筋持久力が求められる「ガチ」な設定です。
季節ごとに表情を変える筑波山の絶景を楽しみながら、脚を止めずに走り抜ける。ランナーとしての「地肩」を強くしたいなら、これ以上のコースはありません。
合計4つの山を乗り越えるタフな高低差です。
【実走レポート】筑波山45km峠走を攻略
スタート地点:つくし湖(無料駐車場・トイレ完備)
今回の過酷な45km峠走、そのベースキャンプとなるのは桜川市にあるつくし湖です。ここには広々とした無料駐車場があり、車でのアクセスは非常に良好。さらに、清潔なトイレも完備されているため、長丁場のランニングを前にした最終チェックや着替えも安心して行えます。
「これから山を4つ越えるんだ」という覚悟を決めつつ、ここで入念にストレッチをしておきましょう。
朝の清々しい空気の中で準備を整えられます。
この景色を見るだけで、ランナーの血が騒ぎますね。
地域の歴史に触れながら走るのも、峠走の醍醐味です。
0~5km地点:スタート直後の「洗礼」!薬王院へと続く連続上り坂
つくし湖の穏やかな景色に別れを告げると、間髪入れずにこのコースのファースト・チャレンジが始まります。最初の5kmは、息をつく暇もないほどの連続した上り坂。峠走に慣れていない方なら思わず「えっ、もう坂?」と口に出してしまうような、筑波山からの手痛い洗礼が待っています。
この区間の勾配は、走れないほどではありませんが、一定のリズムでダラダラと続きます。ここで心拍数を上げすぎないことが、45kmという長丁場を走り抜くための鉄則。視線を3メートル先に落とし、一歩一歩「脚を置いていく」感覚で進みましょう。
後半の脚にどう響くかがこのコースの醍醐味です。
序盤は無理せず、早歩きを混ぜる勇気も必要です。
このあたりは木々に囲まれ、夏場でもひんやりとした空気が流れるパワースポット。苦しい登りの中、ふと目に入る荘厳な山門や石像が、折れそうな心をそっと支えてくれるはずです。
また、この連続する上り坂は、フルマラソンの後半で必要となる「粘りの筋肉」を鍛えるのに最適です。呼吸が乱れすぎないギリギリのラインをキープして、心肺機能にも適度な刺激を与えていきましょう。
左右の緑に目を向けてリフレッシュしましょう。
地域の歴史を肌で感じられるのも筑波山峠走の良さですね。
無理は禁物ですが、補強運動には最適です。
安全完走を祈って手を合わせるのもいいですね。
この達成感こそが、次の5kmへのエネルギーになります。
5~10km地点:ご褒美の5km下りと「ランナーのオアシス」
最初の激坂を登り切ったあなたに贈られる最高のご褒美、それがこの5km続く長い下り坂です。これまでの苦しさが嘘のようにスピードに乗ることができ、風を切って走る爽快感は峠走ならではの醍醐味。
しかし、ここで調子に乗って飛ばしすぎるのは禁物です。下り坂での着地衝撃は体重の数倍におよび、知らず知らずのうちに大腿四頭筋(太ももの前側)にダメージが蓄積します。
フルマラソンの35km以降に「脚が動かなくなる」感覚を疑似体験したくないのであれば、体幹で衝撃を受け止めるイメージで、リズム良く下りましょう。
重力を味方につけて、効率的な下りのフォームを意識するチャンスです。
下り坂を最後まで攻略し切った先に見えてくるのが、茨城ランナーの聖地(!?)セイコーマートです。
この45kmコースにおいて、ここは非常に貴重な補給ポイント。この先はしばらく自販機や売店が少なくなるため、ここで必ず水分を補充し、必要であればエネルギーゼリーなどを流し込んでおきましょう。トイレ休憩もここで済ませるのが「完走」への近道です。
「ホットシェフ」の誘惑に負けすぎないよう注意!(笑)
ここから始まる後半戦に向けて、しっかりチャージしましょう。
10~21km地点:二つ目の峠越え!涼しい木陰と「走れる坂」の誘惑
セイコーマートで補給を済ませた後、コースは再び静かな山の中へと戻ります。この10kmから21kmまでの区間では、標高差約270mの山をノンストップで登り、そして同じ分だけ一気に下るという、まさに峠走の醍醐味が凝縮されたステージです。
特筆すべきは、この区間の勾配。序盤の激坂に比べると比較的「適度」であり、力のあるランナーなら足を止めずに走り続けることが可能です。一定のリズムで登り続けることで、フルマラソンの巡航速度を底上げする強力な心肺トレーニングになります。
自分の成長を測るバロメーターにもなる区間です。
木々のトンネルがランナーを直射日光から守ってくれます。
筑波山の深い緑が天然のパラソルとなり、ロードでありながら涼しい風を感じながらトレーニングに没頭できます。日光に体力を奪われない分、より質の高い走り込みができるでしょう。
そして、登りきった後の下り坂を下りきると、待っているのは蕎麦屋さん。
