りんごちゃん
バナナぴろし
りんごちゃん
ナップル博士
バナナぴろしそのうえで、落ち着いてから読み返してほしいことをまとめました。
- DNF後にやることは3つだけ——そして順番がある
- 俺の3回のDNFと、その原因がすべて違った話(実データつき)
- やってはいけない3つ(多くの人が当日にやってしまう)
- 当日/数日後/2週間後の立て直しの手順
- 61kmでやめた2ヶ月後に100kmを完走するまでに変えた3つ
- DNS・DNF・DQの違い
ひとつだけ先に言っておきます。DNFは失敗ではなく、記録です。そして記録は、読み方さえ間違えなければ次の完走に使えます。
バナナぴろしウルトラで人が止まる理由は、実は脚じゃないことが多いんだ。低血糖・脱水・「心が折れる」の正体を、補給の設計まで含めてまとめてあるよ。
・DNFとは何ですか?
・DNFしたら、すぐに次のレースへ申し込むべきですか?
・脚が動くのに気持ちが切れるのは、珍しいことですか?
・DNF後の振り返りでは何を記録すればよいですか?
・途中棄権は失敗ですか?
結論|DNF後にやることは3つ。順番を間違えない
先に結論だけ書きます。やることは3つで、順番が決まっています。この順番が大事な理由は単純で、当日の自分は判断力が落ちているからです。長時間動いたあとは体も頭も消耗していて、そこで出した結論はたいてい極端になります。「もう向いていない」も「次は根性で走り切る」も、どちらも当日の産物です。
順番を守るだけで、DNFは「引きずるもの」から「使えるもの」に変わります。
ナップル博士俺は3回DNFしている|原因は毎回まったく違った
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。DNFには「種類」があります。俺の3回を、当日の数字と一緒に並べます。
この表から分かる、いちばん大事なこと
3回とも、脚の故障では止まっていません。61kmのときは、どこも痛くありませんでした。脚も動いていた。それでも止めた。35kmのときも脚の故障ではなく、周回を重ねるうちに気持ちが先に折れました。2.71kmのときは吐き気です。
もしこの3回を「根性が足りなかった」の一言でまとめていたら、原因は永久に見つかりませんでした。実際には——
- ①は補給の設計ミス……直せるのは食べ方であって、気合ではない
- ②は環境とレース設計の問題……周回コースの単調さを想定していなかった
- ③は暑さと回復不足……ウルトラの2週間後に全力を出す計画自体に無理があった
原因が違えば、対策も違います。だからこそ、振り返りでは「なぜ止まったか」を精神ではなく条件で書き出す必要があります。
りんごちゃんDNF後にやってはいけない3つ
どれも善意から出る行動なのに、立て直しを遅らせます。①その日のうちに次のレースへ申し込む
「すぐ次を決めれば前を向ける」——気持ちは分かりますが、当日の申し込みは、たいてい距離もタイミングも無理があります。判断力が落ちた状態で選んだレースは、同じ失敗を再生産しがちです。申し込むのは、原因をひとつ特定してからで間に合います。
②その日のうちに「いい経験だった」と結論づける
無理に前向きにしようとすると、悔しさが処理されないまま残ります。しかもこのとき出る「いい経験だった」は、たいてい自分を納得させるための言葉で、中身がありません。悔しいなら、悔しいままでいい。それを消す必要はなく、あとで判断材料に変えればいいだけです。俺の場合も、先に必要だったのは反省ではなく悔しかった事実をそのまま認めることでした。
③原因を「根性が足りなかった」にする
これがいちばん危険です。精神論で片づけた瞬間、対策が「次はもっと頑張る」しかなくなります。そして次も同じところで止まります。上の表のとおり、俺の3回は補給・環境・暑さが原因でした。どれも精神で解決するものではありません。
バナナぴろし立て直しの手順|当日・数日後・2週間後
当日|結論を出さずに休む
やることは回復だけです。食べて、水分を摂って、寝る。SNSに何か書きたくなっても、その日は書かなくていい。意味づけは後からいくらでもできます。数日後|感情と事実を分けて書き出す
ここが立て直しの本体です。ノートでもスマホのメモでもいいので、2つの欄に分けて書きます。分けて書く理由は、混ざったままだと「つらかった」で終わってしまうからです。事実の欄に数字が並ぶと、そこに原因が見えてきます。
