りんごちゃん
ナップル博士
バナナぴろし
りんごちゃん
バナナぴろしこの記事では、すべて出典を示したうえで次のことを整理します。
- 体重別の早見表(1.2 / 1.6 / 2.0 g/kg の3段階)
- なぜ数字がバラバラなのか——幅があること自体に意味がある
- 厚労省の「男性65g」をそのまま使うと足りない理由
- 食事だけで足りるのか——実際の食品に換算した1日の献立例
- 「高タンパクは腎臓に悪い」の現在の科学的な立ち位置
- 訂正①「運動後30分のゴールデンタイム」/訂正②「1回20gまでしか使えない」
この記事は健康な成人ランナーを想定した一般的な情報です。腎機能について指摘を受けたことがある方、持病がある方、妊娠中の方は、必ず主治医に相談してください。ここに書いた目安がそのまま当てはまるとは限りません。
バナナぴろしこの記事は「日々のタンパク質」の話。レース当日にジェルを何個持つかは、目標タイム別にまとめてあるよ。日常と本番は分けて考えるのがコツ。
・ランナーは1日にタンパク質を何g摂ればいいですか?
・プロテインの摂りすぎは本当に腎臓に悪いのですか?
・厚労省の推奨量(男性65g・女性50g)で足りませんか?
・食事だけで足りますか?プロテインは必要ですか?
・プロテインを飲むタイミングはいつがいいですか?
結論|体重別のタンパク質早見表
先に数字だけ載せます。自分の体重の行を見てください。国際スポーツ栄養学会(ISSN)のポジションスタンドは、運動している人の大半にとって1日あたり体重1kgあたり1.4〜2.0gで十分としています。
Jäger R, Kerksick CM, Campbell BI, et al.「International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise」Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2017;14:20.(全文)
また米国スポーツ医学会ほかの合同声明(ACSM/Academy of Nutrition and Dietetics/Dietitians of Canada, 2016)は、アスリート全般で1.2〜2.0g/kgという範囲を示しています。
迷ったら、まん中の1.6g/kgの列を見てください。週に数回走っている市民ランナーなら、これが実用的な基準になります。
バナナぴろしなぜサイトによって数字が違うのか|幅があること自体に意味がある
「ランナー タンパク質」で検索すると、1.2〜1.5g/1.2〜1.7g/1.6〜1.8g/2.0g以上と、書いてある数字がバラバラです。どれが正しいのか——という疑問には、こう答えるのが正確です。どれも正しく、条件が違うだけです。
つまり「1.4〜2.0g」という幅は、あいまいさではなく“調整幅”です。走る量が増えたら上げ、落としたら下げる。固定の1つの数字ではありません。
厚労省の「男性65g」をそのまま使うと足りない
ここが多くの人がつまずく点です。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」のたんぱく質の推奨量は次のとおりです。この65g・50gは「運動習慣を前提にしない一般成人の推奨量」です。体重60kgのランナーが練習期に必要な96gと比べると、約1.5倍の差があります。
つまり「厚労省の基準は満たしているから大丈夫」と考えると、走る人には足りません。ここが一般向け情報とアスリート向け情報を混ぜてはいけない理由です。
りんごちゃん食事だけで足りる?|実際の食品に換算してみる
では96gという数字は、現実の食事でどれくらいなのか。実物に換算します。96gを食事で組むとこうなる(体重60kg・練習期)
目標96gに対して、約90g。足りないのは6gだけです。
この6gはプロテイン1杯(20g前後)の3分の1にも満たない量です。つまり——
- 意識して食べれば、食事だけでもかなり近づける——プロテインは必須ではない
- ただしこの献立はかなり意識的。朝を抜く・昼が麺類だけ、なら簡単に30〜40g足りなくなる
- だから現実的な答えは「食事を軸に、足りない日だけ補う」
プロテインは「飲めば飲むほど良いもの」でも「危険なもの」でもなく、単なる“食事の穴埋め”です。朝食を抜いた日、外食が続いた日、練習が長かった日——そういう日に1杯足す。それだけで十分に役割を果たします。
2026年9月時点で在庫があり、リンク先が生きていることを確認した商品です。上の献立のとおり食事が組めている人に、高いプロテインは要りません。選ぶ基準は成分の細かさより「続けられる価格かどうか」。まず1kgを1袋、飲み切れるか試すところからで十分です。
りんごちゃん
バナナぴろし「プロテインは腎臓に悪い」の現在地
ここが多くの人の不安の中心です。結論を先に、条件つきで書きます。- 腎機能が正常な成人では、高タンパク食が腎機能を悪化させるという結果は得られていない
- ただしこれは「もともと腎臓に問題がない人」に限った話
- すでに腎機能の低下を指摘されている人では、たんぱく質の量は医師の管理下で決めるべき事項
健康な成人を対象に、高タンパク食(体重1kgあたり1.5g以上、または1日100g以上など)と通常・低タンパク食を比べたランダム化比較試験のシステマティックレビュー/メタ分析では、腎機能の指標(GFR)の変化に両者の差は認められませんでした。
Devries MC, Sithamparapillai A, Brimble KS, et al.「Changes in Kidney Function Do Not Differ between Healthy Adults Consuming Higher- Compared with Lower- or Normal-Protein Diets: A Systematic Review and Meta-Analysis」The Journal of Nutrition, 2018.
