・サブエガを狙うには、どんな練習が必要なのか
・月間走行距離は何kmくらいが目安なのか
・サブスリーの延長では通用しないのではないか
実際に私自身も、サブスリー達成後、同じ壁にぶつかりました。本記事では、サブスリー(2時間58分)からサブエガ(2時間49分)に到達するまでに行った練習内容を、実体験と具体的な数値、トレーニング記録をもとに詳しく解説します。特に、トップスピードを高めるために意識したこと・ラストスパート練習の具体例・月間走行距離250km前後で足りた理由を中心にまとめました。サブエガは、才能よりも正しい方向への努力で近づけます。ぜひ、あなた自身の練習に当てはめながら読み進めてみてください。
サブエガ達成に必要な練習内容とは
2019年11月24日 つくばマラソンでサブスリー達成(2時間58分08秒)2021年3月20日 東京チャレンジマラソンでサブエガ達成(2時間49分38秒)
延べ482日で到達
サブスリーからサブエガへのステップアップでは、練習内容を大きく変える必要がありました。 サブスリーまでは「走り込み+基本的なスピード練習」で対応できますが、サブエガを狙う段階では、トップスピードとスピード耐性を明確に鍛える必要があります。
サブスリー達成のための基本練習
- スピード練習:閾値走(ロード)+1000mインターバル5本(芝生)
- スタミナ練習:ロング走(芝生)+坂道ジョギング
- ロング走はビルドアップ走、ラスト5kmはMペース以上
- 月間走行距離は300km以上を目標
サブスリーの土台を作った高効率トレーニング。週間ルーティン練習を実体験ベースで紹介する記事です。
サブエガ達成に向けた練習の変更点
サブエガを目指して最初に感じた課題は「トップスピード不足」でした。 そこで、月間走行距離を少し抑え、その分スピード練習の比重を増やす方向へ舵を切りました。- 月間走行距離は250km前後をベース
サブスリー達成者はすでにスタミナの土台があるため、サブエガでは走行距離よりトップスピード強化を優先しました。 - 芝生での1000mインターバルを週1回実施
VO2MAX向上を目的とし、心肺とスピード耐性を同時に強化しました。 - 閾値走は廃止
サブエガを狙う段階ではTペースでは速度が不足します。乳酸性閾値はインターバル練習で十分補えると判断しました。 - 200mレペテーションを導入
短距離の絶対スピードを底上げし、30秒切りを目標に実施しました。 - 坂ダッシュで筋力とトップスピードを強化
- 週1回の30kmロング走は継続
サブエガに必要なトップスピードとジョグ感覚
サブ4、サブ3.5、サブ3、サブエガ。このあたりのレベルになると、共通して重要になるポイントがあります。それは、どれだけ速いペースを「ジョグの感覚」で走れるかです。ジョグの感覚とは、「頑張っていないのに、結果的に速い」「力まず、自然にそのペースで走れてしまう」そんな状態を指しています。まだピンと来ない方は、楽に走れる速いペースと考えてもらって問題ありません。バナナぴろしが考える、レベル別「ジョグ感覚で走れるペース」は以下です。
- サブ4ランナー
ジョグ感覚で走れる速いペース:5'00/km - サブ3.5ランナー
ジョグ感覚で走れる速いペース:4'30/km - サブ3ランナー
ジョグ感覚で走れる速いペース:4'00/km - サブエガランナー
ジョグ感覚で走れる速いペース:3'30/km
3'30/kmというペースを、どれだけ楽に走れるか。 そして、疲れていてもその感覚を維持できるか。 これができなければ、サブエガ達成はかなり厳しいと思います。
そこで、サブスリー達成後、サブエガに向けて特に力を入れた練習がラストスパートでした。ジョグでも、ペース走でも、ロング走でも、最後の1kmだけは必ずスピードを上げる。疲労した状態で、あえて強い刺激を入れることを意識しました。目的は、スピード耐性の向上と疲労下でも動く脚づくりです。次の章では、実際に行っていたラストスパート練習の具体例を紹介します。
サブエガを狙うラストスパート練習メニュー例
サブエガ達成に向けて、実際に行っていたラストスパート練習の一例を紹介します。距離や疲労度が異なっても、最後の1kmだけは必ずスピードを上げることを徹底しました。距離30km ラスト1km 3'21/km
終盤にしっかりスピードを引き上げた実走データ
サブエガを狙う段階では、「30kmを走り切れること」よりも、30km走ったあとに、もう一段ギアを上げられるかが重要になります。このようなラストスパート付きロング走を繰り返すことで、フル後半でも3分30秒前後に対応できるスピード耐性を養うことができました。
距離20km ラスト1km 3'26/km
疲労下でも3分30秒を切る感覚を身体に定着
サブエガを目指す段階では、いきなり30km走ばかりを行う必要はありません。20km前後の距離でも、ラストスパートを入れることで十分な刺激を得られます。このような20km+ラストスパート練習は、スピード感覚の維持とトップスピードへの心理的ハードルを下げる目的で、ロング走とロング走の間に積極的に取り入れていました。
距離20km ラスト1km 3'30/km
3分30秒を「特別ではない速度」にするための実走データ
