実際に悩むのはむしろこっちではないだろうか——「今日の閾値走、レース用の厚底を履くべきか、それとも普段のジョグ用か」。
結論を先に書く。速く走れるのはレース用。だが「脚をつくる」のが目的なら、ジョグ用のほうが有利だ。同じ練習でも、履くシューズで得られるものが変わる。
この記事でわかること
・レース用とジョグ用で何が変わるのか(速さ/脚への負荷)
・厚底カーボンで6kmの閾値走をやった実走ラップと心拍
・目的別の使い分け(タイム狙い/脚づくり/ウルトラ準備)
・「レース用で20km ≒ ジョグ用で12〜14km」という負荷の体感差
・レース前にレース用へ切り替えるタイミング
・レース用とジョグ用で何が変わるのか(速さ/脚への負荷)
・厚底カーボンで6kmの閾値走をやった実走ラップと心拍
・目的別の使い分け(タイム狙い/脚づくり/ウルトラ準備)
・「レース用で20km ≒ ジョグ用で12〜14km」という負荷の体感差
・レース前にレース用へ切り替えるタイミング
りんごちゃん
閾値走のとき、いいシューズを履いたほうが練習になるんですよね?
バナナぴろし
それが逆のこともあるんだ。レース用は速く走れるけど、脚への負荷は軽くなる。つまり「脚を鍛える」目的なら物足りないんだよ🍌
ナップル博士
シューズが仕事を肩代わりすれば、その分の仕事は体に入らぬ。速さを買うか、脚づくりを取るか——目的で選ぶのじゃよ🍍
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レース用とジョグ用|同じ練習でも変わるもの
まず2種類の性格を整理する。| レース用(厚底カーボン等) | ジョグ用(デイリートレーナー) | |
|---|---|---|
| 重さ・反発 | 軽量・反発が強い | やや重い・クッション重視 |
| スピード | 出やすい | 出にくい |
| フォーム | シューズがアシストしてくれる | 自分の力で進む必要がある |
| 心肺への負荷 | ペースが上がるぶんかかる | ペース相応 |
| 脚への負荷 | 軽減される | 筋肉・腱・関節にしっかり入る |
| 鍛わりやすいもの | スピード感覚・心肺 | 脚耐久力(地脚) |
ここで重要なのは「脚への負荷が軽減される」=いいことだけではないという点だ。レースでは大きな武器になるが、練習では鍛えたかった部分の負荷まで肩代わりされてしまうことがある。
つまり同じ閾値走でも、レース用=心肺を追い込む練習、ジョグ用=脚もつくる練習と、中身が変わる。
実走データ|厚底カーボンで6kmの閾値走
実際に、レース用シューズ(ナイキ アルファフライ)で6kmの閾値走をやったときのデータを載せる。場所は千葉県柏市の手賀沼沿いコースだ。| ラップ | 距離 | 時間 | ペース | 心拍 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1.11km | 4:19 | 3'54"/km | 147 |
| 2 | 0.90km | 3:24 | 3'47"/km | 159 |
| 3 | 2.05km | 7:44 | 3'46"/km | 162 |
| 4 | 0.96km | 3:26 | 3'35"/km | 161 |
| 5 | 1.00km | 3:27 | 3'28"/km | 165 |
6kmを平均3'43"/km。前半4kmは向かい風で、心拍を一定に保つことを優先した。折り返して追い風になると、自然にペースが上がっている(ラスト1kmで3'28")。
注目したいのは心拍の推移だ。147 → 159 → 162 → 161 → 165 と、ペースが上がっても心拍は急激には跳ねていない。追い風でペースが上がった分は、シューズと風がやってくれている——つまり脚と心肺の仕事は見た目のペースほど増えていない。
手賀沼沿いはフラットで信号が少ないぶんペース練習に向くが、湖沿いなので風の影響が大きい。向かい風と追い風で条件が変わるので、ペースではなく心拍を基準にした方が練習の狙いから外れにくい。
バナナぴろし
風の日は時計のペースを信じすぎない。向かい風で落ちても失敗じゃないし、追い風で上がっても実力じゃないからね🍌
ナップル博士「レース用20km ≒ ジョグ用12〜14km」という体感差
数字で示せるものではないが、走っていて強く感じるのがこれだ。同じきつさ(心拍・主観的な負荷)で比べたとき、レース用で20km走るのと、ジョグ用で12〜14km走るのが、脚づくりとしては同じくらい——という体感がある。
※これは筆者の主観的な体感であり、測定データではありません。
シューズの反発や体重、走力によって差は変わります。目安として読んでください。
シューズの反発や体重、走力によって差は変わります。目安として読んでください。
