ウルトラマラソンに挑戦するうえで、30km超のロング走は欠かせないトレーニングの柱です。
特に「登り基調」のコースを実際に走ることで、持久力だけでなく、脚筋力・補給戦略・フォーム維持力まで総合的に鍛えられます。
この記事では、2025年秋に開催される「みなの天空ウルトラソン」に向けて実施した登り30km走のトレーニング記録をご紹介。
スタートは富山駅、ゴールは立山駅という標高差630m・気温32℃のタフな実走データをもとに、
コース概要・走行データ・得られた効果までを、写真とともに詳細に振り返ります。
登りに強くなる練習法や、本番に向けた準備のヒントを探している方にとって、きっと参考になるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
① 「みなの天空ウルトラソン」に向けたロング走3本のトレーニング
2025年秋、ウルトラマラソン「みなの天空」に挑戦するにあたり、30km前後のロング走を3本実施しました。バナナぴろし
みなの天空を知りたい方はこちら:
みなの天空ロード:ウルトラマラソン完全ガイド|75K・40K・35Kのコース攻略・完走率・体験談・GPX付き
みなの天空ロードを舞台にした過酷なロングラン大会の体験記。エイドや景色の様子を交えながら、完走までの道のりがリアルに綴られています。
夏の過酷な環境下で持久力を磨き、長時間の走行と登り坂への対応力を鍛えることが狙いです。
それぞれ異なる環境・天候・コースプロフィールで走ったことで、多角的に自分の状態をチェックすることができました。
以下がその3本の概要です。
| No. | 日付・コース | 距離 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ① | 富山駅〜立山駅 | 31.06km | 標高差630m、32℃の暑さの中で登りトレ |
| ② | 篠崎〜松戸(江戸川沿い) | 30.03km | 平坦で直射日光、気温30℃の中で粘りの走り |
| ③ | 松戸〜上野方面 | 28.02km | 気温24℃、快適な気候下で良好な記録 |
この記事ではその中から最も登り要素が強かった「富山駅〜立山駅の30km走」について、コースの魅力や走行データ、得られた効果まで詳しく紹介します。
「みなの天空」のようなアップダウンのあるコースで結果を出すには、単なる距離走ではなく、「登りを含んだ持久系トレーニング」が必要不可欠。
富山の大自然を駆け抜ける実戦形式のトレーニングは、その準備として非常に手応えあるものでした。
② 富山駅から立山駅までの30km|登りと絶景のランニングコース概要
今回のコースは、富山駅をスタートし、立山駅をゴールとする片道約31kmのロングラン。富山平野を抜け、じわじわと標高を上げていきながら、立山連峰のふもとを目指すという、登り基調のルートです。
スタート地点の富山駅周辺は市街地で道幅も広く、序盤は交通量も多め。ただし歩道が整備されており、安全に走れる環境が整っています。
中盤にかけては、田園やのどかな住宅地、川沿いの直線コースが続き、ペースを整えやすい区間です。
終盤、立山町に入ると風景がガラッと変わり、徐々に勾配のある登り坂が現れます。
ゴール直前の立山駅周辺では標高600m超に達し、まさに“天空”を目指すようなランニング体験に。
【おすすめポイント】
-
景色の変化:
市街地 → 農村部 → 山間部と、30kmで3つの顔を楽しめる -
標高差:
約630mの上昇があり、登りトレーニングに最適 -
交通量の少ない区間多数:
後半は自然豊かで走りやすく、集中できる
実際のルートは国道41号線・8号線を一部利用しつつ、なるべく安全な歩道・裏道をつないで構成しました。
また、途中にはコンビニや自販機も点在しており、補給ポイントにも困りません。
コース全体の様子は、以下の地図でも確認できます:
(※掲載する場合はランアプリのスクショ画像やルートマップをここに挿入)
