ランニングの心拍ゾーンの決め方|最大心拍の求め方とゾーン別の練習

りんごちゃん りんごちゃん
ウォッチに「ゾーン2」「ゾーン4」って出るんですけど、どのゾーンで走ればいいのか分からなくて……。

ナップル博士 ナップル博士
心拍ゾーンはその日の練習が狙いどおりの強度かを確かめる物差しじゃ。ただし物差しの目盛り、つまり最大心拍が合っていないと、ゾーンもずれる。まずそこからじゃな。

バナナぴろし バナナぴろし
俺の例だと、ゆっくりのロングジョグは平均143bpm、閾値走は平均159bpm、インターバルは平均164bpm。練習ごとにちゃんと違う帯に入ってるよ。

心拍ゾーンは、心拍数を強さの段階ごとに区切ったものです。ペースは坂や風、暑さで変わりますが、心拍は体にかかっている負担そのものを表すので、練習の強度管理に役立ちます。

この記事では、最大心拍の求め方心拍ゾーンの決め方ゾーンごとの練習の目的を整理します。筆者のロングジョグ・閾値走・インターバルの実データで、実際の使い方も紹介します。

この記事でわかること
  • 心拍ゾーンとは何か、ペースとの違い
  • 最大心拍の求め方と「220−年齢」の注意点
  • 予備心拍(カルボーネン法)でゾーンを決める方法
  • ゾーンごとの練習の目的
  • 練習別の心拍の実データと、暑い日の注意点

ウォッチに出る「有酸素TE・無酸素TE・TL」の意味と見方は、実データつきでこちらにまとめています。



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心拍ゾーンとは|ペースより「体の負担」が分かる

同じキロ5分でも、平地と上り坂、涼しい日と暑い日では体への負担がまったく違います。ペースだけ見ていると、暑い日に同じペースを守ろうとして強度が上がりすぎることがあります。

心拍数はその時の体の負担に反応するので、「今日は心拍◯◯以下で走る」と決めれば、条件が違っても狙った強度に収めやすくなります。


最大心拍の求め方|「220−年齢」は目安にすぎない

いちばん簡単な推定式

よく使われるのが「220−年齢」という推定式です。

年齢最大心拍の目安(220−年齢)有酸素ゾーン(最大心拍の60〜70%)閾値付近(最大心拍の80〜90%)
30歳190bpm114〜133bpm152〜171bpm
40歳180bpm108〜126bpm144〜162bpm
50歳170bpm102〜119bpm136〜153bpm
60歳160bpm96〜112bpm128〜144bpm

※推定式による計算値です。実際の最大心拍は同じ年齢でも個人差が大きく、10bpm以上ずれることも珍しくありません。

推定式がずれるときの対処

推定式は多くの人の平均から作られた目安なので、自分に当てはまるとは限りません。たとえば、ふだんの練習やレースで推定値より高い心拍が出ているなら、推定式は低すぎます。

  • レースや全力のラストスパートで記録された最高心拍を参考にする
  • ウォッチの自動推定機能を使い、数週間分のデータで確認する
  • 心臓や血圧に不安がある人は、最大心拍を測るような全力走は自己判断で行わず、医師に相談する

心拍ゾーンの決め方|予備心拍(カルボーネン法)

最大心拍だけでなく安静時心拍も使うと、体力の差を反映しやすくなります。これを予備心拍(カルボーネン法)といいます。

計算式目標心拍 =(最大心拍 − 安静時心拍)× 強度 + 安静時心拍
安静時心拍の測り方朝起きてすぐ、横になったまま1分間の脈を数える(数日の平均をとる)

たとえば最大心拍175bpm・安静時心拍55bpmの人なら、次のようになります。

強度計算目標心拍
60%(175−55)×0.6+55127bpm
70%(175−55)×0.7+55139bpm
80%(175−55)×0.8+55151bpm
90%(175−55)×0.9+55163bpm

ゾーンごとの目的

ゾーン強度の目安体感主な練習と目的
1 リカバリーとても楽会話が余裕回復ジョグ・ウォームアップ
2 有酸素持久会話ができるLSD・ジョグ=長く走る土台
3 有酸素パワーやや楽〜ややキツい短い会話なら可マラソンペース走
4 乳酸性閾値ややキツい会話がギリギリ続かない閾値走=速いペースを保つ力
5 無酸素キツい会話できないインターバル=心肺の上限・スピード

