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5000mトラックレース28℃でDNF|2.71kmで吐き気リタイアした生理学的理由|サブエガ返り咲き9話目

2026年5月31日日曜日

マラソン物語-サブエガへの道

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28℃の夕方トラックを集団で走る5000mレースの様子 - サブエガ返り咲きへのトラックチャレンジ
夕方でも28℃の炎天下トラック。
18分ペーサーの集団に食らいついたけれど、結果は2.71kmでDNFだったよ。

りんごちゃん
バナナぴろし…今日の5000mトラックレース、2.71kmで途中棄権(DNF)したって聞いたよ…大丈夫!?やっぱりリタイアって、失敗ってことなのかな…

バナナぴろし
心配かけたね。28℃のトラックで18分ペース(3'36"/km)の集団に食らいついたんだけど、2.71kmで強烈な吐き気がきて止めたんだ。でもね、これは失敗じゃなくて「正しい撤退」だったと思ってるよ。

りんごちゃん
ええっ!?でも2.4kmまでは完璧なペースで走れてたんでしょ?どうして急に身体が「もう走るな」ってなっちゃうの…?

ナップル博士
それはな、「急性内臓虚血」という現象なのじゃ。猛暑で全力疾走すると、血液は熱を逃がす皮膚と、動く筋肉に総動員される。すると胃腸へ回る血は通常の1割以下に激減する。街でいえば、工場をフル稼働させるために住宅街の電気を止めるようなもの。胃腸が「もう限界!」と脳に吐き気の信号を送ったのじゃよ。

バナナぴろし
そう。しかも野辺山ウルトラ100kmから2週間、前日も31℃で芝生10km。重い脚で18分ペースに突っ込んだ結果なんだ。でもこのDNFで、サブエガに足りない「LT(乳酸作業閾値)」という最大の課題が見えた。ここからCOROSのデータと一緒に、何が起きたのかを詳しく紹介していくよ。

2026年つくばマラソンまで残り175日。サブエガ返り咲き9話目は、悔しいけれど正直に残す5000mトラックレースのDNF(途中棄権)記録だよ。

会場は夕方でも気温28℃・湿度49%の東京トラックラン。18分ペーサー(3'36"/km)に食らいつき、2.4kmまでは狂いなく巡航したものの、2.71km地点で吐き気に襲われてリタイア。
でもこの撤退は、52歳の身体が下した賢明な防衛シャットダウンであり、同時に「LT(乳酸作業閾値)の不足」という最大の課題を教えてくれた一本でもあった。COROSの実データで全部見ていくよ。

28℃のトラックを2.71kmでDNF|COROSが映す「完璧な巡航」と緊急停止

舞台は夕方18時23分スタートの東京トラックラン。それでも気温は28℃・湿度49%・南風12km/hと、輻射熱を含めれば体感30℃超のコンディションだった。
狙いは5000mを18分切り、つまり3'36"/kmのペーサー集団に最後まで食らいつくこと

結果は2.71kmで途中棄権(DNF)。でもデータを見ると、止まる直前まで走り自体は崩れていなかった。

項目
走行距離(DNF)2.71 km
運動時間9:49
平均ペース3'38"/km
最速1km3'33"/km
平均心拍 / 最大心拍171 / 181 bpm
気温 / 湿度28℃ / 49%
効率118%(優秀)
トレーニング負荷(TL)55(低い)
COROSアプリの5000mトラックランDNFサマリー画面 距離2.71km平均ペース3分38秒平均心拍171bpm気温28℃
距離2.71km・平均3'38"/km・平均心拍171bpm。
効率118%「優秀」の通り、走りの質は最後まで保てていたんだ。
1km目を200m+370m+400mと刻みながら3'38"前後、2km目以降も3'33"〜3'37"/kmと、18分ペーサーのターゲットを寸分の狂いなく巡航していた。
調整なしの重い脚で、この高速巡航を2.4kmまで完璧にコントロールできたスピード能力は、自分でも収穫だと感じている。
問題は、走りではなく「内臓」のほうが先に音を上げたことだった。

なぜ吐き気で止まったのか|内臓虚血と乳酸急増・ウルトラ明け2週間の身体

ラップごとの心拍を見ると、2km目以降は175〜177bpm(最大181bpm)のレッドゾーンに張り付いていた
ここで身体の中では、2つのことが同時に起きていたと考えられる。

  • 急性内臓虚血による吐き気:体感30℃超で3'35"/kmを維持するため、血液が活動筋と皮膚(放熱)に集中。胃腸の血流は通常の10%以下に急減し、ウルトラで弱っていた胃腸の粘膜が耐えきれず、脳の嘔吐中枢へ「これ以上走るな」と危険信号を送った。
  • 乳酸急増による体内の酸性化:前日の31℃芝生10kmの疲労が筋繊維に残ったまま突っ込んだため、糖分解が追いつかず乳酸が急増。血中が一気に酸性へ傾く(急性アシドーシス)こと自体が、吐き気の直接的な引き金になる。