サブエガを目指す段階では、毎回3分20秒台で走る必要はありません。3分30秒で「まとめられる日」を何度も作ることの方が重要です。このような20km+ラスト3'30の練習は、スピードの再現性と精神的な余裕を作る目的で取り入れていました。30km走や強度の高いラストスパート練習の合間に行うことで、サブエガペースを身体と感覚の両方に定着させる役割を果たします。
距離5km ラスト1km 3'27/km
スピード感覚と神経系を日常的に目覚めさせる
サブエガを目指す練習では、ハードなロング走や高強度練習だけでなく、このような軽めの刺激をこまめに入れることが非常に重要です。5km+ラストスパートは、疲労を溜めすぎずにスピード感覚を維持できるため、ジョグ感覚を崩さず、次のポイント練習にもつなげやすいメニューでした。
サブエガに必要なのは「疲れた脚で3分30秒を出す力」
これらのラストスパート練習の積み重ねが、3分30秒前後のスピードを出せる脚につながりました。サブエガを達成するうえで本当に重要なのは、元気な状態で速く走れることではありません。 すでに脚が疲れている状態でも、3分30秒を出せることだと感じています。疲労した脚で3分30秒が出せるようになると、キロ4分というペースに明確な余裕が生まれます。呼吸にも脚にも余裕があり、「まだまだ押せる」と感じながら走れる状態です。言い換えると、サブエガランナーとは、フルマラソン終盤をキロ3'30で走れる人だと思っています。そのためには、日頃の練習から疲れた状態でスピードを出す経験を積み重ねることが欠かせません。ラストスパート練習は、そのための最短ルートでした。
ラストスパート練習をさらに体系化。35kmで足が止まる原因「脳のブレーキ」を外し、後半に追い上げる脚を作る極意を解説します。
サブエガ達成時の月間走行距離(250km前後)
サブエガを達成したシーズンの月間走行距離を振り返ると、いずれも250km前後に収まっています。サブスリーを目指していた頃は月間300km以上を目標にしていましたが、サブエガでは「距離より質」を重視する考え方に切り替えました。■ 2月の月間走行距離:256.2km
スピード練習を軸に組み立てた2月のトレーニング内容
サブエガを狙う段階では、単純に距離を積み上げるよりも、「疲労をコントロールしながら質の高い練習を継続する」ことが重要です。この2月の256kmという数字は、スピード練習・ロング走・回復をすべて成立させるための、現実的でバランスの取れた月間走行距離だったと感じています。
■ 3月の月間走行距離:236.4km
スピード練習の質を最優先した3月
カレンダーを見ると、20km前後のポイント練習や30km走が入る一方で、その前後には距離を抑えた日や回復目的のジョグが配置されています。サブエガを狙う段階では、疲労を溜めたまま距離を踏み続けるよりも、ポイント練習を高い質でこなせる状態を維持することが重要です。この3月の236kmという数字は、ラストスパート練習・ロング走・回復を無理なく回すための、現実的で機能的な月間走行距離だったと感じています。
■ 4月の月間走行距離:250.4km
理想的な月間走行距離ゾーン
3月より距離は少し増えていますが、無理に踏み足した感覚はなく、スピード練習・ラストスパート・ロング走をすべて高い質で回せていました。この4月は、「これ以上距離を増やさなくても、サブエガは狙える」という確信を持てた月でもあります。結果的に、月間走行距離250km前後という数字が、サブエガ達成に向けた最適解の一つだと実感しました。
■ 5月の月間走行距離:283.0km
無理に距離を追わないことが重要
カレンダーを見ると、30km前後のロング走が入りつつも、無理に詰め込んだ印象はなく、疲労を溜めすぎない範囲で距離が増えているのが分かります。この5月の内容からも、サブエガ達成に必要な月間走行距離が「280km以上」ではないということがはっきりします。
まずは250km前後で、スピード練習・ロング走・ラストスパートを高い質で回せる状態を作ること。その結果として、調子が上がれば月間走行距離は自然と増えていく。この5月は、その良い例だったと感じています。
サブエガ達成に必要な月間走行距離の結論
これまでの練習内容と結果を振り返ると、サブエガ達成に必要な月間走行距離は250km前後が、一つの明確な目安になると感じました。サブスリーを目指していた頃のように、ただ距離を積み上げるフェーズはすでに終わっています。すでにサブスリーを達成しているランナーであれば、距離を増やすこと自体が目的になる必要はありません。それよりも重要なのは、スピード練習やラストスパートを高い質で継続できる状態を作ることです。月間走行距離を250km前後に抑えることで、疲労をコントロールしながら、スピード耐性を確実に積み上げることができました。結果として、距離を増やすより、スピード練習の質を高めるほうが、サブエガ達成への近道になるケースは多いと実感しています。
「疲れた脚で速く」を支えるレペティション。柏の葉2000m×4本(3'24〜3'36/km)の実データで、レペとインターバルの違いを解説します。
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