※ゾーンの呼び方と区切り方はメーカーによって異なります。上はCOROSなどで使われる呼び方をもとにした目安です。

りんごちゃん りんごちゃん
ゾーン2はLSD、ゾーン4は閾値走、って練習とセットで覚えると分かりやすいですね。


実データ|練習ごとに心拍はこう変わる

筆者バナナぴろし(50代)の3つの練習の心拍です。練習の目的が違うと、入る心拍帯もはっきり分かれます

練習内容平均心拍最大心拍主なゾーン
ロングジョグ27.8km・キロ5分09秒143bpm159bpm有酸素持久61%・リカバリー39%
閾値走(気温29℃・湿度77%)10.14km・キロ4分23秒→3分55秒のビルドアップ159bpm183bpm乳酸性閾値(155〜165bpm)34%・無酸素パワー(172bpm以上)28%
ショートインターバル約540m×10本・レスト90秒164bpm179bpm乳酸性閾値19%・無酸素持久30%

ロングジョグでは全体の6割を有酸素持久ゾーンに置き、閾値走では閾値ゾーンに約16分とどまれていました。「どのゾーンに何分いたか」を見ると、練習が狙いどおりだったかが分かります。

暑い日は同じペースでも心拍が上がる

暑い日は、同じペースでも心拍が通常より10〜15bpmほど高くなりやすい傾向があります。上の閾値走も気温29℃の夜でした。夏はペースを守るより、心拍を狙ったゾーンに収めるほうが、練習の強度を正しく保てます。


心拍ゾーンを使うときの注意点

手首の光学式心拍はずれることがある

手首で測る光学式の心拍計は手軽ですが、インターバルのように心拍が急に上下する練習や、腕の振りが大きいときにずれることがあります。強度をきちんと管理したいなら胸ベルト式の心拍センサーが確実です。

走り始めの数分は心拍が遅れて上がる

心拍は運動を始めてから少し遅れて上がります。インターバルの1本目や坂の上り始めは、心拍よりペースや体感で判断してください。

体調で変わる

寝不足や疲れがたまっていると、いつもより心拍が高く出たり、上がりにくかったりします。いつもと明らかに違う日は、練習を軽くする判断材料にしてください。

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🍌 心拍ゾーンを正確に使うための2点
心拍でゾーンを管理するなら、胸ベルト式の心拍センサーで数値のぶれを減らし、ゾーンと滞在時間を表示できるGPSウォッチと組み合わせるのが確実です。

心拍ゾーンに関するよくある質問

最大心拍はどうやって求めればいいですか?

簡単な目安は「220−年齢」です。ただし個人差が大きく、10bpm以上ずれることもあります。レースや全力のスパートで出た最高心拍や、ウォッチの自動推定も参考にしてください。心臓や血圧に不安がある人は、全力走で測る前に医師に相談してください。

ジョグは何bpmで走ればいいですか?

会話ができる強度(最大心拍の60〜70%ほど)が目安です。筆者(50代)の27.8kmのロングジョグは平均143bpmで、全体の6割が有酸素持久ゾーンでした。

閾値走の心拍の目安は?

「会話がギリギリ続かない」強度で、最大心拍の80〜90%前後が目安です。筆者は閾値ゾーンを155〜165bpmに設定しており、気温29℃の閾値走で平均159bpmでした。

暑い日は心拍がいつもより高くなります。

暑さで心拍が10〜15bpmほど上がりやすいためです。夏はペースを落としてでも狙ったゾーンに収めるほうが、練習の強度を正しく保てます。

手首の心拍計は正確ですか?

ジョグなど一定の強度では目安になりますが、インターバルのように心拍が急に変わる練習ではずれることがあります。正確に管理したい場合は胸ベルト式のセンサーがおすすめです。


まとめ|心拍ゾーンは「練習の答え合わせ」に使う

心拍ゾーン心拍を強さの段階で区切ったもの。条件が違っても強度をそろえやすい
最大心拍220−年齢は目安。レースの最高心拍やウォッチの推定で確認
ゾーンの決め方(最大心拍−安静時心拍)×強度+安静時心拍
練習との対応ゾーン2=LSD・ジョグ/ゾーン4=閾値走/ゾーン5=インターバル
注意暑い日は10〜15bpm高く出やすい・手首の心拍はずれることがある

心拍ゾーンは、その日の練習が狙いどおりの強度だったかを確かめる物差しです。まず最大心拍と安静時心拍を確認してゾーンを決め、練習後に「どのゾーンに何分いたか」を見る。これだけで、ゆっくりの日は本当にゆっくり、速い日はしっかり、という練習の差がつけられます。

りんごちゃん りんごちゃん
明日の朝、まず安静時心拍を測ってみます!

ナップル博士 ナップル博士
物差しが正しければ、練習は迷わんのじゃ。

ゾーン4で走る「閾値走」のやり方とペース設定表はこちら。心拍とあわせて強度を決められます。



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