心拍には余裕があるのに、なぜか足だけが動かなくなる。
いわゆる30kmの壁を前に、
「もっと走り込めば解決するはず」
そう考えたことはありませんか?
実は、
フルマラソン後半の失速は
根性不足でも走り込み不足でもありません。
原因は、
エネルギーの使い方と 乳酸閾値(LT値)、 そしてペース設定にあります。
本記事では、
佐倉朝日健康マラソンで ウォークブレイクを試して撃沈した実体験をもとに、
「なぜフルマラソン後半で足が止まるのか?」を
糖質・脂質のエネルギー理論と 乳酸(LT値)の観点から徹底的に解説します。
結論から言うと、
フルマラソンでタイムを狙うための必殺技は
ウォークブレイクではありません。
乳酸を溜めずに42.195kmを走り切れるペースを把握し、 その速度で走れる身体を作ること 。
さらに、
その答えに辿り着くきっかけとなった 芝生ランニングによる ランニングエコノミー改善と、
そこからの大幅PB更新までを 実体験ベースでまとめています。
フルマラソンで
「なぜか後半だけ失速してしまう」
そんな悩みを抱えているランナーにこそ、
最後まで読んでほしい内容です。
目次
30kmの壁とは?フルマラソン後半で足が止まる本当の原因
30kmの壁とは、フルマラソン後半に心拍ではなく脚が先に限界を迎える現象です。 フルマラソンで足が動かなくなる経験は、 バナナぴろしのマラソン人生における 大きなターニングポイントになりました。このページを読んでいるあなたも、 フルマラソン後半で突然ペースが落ちた経験があるのではないでしょうか。
いわゆる30kmの壁を体験したランナーは、決して少なくありません。
心拍は余裕があるのに、足だけが動かない。
この感覚、かなり厄介です。
そうなると、多くのランナーはこう考えます。
- ① 足が出来ていない → もっと走ろう
- ② スタミナ不足 → もっと走ろう
だから月間走行距離を増やそう
この思考、かなり「あるある」です。
正直に言うと、
私もまったく同じ考え方でした。
ただ、何度も同じ失敗を繰り返す中で、
「足が終わる」とは一体何が起きているのか?
そこを本気で調べるようになりました。
調べたテーマは、
エネルギーの使われ方と筋肉の種類です。
バナナぴろし
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筋肉のタイプと乳酸の関係から、フルマラソンの持久力アップや「30kmの壁」克服のヒントを解説します。
これらの記事を読むことで、
体内で糖質と脂質がどのように使われるのか、
そして速筋・遅筋・中間筋の役割が理解できたと思います。
速く走るためには速筋の働きが不可欠です。
ただし、速筋を使い続けるには、
体内に十分な糖質があることが前提条件になります。
ここを理解せずに走り込むだけでは、
フルマラソン後半の失速は防げません。
私は当初、
フルマラソンの必殺技はウォークブレイクだ
と本気で思っていました。
しかし、エネルギー生成の理論から考えると、
ウォークブレイクはタイム短縮の最適解ではない
という結論に至ります。
ウォークブレイクは、
初心者や長距離に不慣れなランナーにとっては
完走率を高める有効な方法です。
しかし、
速いタイムを狙うフルマラソン戦略としては、
別の考え方が必要だと感じました。
↓ウォークブレイクを試した実体験はこちら↓
バナナぴろし
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サブスリーを目指すランナー向けに、フルマラソンで歩きを取り入れる「ウォークブレイク戦略」の効果と実践方法を解説します。
フルマラソンを完走するための技としては有効ですが、
タイムを短縮するための技ではありません。
実際、
ウォークブレイクでサブスリーを達成できるランナーは、
ペース走でも同等の走力を持っているケースがほとんどです。
30kmの壁の正体|乳酸とLT値がフルマラソンを壊す理由
ここからは、フルマラソン後半失速の正体とも言える 乳酸について解説します。
下の図は、
走るスピードに対して、 脂質と糖質がどのように使われるかを示した相関図です。
脂肪由来のエネルギー=脂質
血中グルコース由来のエネルギー=糖質
LT値を超えると糖質依存が一気に高まることを実感した
図の中央に引かれているラインが
LT値(乳酸閾値)です。
LT値とは、
血中乳酸濃度が急激に上昇し始めるポイントを指します。
このラインを超えると、
糖質の使用量が一気に増加し、 乳酸が大量に発生します。
その結果、
筋肉のパフォーマンスは低下し、
さらに糖質の枯渇を加速させます。
つまり、
フルマラソンにおいては デメリットしかない
スピード領域
ということになります。
乳酸とは、
運動中に糖質が分解されることで生じる副産物です。
乳酸は筋肉のパフォーマンスを低下させます。
これは身体が自らを守るための
防衛反応でもあります。
なお、溜まった乳酸は
遅筋や中間筋によって除去されます。
LT値(乳酸閾値)は、
トレーニング強度を決める上で
ランナーにとって極めて重要な指標です。
- ① 乳酸生成 < 乳酸除去:楽に走れる
- ② 乳酸生成 = 乳酸除去:楽の限界
- ③ 乳酸生成 > 乳酸除去:急激にキツくなる
②がLT値(乳酸閾値)です。
LT値は、
適切なトレーニングを行うことで
