フルマラソンのテーパリング|3週間前からの練習量の落とし方

りんごちゃん りんごちゃん
フルマラソンまであと3週間なんですけど、不安で練習を増やしたくなって……。最後に追い込んだほうがいいですよね?

バナナぴろし バナナぴろし
その逆なんだ。最後の2〜3週間は「積む」より「抜く」時期。俺がサブエガを出したレースは、最後の3日間まったく走らなかったよ。

りんごちゃん りんごちゃん
3日も走らなくて大丈夫なんですか!?

ナップル博士 ナップル博士
直前の数週間で走力はほとんど伸びん。伸びるのは疲労だけじゃ。疲労を抜いて、積み上げた力を当日に出せる状態に整える。それがテーパリングなのじゃよ。

テーパリングとは、レース前に練習量を減らして疲労を抜き、当日に力を出し切れる状態に整える調整のことです。どれだけ練習を積んでも、疲労を残したままスタートすれば力は出ません

この記事では、フルマラソンのテーパリングの基本と、筆者がサブエガ(2時間49分38秒)を達成したレースの3週間前からの実際の練習を紹介します。あわせて、直前にやってはいけないこともまとめました。

この記事でわかること
  • テーパリングの目的と基本の考え方
  • 3週間前・2週間前・1週間前・直前のやり方
  • サブエガを出したレースの実際の調整
  • 「3日間走らない」ことへの不安と根拠
  • 直前にやってはいけないこと

サブエガを達成したレースの月間走行距離・ピーキング・補給の全データはこちらにまとめています。



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テーパリングの基本|距離は減らし、強度は少し残す

始める時期レースの2〜3週間前から
距離段階的に減らす
強度完全には落とさない(短い刺激を残す)
目的疲労を抜き、動きのキレは保つ

よくある失敗は2つです。1つは不安で直前まで距離を踏み、疲労を残したままスタートすること。もう1つは完全に休みすぎて、脚の感覚が鈍ることです。距離は減らすけれど、短い刺激は残す——これが両方を防ぐ考え方です。

ウルトラマラソンとの違い

ウルトラ(100km)は練習の疲労がフル以上に大きいので、1か月前から落としていきます。フルは2〜3週間前からが目安です。ウルトラの調整はウルトラマラソン100kmのテーパリングで解説しています。


週ごとのやり方|3週間前から当日まで

時期距離やることやってはいけないこと
3週間前やや減らす最後の実戦的な練習(ハーフレースや30km走など)不安で練習を足す
2週間前さらに減らす距離走は短めに。レースペースの確認を少しだけ新しいシューズを下ろす
1週間前大きく減らす短い刺激を1回(5000m走や1km×数本など)ロング走・追い込み
4〜3日前ごく軽く or 休む軽いジョグ、または完全休養急に長く走って確認する
前日休む or ごく軽く持ち物の確認、早めの就寝の準備強いマッサージ・新しい食べ物

※距離の減らし方は走力や普段の練習量で変わります。上は筆者の調整とウルトラのテーパリングの考え方をもとにした目安です。

「体が軽い」は調整がうまくいっているサイン

距離を減らしていくと、1〜2週間前に急に体が軽く感じることがあります。これは疲労が抜けてきたサインで、走力が上がったわけではありません。ここで嬉しくなって追い込むと、抜いた疲労を入れ直すことになります。


実例|サブエガを出したレースの3週間前から

筆者が東京チャレンジマラソンで2時間49分38秒(サブエガ)を出したときの、3週間前からの実際の練習です。

時期練習内容ねらい
3週間前ハーフマラソン 1時間18分16秒(実戦レース)最後の実戦で走力を確認
2週間前午前:芝生で30km走/午後:5000m(キロ4分00秒)×2本疲れた状態でレースペースを確認
1週間前トラックで5000mの刺激脚のキレを保つ
4日前10kmジョグ(キロ4分20秒)軽く動かす
3日前〜前日ランオフ(走らない)疲労を完全に抜く

2週間前までに実戦的な練習を終え、そこから先は疲労を抜きながら短い刺激だけを残す組み立てです。レース当日は20km通過時点で体感の残量が80%あり、33kmで脚が攣るトラブルがあっても立て直してゴールできました。

バナナぴろし バナナぴろし
2週間前の30km走+午後の5000m×2本がいちばんキツい練習で、そこから先は抜くだけ。最後の1週間は、正直かなり物足りなかったよ。