この見方が正しいとすると、ジョグ用シューズは「少ない距離で脚づくり効果を得られる」ということになる。時間が限られている市民ランナーにとって、これは意外と大きい。
逆に言えば、レース用ばかりで練習していると、走行距離のわりに脚が育たない可能性がある。タイムは出ているのに本番の後半で脚が終わる、という人は、練習で履いているシューズを疑ってみる価値がある。
目的別の使い分け
整理すると、選び方はこうなる。| いまの目的 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| ウルトラの準備期 | ジョグ用 | 速さより後半まで脚が残る力(地脚)が最優先 |
| フルに向けた脚づくり期 | ジョグ用中心 | 距離を踏みながら脚に負荷を入れる |
| レース前の仕上げ | レース寄り | 本番のスピード感覚と接地に体を慣らす |
| 本番のペースを確認したい | レース用 | 当日と同じ条件で走ってみる |
| 脚に不安・違和感がある | クッション重視 | まず衝撃を減らす。無理はしない |
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🍌 「レース用」と「ジョグ用」の代表例
閾値走は何を狙うかで履く靴を変えると練習の中身がはっきりします。スピードを出しやすいカーボン入りのレース寄りモデルと、クッションで脚を守るジョグ寄りのモデルを1足ずつ挙げます。
🍌 「レース用」と「ジョグ用」の代表例
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流れとしては「準備期はジョグ用で脚をつくる → 本番が近づいたらレース寄りに切り替えてスピード感覚を戻す」が基本形になる。
切り替えのタイミングは、レース本番の前に最低でも数回は履いておくくらいでいい。厚底カーボンは接地感覚が独特なので、ぶっつけ本番だと違和感が出ることがある。
りんごちゃん
「いいシューズをいつも履く」のが正解じゃないんですね……。
バナナぴろし
ナップル博士閾値走とシューズのよくある質問
閾値走はレース用シューズで走るべきですか?
目的によります。本番のスピード感覚を確認したい、レースが近いという場合はレース用が適しています。一方で脚づくりが目的なら、ジョグ用の方が筋肉・腱・関節に負荷が入り効果的です。レース用はシューズが仕事を肩代わりするぶん、鍛えたい部分の負荷まで軽くなる点に注意してください。
厚底カーボンで練習すると脚が弱くなりますか?
弱くなるというより、脚づくりの効果が得にくくなると考えてください。同じ距離を走っても脚への負荷は軽減されるため、走行距離のわりに地脚が育たない可能性があります。タイムは出ているのにレース後半で脚が終わるという人は、練習で履いているシューズを見直してみる価値があります。
ウルトラマラソンの準備ではどちらを履くべきですか?
準備期はジョグ用シューズを中心にするのがおすすめです。ウルトラで最優先されるのは速さではなく、後半まで脚が残る力だからです。距離を踏みながら脚に負荷を入れられるジョグ用の方が、目的に合っています。
レース用にはいつ切り替えればいいですか?
本番が近づいた仕上げの時期です。厚底カーボンは接地感覚が独特なので、ぶっつけ本番で履くと違和感が出ることがあります。レース前に最低でも数回は履いて、フォームと接地を慣らしておいてください。
風の強い日は閾値走をどう調整すればいいですか?
ペースではなく心拍や主観的なきつさを基準にしてください。向かい風では同じ努力でもペースが落ち、追い風では実力以上に上がります。時計の数字だけを追うと、向かい風で無理をして狙いの強度を超えてしまいます。湖沿いや河川敷など風の影響が大きい場所では特に意識してください。
まとめ|シューズで練習の中身が変わる
・レース用は速く走れるが、脚への負荷は軽くなる・ジョグ用はペースは出ないが、脚耐久力(地脚)が育つ
・実走例=厚底カーボンで6kmを平均3'43"(心拍147→165)。追い風の上昇分は実力ではない
・体感として「レース用20km ≒ ジョグ用12〜14km」の脚づくり効果(※主観)
・準備期はジョグ用 → 仕上げでレース寄りへが基本形
・風の強い日はペースではなく心拍で管理する
シューズは「速く走るための道具」であると同時に、「練習の負荷を決めるつまみ」でもある。何を鍛えたいかで回す方向が変わる——そう考えると、手持ちのシューズの使い道が見えてくるはずだ。
りんごちゃん
普段の練習こそ、あえて重い靴で走ってみます!
バナナぴろし📖 次に読むなら







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