高低差と距離がしっかり確保されたこのルートは、ウルトラマラソンや山岳レース前の脚づくりとしても非常におすすめです。
観光ラン、遠征ランとしても魅力的なコースと言えるでしょう。
平野部の田園風景
上滝駅に到着
上滝駅周辺の道
山間部に入るカーブ道
山の稜線と谷を望む景色
常願寺川と緑の広がり
ダムの迫力ある水流
立山町の工場群
立山町の古い蔵と住宅街
立山山麓スキー場
立山町の杉林
願寺川を見下ろす絶景
常願寺川にかかる鉄橋
立山駅周辺の山々と宿泊施設
③ 実走データで振り返る|気温・心拍・ペースの変化
富山駅から立山駅までの30km走は、32℃の高温環境と、標高差630mの登りが組み合わさった過酷なコースでした。この日は快晴で日差しも強く、走行開始から終盤まで体力の消耗が激しい条件。
それでも一定のリズムを維持しながら走ることで、登り耐性と熱順化を同時に鍛えることができました。
実際のカロスのデータから、以下のような走行状況が確認できます。
- ✔ 平均ペース:5分59秒/km
- ✔ 心拍数:平均156bpm(後半にかけて上昇傾向)
- ✔ ピッチ:175spm前後で安定
- ✔ パワー:220W前後で一定をキープ
- ✔ 補給タイミング:10kmごとにジェル+電解質ドリンクを摂取
登りが続く後半では、ペースは落ちてもフォームや心拍を大きく崩すことなく粘れた点が収穫でした。
また、早め早めの補給と水分対策を行ったことで、30℃超の気温下でも脱水や熱中症の兆候は出ませんでした。
このように、高温&登坂環境でも安定したパフォーマンスを維持できるかどうかは、ウルトラマラソン本番に向けた重要な指標になります。
特に「みなの天空」のようなアップダウンコースを完走するには、気温・勾配・時間への適応力が求められます。
④ 登り30km走で得られる効果とウルトラ本番への手応え
富山駅から立山駅までの登り30km走は、気温32℃・標高差630mというタフな条件下で行った実戦的トレーニングでした。このような条件下で30kmを走りきることで、ウルトラマラソン本番に直結するさまざまな効果を得ることができました。
1. 登坂耐性の向上
登りが続く区間では、太ももや臀部(でんぶ)の筋肉をしっかり使うフォームが求められます。
このコースでは後半にかけて勾配が強くなるため、後半型の登り耐性を鍛えるのに最適でした。
ペースは自然と落ちますが、「走り続ける脚づくり」としては非常に効果的です。
2. 高温下での身体適応(熱順化)
気温32℃という真夏日コンディションの中で3時間超のランニングを行ったことで、発汗・心拍管理・水分補給の練習ができました。
ウルトラ本番でも気温が高くなる場面が想定されるため、暑熱順化のトレーニングとしても有意義です。
3. フォーム維持力・集中力の強化
勾配や疲労でフォームが崩れやすくなる後半にこそ、ピッチや姿勢を意識することで集中力を高める必要があります。
この走行では平均ピッチ175、心拍数151 bpmを維持しながら、フォームの安定を保つ意識づけができました。
4. エネルギー・補給戦略の確認
運動時間が3時間超になるため、補給のタイミングや内容も非常に重要。
この走行では、30分〜45分ごとの補給を実施し、本番に向けた燃料管理のシミュレーションができました。
5. 精神的な自信と準備度のチェック
30km超・登り・高温という厳しい条件下でも、最後まで止まらずに走りきれたことで、大きな自信と手応えを得ることができました。
同時に、本番までにさらに強化すべき課題(筋持久・登坂ペース管理)も明確に。
「みなの天空ウルトラソン」のようなアップダウンのある長距離レースでは、こうしたリアルな30km走が、最高のシミュレーションになります。
実戦に近い環境でのロング走を積み重ねることで、本番に向けて身体と心の準備が整っていくのを感じました。
バナナぴろし
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