「3日間走らない」ことへの不安と根拠

レース直前に3日も走らないのは、かなり勇気がいります。筆者も最初は不安でした。

筆者が調べた研究では、経験のあるランナーが短期間走らなかった前後で、5kmのタイムトライアルやVO2maxに大きな低下は見られなかったという報告がありました。VO2maxが下がり始めるのは一般に4日目以降と言われています。そこで筆者は、疲労を抜きつつ走力を落とさない期間として「3日間」を選び、勝負レースの前に実践しています。

ただし、何日休むのがよいかは人によって違います。いきなり3日休むのが不安なら、4日前・3日前をごく軽いジョグにして、前日だけ休むなどから試してください。大切なのは「直前に走って確認したくなる気持ち」に負けないことです。休む意味についてはランニングを休む勇気でも解説しています。

ナップル博士 ナップル博士
直前の「確認の1本」が疲労を残し、本番を台無しにする。2〜3日で抜けるのは疲労だけ、というのが大事な考え方じゃ。


直前にやってはいけないこと

やってはいけないこと理由
不安で距離を足す・追い込む疲労が抜けないままスタートすることになる
新しいシューズ・ウェアを下ろす靴擦れや違和感は、42kmの間に必ず表面化する
強いマッサージを受ける翌日に張りが出ることがある
いつもと違う食べ物を食べる胃腸のトラブルはレース後半に響く
前日の観光・買い物で歩きすぎるそれだけで脚を使ってしまう

睡眠は「前日」より「2日前」

レース前日は緊張で眠れないのが普通です。影響が大きいのは2日前の睡眠と言われているので、2日前にしっかり寝ることを意識してください。前日に眠れなくても、横になって目を閉じていれば十分です。

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🍌 テーパリング中の回復を助ける2点
練習量を落とす時期は回復の質が大切です。寝ている間に脚を楽にする着圧ソックスと、本番と同じ補給を事前に試しておくためのジェルを用意しておくと安心です。

フルマラソンのテーパリングに関するよくある質問

フルマラソンのテーパリングはいつから始めればいいですか?

レースの2〜3週間前からが目安です。3週間前に最後の実戦的な練習を終え、そこから段階的に距離を減らしていきます。ウルトラマラソンは疲労が大きいので1か月前からが目安です。

レース1週間前は完全に休んだほうがいいですか?

完全に休むより、短い刺激を1回入れるのがおすすめです。筆者はサブエガのレースの1週間前に、トラックで5000mの刺激を入れました。ロング走や追い込みは避けてください。

レース直前に3日間走らなくても大丈夫ですか?

筆者は勝負レースの前に3日間のランオフを実践し、サブエガを達成しました。短期間走らなくても走力は大きく落ちないとする研究もあります。ただし最適な日数は人によるので、不安なら前日だけ休むところから試してください。

テーパリング中に体が軽く感じます。練習してもいいですか?

追い込まないでください。体が軽いのは疲労が抜けてきたサインで、走力が上がったわけではありません。予定どおり軽めの練習を続けるのが正解です。

前日に眠れなかったらどうすればいいですか?

前日に眠れなくても走れます。影響が大きいのは2日前の睡眠と言われているので、2日前にしっかり寝ておくことを意識してください。


まとめ|最後の3週間は「抜く勇気」が記録になる

テーパリングとは練習量を減らして疲労を抜き、当日に力を出せる状態に整える調整
基本2〜3週間前から、距離は減らし強度は少し残す
サブエガの例3週前ハーフ→2週前30km走+5000m×2→1週前5000m→4日前10kmジョグ→3日間ランオフ
注意「体が軽い」で追い込まない・新しい道具を下ろさない・強いマッサージを受けない
睡眠前日より2日前を大切に

フルマラソンの最後の3週間は、やらない判断のほうが難しい時期です。不安で走りたくなる気持ちは誰にでもあります。それでも、積み上げてきた力はもう体の中にあります。あとは疲労を抜いて、当日に出せる状態に整えるだけです。

りんごちゃん りんごちゃん
3週間前からの表、そのまま手帳に書き写します!

ナップル博士 ナップル博士
スタートラインに万全で立てた者だけが、42kmの後半を戦えるのじゃ。

ウルトラマラソン(100km)に出る人は、1か月前から始める調整のしかたをこちらで確認してください。



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