なぜ「腎臓に悪い」と言われてきたのか
誤解の出発点は「腎臓病の人には、たんぱく質を制限する食事療法がある」という事実です。これ自体は正しい医療行為です。ところがこれが「たんぱく質は腎臓を傷める」と読み替えられて広まりました。順序が逆です。腎臓が弱っている人の負担を減らすために制限するのであって、健康な腎臓が高タンパクで壊れるという意味ではありません。
実際、たんぱく質を多く摂ると腎臓のろ過量は一時的に増えますが、これは運動で心拍数が上がるのと同じ「機能的な反応」であり、それ自体が障害を意味するわけではない、というのが現在の一般的な理解です。
それでも気をつけるべき人・場面
- 腎機能の低下を指摘されたことがある……自己判断せず必ず主治医へ。この記事の目安は当てはまりません
- 健診でクレアチニンやeGFRに指摘があった……プロテインを増減する前に医師に相談を
- 持病がある・妊娠中……同様に主治医の指示を優先してください
- 水分が不足しがち……たんぱく質の代謝で出る老廃物は尿として排出されます。走る人はもともと汗で失う量が多いので、水分は意識的に
ナップル博士訂正①|「運動後30分のゴールデンタイム」は見直されている
「運動後30分以内に飲まないと意味がない」——長く言われてきましたが、この“30分”という枠は現在の研究では支持されていません。Aragon AA, Schoenfeld BJ ほか「Nutrient timing revisited: is there a post-exercise anabolic window?」Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2013;10:5.(全文)
さらにISSNのポジションスタンドは、運動による同化作用は少なくとも24時間続くと記しています。窓は「30分」ではなく、はるかに広い。
だからといって「運動後に摂らなくていい」わけではありません。練習後に食べるのは、1日の総量を確保するうえで単純に都合がいいからです。「30分を過ぎたから今日はもう無駄」と考える必要がない、という話です。
ランナーにとっての実用的な結論は、こうなります。
- ストップウォッチを見ながら飲む必要はない
- ただし練習後に食事が数時間先になる日は、その場で何か摂っておくほうがいい(総量を落とさないため)
- 朝練のあと朝食を抜く、がいちばん総量を削る
りんごちゃん走ったあとにタンパク質を「摂る・摂らない」で何が変わるか。比べた論文7本はこちら。
訂正②|「1回20gまでしか使えない」も、そこまで単純ではない
もうひとつよく聞くのが「一度に大量に摂っても使い切れないから無駄になる」という話です。これも整理が必要です。たしかにISSNのポジションスタンドは、1回あたり体重1kgあたり0.25g(およそ20〜40g)を目安として挙げています。「1食20〜40gに分ける」という目安自体は、今も有効です。
ただし「それを超えた分が無駄になる」という部分は、近年の研究で見直されています。
Trommelen J ほか(2023)による報告。Cell Reports Medicine.
まとめると、ランナーが本当に気にすべきなのは「1日の合計が足りているか」です。1食に寄ってしまった日があっても、それで台無しになるわけではありません。
ナップル博士結局、これだけ守ればいい
ここまでの内容を、実行できる形に落とします。- ①自分の目標量を1つ決める……練習期なら体重×1.6g。それだけ覚えておく
- ②毎食にタンパク源を1つ置く……肉・魚・卵・大豆・乳製品のどれか。これだけで大きく変わる
- ③足りない日だけ補う……朝食を抜いた日、外食が続いた日、練習が長かった日
- ④水分をいつもより意識する……老廃物は尿として出ていく。走る人はもともと失う量が多い
- ⑤炭水化物を削らない……糖質が不足するとタンパク質がエネルギーに回され、体づくりに使われません
⑤は見落とされがちですが重要です。「タンパク質を増やすために、ご飯を減らす」は、走る人にとっては逆効果になりやすい組み合わせです。タンパク質は“足す”もので、“置き換える”ものではありません。
バナナぴろしランナーのタンパク質のよくある質問
ランナーは1日にタンパク質を何g摂ればいいですか?