振り返りは4項目に分けると外さない
彩湖では、気温だけでなく同じ景色を繰り返す周回コースで気持ちが削られました。これを言葉にできると、次からは「苦しくなったらゴールまで耐える」ではなく「次の1周だけ進む」と、判断を小さくできます。ウルトラでは、この差が決定的です。
2週間後|変えることを「ひとつだけ」決める
4項目のうち、いちばん効きそうなものをひとつだけ選びます。全部を変えようとすると、どれも中途半端になり、しかも何が効いたのか分からなくなります。ひとつに絞れば、次のレースが「実験」になります。そして実験には、失敗がありません。
りんごちゃん「脚は動くのに止まった」の正体
DNFのなかでも、いちばん自分を責めやすいのがこのパターンです。どこも痛くない。脚も動く。それでも止めた。61kmで止めたとき、俺がまさにそれでした。理由は「なんか、キツくなった」——それだけです。
「やめる理由」が次々と湧いてきたら、それはサイン
あのとき、止める理由が次から次へと浮かんできました。- 「怪我して練習できなくなったら嫌だな」
- 「61kmも走ったんだから、良い練習になった」
- 「今日は暑いし、無理する日じゃない」
自分でも驚くくらい、もっともらしい理由が出てきます。これは意志が弱いのではなく、脳のエネルギーが不足したときに起きる典型的な状態です。
血糖が下がると、集中力が落ち、判断が雑になり、同じペースなのに異常にキツく感じるようになります。そして意欲が保てなくなり、人はやめる理由を探し始めます。
気合が足りなかったのではなく、燃料が切れていた。だから対策も精神論ではなく、先に入れておくことになります。
対策は「距離」ではなく「時間」で摂ること
ここが実際に変えたポイントです。「◯km地点で摂る」ではなく「◯分ごとに摂る」に切り替えました。距離基準だと、ペースが落ちた終盤ほど補給の間隔が空いてしまいます。いちばん必要な時間帯に、いちばん減ってしまう——これが61kmの失敗でした。時間基準なら、遅くなっても間隔は変わりません。
2026年9月時点で在庫があり、リンク先が生きていることを確認した商品です。100kmを完走したときに実際に携行していたのが、ジェル・塩タブ・カロリーメイトの組み合わせでした。
高価なものは必要ありません。大事なのは中身より「時間で摂る」という運用のほうです。ふだんの練習で必ず試してから本番に持ち込んでください(胃腸に合うかは人によります)。
💡 まずは補給を1つずつ見直すところから。次のレースで試す数を決めておくと、立て直しやすくなります。
ナップル博士61kmでやめた2ヶ月後、100kmを完走した|変えたのは3つ
ここが、この記事でいちばん伝えたい事実です。2024年4月、彩湖の71kmを61kmでDNF。その2ヶ月後の6月16日、会津磐梯山ウルトラマラソン100kmを11時間17分で完走しました。気温30℃超の猛暑で、多くのランナーが関門にかかった年です。
距離は71kmから100kmへ、29km増えています。それでも完走できた。変えたのは3つだけでした。
注目してほしいのは「精神」が入っていないこと
3つとも準備の中身です。「今度こそ絶対にやめない」といった決意は、ひとつも入っていません。DNFの原因が条件にあるなら、条件を変えるしかない。気持ちで乗り切ろうとしていたら、100kmで同じ場所に戻っていたはずです。
当日はウエストポーチにジェル・塩タブ・カロリーメイトを入れ、前日は会場近くで車中泊、朝4時起床、5時スタート。朝食は菓子パンとジェルで軽めに。すべて事前に決めてあったので、当日は迷う場面がありませんでした。
DNFは、次の準備のための情報です。俺にとって61kmの失敗は、100kmの完走に必要な材料でした。
りんごちゃん
バナナぴろしDNS・DNF・DQの違い
リザルトに並ぶ3つの略語を整理しておきます。日本語ではDNF=途中棄権・リタイアと呼ばれます。なお関門(制限時間)に間に合わずに止められた場合は、大会によってDNF扱いになることも、「関門アウト」として別表記になることもあります。
DQ(失格)とDNFは別物です。DNFは自分または運営の判断で止めたということで、ルール違反ではありません。ここは混同しないでください。
DNF後のよくある質問
DNFとは何ですか?