そしてこの背景にあるのが、過密だった直近2週間
野辺山ウルトラ100kmから2週間、水曜に27km、金曜に坂ダッシュ、土曜に31℃の芝生10km——そこへ日曜の限界走。
重い脚でレッドゾーンに突っ込めば、身体が緊急停止をかけるのはむしろ正常な反応だった。
COROSラップ詳細画面 5000mトラックランの心拍175〜181bpmレッドゾーンとトレーニング効果VO2Max無酸素TE2.2
3km目以降の心拍はずっと175〜181bpm。
トレーニングの焦点も「VO2max」、つまり完全に無酸素の限界領域に入っていた。

DNFは「正しい撤退」だった|見つかった課題は乳酸作業閾値(LT)の不足

あのまま無理を重ねれば、熱中症での転倒や横紋筋融解症のリスクもあった。
だから2.71kmでのDNFは、52歳の脳と防衛本能が下した120点満点の「正しい撤退」だったと、いまは胸を張って言える。
「暑さも前日の練習も言い訳にしたくない」——その気持ちは本物だけど、データは冷静に事実を語っている。

そしてこのレースで、何より価値のある収穫があった。サブエガに足りないのは「LT(乳酸作業閾値)」だと、はっきり分かったことだ。
いまの自分には、200mを30秒で走れる天性のスピードと、100kmを完走する低速スタミナがある。
でも、その中間をつなぐLTのゾーン——乳酸を再利用しながらキロ3分50秒台を「楽に」維持し続ける能力が、まだ十分に開発されていない。

だから3'36"/kmというLTより上の無酸素領域に入った瞬間、体液が急激に酸性化してガス欠を起こす。
逆に言えば、ここを埋めればまだ圧倒的に速くなれるという未来の証明でもある。課題が見つかったレースは、収穫のあるレースだ。
バナナぴろし
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6月のLT強化プラン|クルーズインターバル1600m×4本で4'01を自動巡航へ

明日から6月。この悔しさをバネに、サブエガ仕様の強靭なLTエンジンを安全に作り直していく。
ポイントは、暑い夏場に単独で20分間走り続ける過酷なLT走は避けること。熱中症や内臓疲労、そして今日のトラウマ(吐き気)を招きやすいからだ。
そこで採用するのが、ダニエルズ式の「クルーズインターバル(分割閾値走)」だよ。

  • メイン:クルーズインターバル(週1) 1600m×4本(or 2000m×3本)/設定3'55"〜4'00"/km/つなぎは60〜90秒のゆるジョグ。乳酸を高濃度に保ったまま動き続け、再利用システムを鍛える。
  • 補強:スイートスポット走(隔週1) 8〜10km/設定4'10"〜4'15"/km。深い疲労を残さずミトコンドリアを増やし、有酸素ベースの底を上げる。
  • 神経系:芝生マリンシューズジョグ(週1) ポイント翌日のアクティブリカバリーとして心拍145bpm以下で。前回つかんだ「短い接地」の感覚を維持する。

目指すのは、いつか4'01"/kmを「自動巡航」で楽々と押し切れる脚
今日のDNFは挫折じゃない。残り175日、ここからスマートで科学的なLT強化の旅を始めるよ。
バナナぴろし
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りんごちゃん
DNFって落ち込むことだと思ってたけど、「正しい撤退」と「課題発見」だったなんて…!止める勇気も、次に進む力なんだね。バナナぴろし、かっこいいよ!

バナナぴろし
ありがとう。悔しさは正直あるけど、LT不足という宝物を持ち帰れたからね。次回からはいよいよ6月、クルーズインターバルでサブエガのエンジンを組み直していくよ。つくばまで残り175日、一緒に走り続けよう!

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筆者

バナナぴろし

著者プロフィール:バナナぴろし

「10km75分」から「2時間49分35秒(サブエガ)」へ。

昭和49年生まれ。2017年1月、40代からランニングを開始。当初は10kmを走るのに75分かかる状態でしたが、独自の「芝生ランニング」を中心としたトレーニング理論を確立し、劇的な記録更新を達成しました。

  • 2年11ヶ月でサブスリー達成(2:58:08)
  • さらに1年4ヶ月でサブエガ達成(2:49:35)

現在はフルマラソンにとどまらず、ウルトラマラソンやトレイルランニングにも挑戦中。机上の空論ではない「実体験に基づいた効率的な練習法」を届けるべく活動しています。

【自己ベスト・実績】
フルマラソン 2時間49分35秒(サブエガ)
ハーフマラソン 1時間18分47秒
10km 35分33秒
5000m 17分22秒

SNS合計フォロワー 10,000人超

X(Twitter): 6,500人 | Facebook: 3,600人

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