効率よく引き上げることが可能です。
その結果、
フルマラソンを乳酸を溜めずに走れる速度域が広がります。
ここまで勉強して、
フルマラソンでタイムを狙う上で
絶対に外せない結論に辿り着きました。
フルマラソン42.195kmを
ペース走で走り切れるスピードを把握する
もう一度書きます。
フルマラソン42.195kmを
ペース走で走り切れるスピードを把握する。
必殺技はウォークブレイクではありません。
乳酸を溜めずに走り切ること。
これこそが、
フルマラソン最大の必殺技です。
30kmの壁を超えられなかった理由|佐倉朝日健康マラソンの失敗分析
佐倉朝日健康マラソンでの最大の敗因は、
自分の走力を正確に把握していなかったことでした。
さらに、
ウォークブレイクを前提にしたことで、結果的に速すぎるペース設定になった
ことも大きな失敗でした。
ここで、直近2レースを比較してみます。
さいたま国際マラソン
・平均ペース:キロ4分30秒
・35km付近から失速
・シューズ:アシックス・GEL-INFINI
佐倉朝日健康マラソン
・平均ペース:キロ4分05秒
・25km付近から失速
・シューズ:ナイキ・ズームフライ フライニット
この比較から分かるのは、
ペースを速くした分、失速地点が一気に前倒しになった
という事実です。
これは偶然ではありません。
section2で解説した
LT値(乳酸閾値)を超えるペースで走った結果です。
ここで、もう一つ重要な気づきがありました。
【フルマラソン】と
【ハーフマラソン以下の距離】の決定的な違い
それは、
距離が違うだけではなく、
まったく別のスポーツ
だということです。
ハーフマラソンやそれ以下の距離での成功の道
体内エネルギーをフル動員して走る。高いペースでの持久力が求められ、
乳酸が溜まる前提で耐える能力が必要。
フルマラソンでの成功の道
糖質の消費を最小限に抑えて走る。フルマラソンでは、
・長時間にわたる疲労管理
・糖質を使い切らないペース設定
・LT値以下で走り続ける戦略
が何より重要になります。
この違いに気づいてから、
「ただ速く走る練習」では
フルマラソンは攻略できないと理解しました。
距離ごとに
求められる能力・戦略・トレーニングはまったく異なる。
それぞれの距離特性を理解した上で
トレーニングを積むことこそが、
フルマラソン成功への近道です。
30kmの壁を越えるために必要な3つの能力
これまでの失敗と学びを振り返って、
フルマラソンで結果を出すために
本当に必要な能力がはっきりしました。
マラソンに必要な能力は、
次の3つです。
-
要素① 乳酸性閾値(LT値)
→ 乳酸を溜め込まずに走り続けられる能力 -
要素② 最大酸素摂取量
→ 多くの酸素を取り込み、長時間運動を維持できる能力 -
要素③ ランニングエコノミー
→ 無駄のないフォームで、エネルギー消費を抑えて走る能力
フルマラソンでは、
糖を無駄に使わずに走る力が極めて重要です。
そのためには、
無駄のないランニングフォームで走る
ことが欠かせません。
ここで、
声を大にして言いたいことがあります。
フルマラソンは気合と根性ではありません。
なぜなら、
フルマラソンの失敗は
精神論ではなく、
身体のメカニズムで説明できるからです。
-
乳酸が過剰に発生し、
筋肉のパフォーマンスが低下する -
糖が枯渇し、
速筋が動かなくなる
これが、
フルマラソンで失敗する典型的なパターンです。
もう一度、繰り返します。
フルマラソンは気合と根性ではありません。
必要なのは、
・乳酸を溜めない走り
・糖を使い切らないペース
・無駄のないフォーム
そして、
これらを同時に鍛えるために辿り着いたのが、
次に紹介する芝生ランニングでした。
30kmの壁対策に有効だった芝生ランニングという練習法
フルマラソンで失敗を繰り返した結果、
最終的に辿り着いた答えが
ランニングエコノミーを高める練習でした。
そして、そのために最も効果的だったのが
不整地ランニング、
具体的には 芝生ランニングです。
バナナぴろし
バナナぴろし
この佐倉朝日健康フルマラソンの失敗をきっかけに、
芝生ランニングを本格的に取り入れることにしました。
その後の流れを、
できるだけシンプルに書きます。
佐倉朝日健康フルマラソンの翌月、
1か月間ほぼ芝生ランニングのみを実施しました。
↓ 河川敷のこんな芝生エリアを、ひたすら走っていました ↓
アスファルトを避け、ランニングエコノミー改善だけを意識して走っていた場所
↑ 実際に走っていた場所
そして、
1か月後
柏の葉爽快フルマラソンにエントリー。
結果
悪条件の中でも自己ベストを更新できた結果として受け取った賞状
3時間01分57秒
・3kmの周回コースを14周
・気温23度
一定ペースを維持しやすい環境で、乳酸を溜めない走りを意識して周回した
悪条件の中でも
大幅な自己ベスト更新。
これができた理由は、
はっきりしています。
芝生ランニングしかしていなかったから
冗談のようですが、
本当にそれだけです(笑)
だからこそ、
芝生ランニングは
誰でも再現可能なフルマラソン成功戦略だと
自信を持って言えます。
バナナぴろし
↓続きはこちら↓
月間走行距離を減らした理由と、練習内容を見直した過程を実体験でまとめた記事です。

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