45kmのロングランにおいて、ここでの一時停止は「戦略的休憩」です。冷たいお蕎麦で塩分とエネルギーをチャージし、胃腸をリフレッシュさせることで、この先の最大の難所(33km地点の最高峰)へ挑む活力を養いましょう。
都会のロード練習では味わえない贅沢な時間です。
骨盤を前傾させ、反力をうまく使って登りましょう。
疲れてきた脚をもう一度前へと進ませてくれます。
21~33km地点:最大の難所「ラスボス」降臨!標高最高地点への死闘
美味しいお蕎麦でリフレッシュした後は、「ゆりの郷」へと向かう平坦なコースが続きます。しかし、この平穏な道のりは、これから始まる地獄へのカウントダウンに過ぎません。
「ゆりの郷」は、この先待ち構える400mの垂直上昇に挑むための最後の補給基地です。ここで必ずボトルを満タンにし、必要ならアミノ酸や電解質をぶち込んでおきましょう。ここでの準備不足は、後半の「足攣り」や「ハンガーノック」に直結します。
ここを走りきれるかどうかが、強豪ランナーへの分かれ道です。
メンタルを強く持って挑みましょう。
すでに20km以上を走ってきた脚に、この斜度は非情の一言。一歩進むごとにハムストリングスとふくらはぎが悲鳴を上げ、心臓の鼓動が耳元まで響いてくるでしょう。
多くのランナーがここで足を止め、歩きそうになります。しかし、ここを耐え抜き、一歩ずつ地面を押し続けることが、フルマラソン30km以降の「止まらない脚」を作ります。
自分を信じて進み続けるしかありません。
その一歩一歩が、あなたを強くしています。
ここはコースの最高地点。目の前に広がる関東平野の大パノラマは、息をのむほど美しく、これまでの苦しみや足の痛みさえも一瞬で忘れさせてくれる最高の報酬です。
自動販売機や売店もあるので、ここでしっかりと息を整えましょう。多くのランナーがここで魂を抜かれたように立ち尽くしていますが、大丈夫。ここからはゴールまで、ほぼ「下り」しかありません。
ここまでの自分を、心から褒めてあげてください。
峠走の辛さが一瞬で喜びに変わる瞬間です。
最後のエネルギーをしっかりチャージしておきましょう。
33~45km地点:感動のゴールへ!10kmのダウンヒルと歴史を刻む帰路
最高地点のつつじヶ丘で絶景を堪能した後は、いよいよ感動のフィナーレに向けた10kmのロングダウンヒルが始まります。筑波山の南側を経由して、標高差400mを一気に駆け下るこの区間は、疲労が極限に達した脚への「最終試練」です。
重力に任せてスピードを出したくなりますが、30km以上を走ってきた膝や腰への衝撃は相当なもの。ここで腰が引けて後傾になると、一気に前腿が悲鳴を上げます。最後まで骨盤を立てて、リズム良く足を回し続けることが、怪我なく完走するためのポイントです。
いかにスムーズに下れるかがランナーの腕の見せどころです。
景色が目まぐるしく変わり、飽きることなくゴールを目指せます。
このあたりは観光客も多く賑やかな雰囲気で、沿道の活気が疲れ果てた心に元気を注入してくれます。また、つつじヶ丘、筑波山神社、筑波梅園と、要所に給水ポイントがあるため、無理なく水分補給を続けられるのも嬉しいポイントですね。
そして、木々の隙間からゴールの「つくし湖」がキラリと見えた瞬間の感動は、言葉では言い表せません。4つの峠を越え、45kmのアップダウンを耐え抜いたあなただけが味わえる、最高に贅沢な瞬間です。
ここまでの無事に感謝しつつ、ラストスパートへ!
最後の力を振り絞って、リズムを上げましょう。
走り終えた直後は脚の震えが止まらないかもしれませんが、それこそがあなたが限界を超えて強くなった証です。
45kmの過酷な旅を共にしたシューズを脱ぎ、静かな湖面を眺めながら味わう達成感は、何物にも代えがたい「ランナーの至福」といえるでしょう。
この45kmが、あなたの次なる大会の大きな力になるはずです。
まとめ:走り終えた後の達成感は格別
筑波山周回45km。合計4回の峠越えを含むこのコースは、正直に言って「自分との戦い」そのものです。信号のない道をひたすら進み、心肺を追い込み、脚を削り続ける時間は、決して楽なものではありません。
しかし、この過酷な45kmを走り抜いたという経験は、数字以上の価値をあなたにもたらしてくれます。
フルマラソンの35km地点、誰もが足を止めたくなるあの瞬間に、「あの筑波山の激坂に比べれば、この平坦な道なんてなんてことはない」と思える強いメンタル。それこそが、このコースで得られる最大の収穫です。
「今日は自分を史上最高に追い込みたい」
そんな熱い思いが湧いてきた週末は、ぜひ補給食をしっかり詰め込んで、筑波山の麓へ向かってみてください。
つくし湖に帰ってきたとき、あなたは間違いなく、スタート前よりも一回りタフなランナーへと進化しているはずです。
さあ、次はあなたの番です。筑波山の神様が、あなたの挑戦を待っていますよ!
バナナぴろし
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