国際スポーツ栄養学会(ISSN, 2017)の目安は体重1kgあたり1.4〜2.0g/日、ACSMほかの合同声明(2016)は1.2〜2.0g/kgとしています。市民ランナーの実用的な基準は1.6g/kg前後で、体重60kgなら約96g。走る量が少ない時期は1.2〜1.4g、高強度期や減量中は1.8〜2.0gへ調整します。
プロテインの摂りすぎは本当に腎臓に悪いのですか?
腎機能が正常な成人については、高タンパク食が腎機能を悪化させるという結果は得られていません。健康な成人を対象にしたランダム化比較試験のメタ分析(Devries MC ら, The Journal of Nutrition, 2018)では、高タンパク食と通常・低タンパク食で腎機能の指標(GFR)の変化に差がありませんでした。ただしこれは「もともと腎臓に問題がない人」に限った話です。腎機能の低下を指摘されたことがある方は、自己判断せず必ず主治医に相談してください。
厚労省の推奨量(男性65g・女性50g)で足りませんか?
走る人には足りない可能性が高いです。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の推奨量は運動習慣を前提としない一般成人向けのもので、男性18〜64歳が65g、女性18歳以上が50gです。一方、体重60kgのランナーが練習期に必要な量は約96g——約1.5倍の差があります。なおたんぱく質には耐容上限量(摂取してよい上限)が設定されていません。
食事だけで足りますか?プロテインは必要ですか?
意識して食べれば、食事だけでもかなり近づけます。例えば「朝=卵2個+納豆+ご飯+牛乳(約30g)/昼=鶏むね100g+ご飯(約27g)/夜=鮭100g+豆腐+ご飯(約33g)」で約90g。目標96gまで残り6gで、これはプロテイン1杯の3分の1にも満たない量です。ただしこの献立はかなり意識的で、朝食を抜けば簡単に30g以上足りなくなります。現実的には「食事を軸に、足りない日だけ補う」のが答えです。
プロテインを飲むタイミングはいつがいいですか?
「運動後30分以内」にこだわる必要はありません。23件のランダム化比較試験のメタ分析では、1日の総摂取量をそろえるとタイミングによる差はほぼ消えました(Aragon & Schoenfeld ら, 2013)。ISSNも運動による同化作用は少なくとも24時間続くとしています。ただし練習後に食事が数時間先になる日は、その場で摂っておくほうが総量を確保しやすい——という実用上の理由は残ります。
1回に20g以上摂っても無駄になりますか?
「無駄になる」とは言えません。ISSNは1回あたり0.25g/kg(約20〜40g)を目安として示しており、分けて摂ること自体は今も有効です。ただし100gを一度に摂った場合でも筋タンパク質の合成反応は12時間を超えて続いたという報告があり(Trommelen ら, 2023)、明確な上限は確認されていません。まず1日の総量、分け方はその次と考えてください。
摂りすぎているサインはありますか?
体調から「タンパク質の摂りすぎ」だけを見分ける信頼できるサインは知られていません。ネット上では「むくみ」「尿が濃い」などが挙げられますが、これらは水分不足など別の原因でも起こります。体調で判断しようとせず、まず計算で確認するほうが確実です。上の早見表と食品換算表で、自分の実際の摂取量を1〜2日分だけ数えてみてください。気になる症状が続く場合は、推測せず医療機関で相談してください。
ダイエット中のランナーはどうすればいいですか?
減量中はむしろ多め(1.8〜2.0g/kg)が目安になります。摂取エネルギーが減ると体は筋も分解しやすくなるため、タンパク質を確保する重要性が上がるからです。ただし炭水化物を極端に削らないこと。糖質が不足するとタンパク質がエネルギーとして使われ、体づくりに回りません。走りながら減量するなら、削るのは脂質と間食からが基本です。
まとめ|恐れる栄養素ではなく、足りていない栄養素
タンパク質は、恐れる栄養素でも、多ければ多いほどいい栄養素でもありません。走る人にとっては、たいてい「足りていない側」にある栄養素です。
そしてタンパク質は回復の材料であって、回復そのものではありません。どれだけ摂っても、休まなければ体は作り直されない。栄養と休養はセットです。
バナナぴろし
りんごちゃん
ナップル博士タンパク質は回復の材料。実際に体が作り直されるのは休んでいる間じゃ。超回復の仕組みと、休むべきサインをまとめてあるぞい。






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