Did Not Finish の略で、出走したものの完走しなかったことを指します。日本語では「途中棄権」「リタイア」と呼ばれます。よく似た表記にDNS(Did Not Start=出走しなかった)とDQ(Disqualified=失格)があり、DNFはこのどちらとも別です。DNFはルール違反ではありません。
DNFしたら、すぐに次のレースへ申し込むべきですか?
当日に申し込むのはおすすめしません。長時間動いたあとは判断力が落ちていて、距離もタイミングも無理のある選択をしがちだからです。先に原因をひとつ特定してから申し込むと、次のレースが「同じことの繰り返し」ではなく「対策を試す場」になります。急がなくても間に合います。
脚が動くのに気持ちが切れるのは、珍しいことですか?
まったく珍しくありません。ウルトラで止まる人の多くは、脚が壊れて止まるわけではありません。俺自身、71kmを61kmで止めたときどこも痛くなく、脚も動いていました。「やめる理由が次々と湧いてくる」のは、脳のエネルギーが不足したときに起きやすい状態です。意志の強さの問題ではないので、まず補給を見直してください。
DNF後の振り返りでは何を記録すればよいですか?
事実と感情を分けて書きます。事実は止めた地点・時刻・気温・ペース・心拍・食べたもの・飲んだ量・痛みの有無。感情は止めたいと最初に思った瞬間と、そのきっかけ。そのうえで身体・補給・環境・気持ちの4項目に分けて原因を探すと、「根性が足りなかった」で終わらずに済みます。
途中棄権は失敗ですか?
失敗ではなく記録です。結果は完走かDNFかの二択でも、挑戦の価値まで二択にする必要はありません。むしろ止めた判断が正しかった場面もあります——痛みを我慢して走り続けて長期離脱するより、その日に止めるほうが良い場合は確実にあります。DNFは、次の準備に使える情報として残してください。
DNFのあと、どれくらい休めばいいですか?
止めた距離と原因によります。痛みがあるなら、痛みが消えるまでは走らないのが大前提です。痛みがなく補給や暑さが原因だった場合でも、当日と翌日は完全休養にして、そこから軽いジョグで様子を見るのが無難です。距離を踏んだあとほど、体感より回復は遅れています。焦って再開して故障するのが、いちばんもったいない結末です。
同じレースで2年続けてDNFしました。向いていないのでしょうか?
俺も彩湖で2年連続DNFしています(61km→35km)。ただし原因は2年で違いました。1年目は補給、2年目は周回コースの単調さで気持ちが削られたことです。原因が違うなら、それは「同じ失敗」ではありません。向き不向きの前に、まず2回の条件を並べて比べてみてください。同じ結果でも、中身が違えば打つ手も違います。
DNFしたことを人に言うのが恥ずかしいです。
その気持ちは自然なものですが、隠すと次に使えなくなります。俺はDNFを3回とも記事にして残しました。理由は単純で、書いて残したものだけが次の準備に使えるからです。それに、途中でやめる経験があるのは自分の限界に近いところに挑戦している証拠でもあります。安全圏だけを走っていれば、DNFは起きません。
まとめ|DNFを次のスタートに変える
DNFの直後は、自分だけが立ち止まっているように感じます。でも実際には、止まった場所には必ず理由があり、その理由はたいてい直せるものです。
俺は3回止まりました。そのうち1回は、2ヶ月後に29km長い距離を完走することにつながりました。残りの2回も、まだ答えを探している途中です。
リタイアしても終わりではありません。心が走り続けている限り、まだ旅の途中です。
バナナぴろし
りんごちゃん
ナップル博士高低差2000m・気温30℃超。61kmで止めた男が、どう走り切ったのか。区間タイムと補給の中身まで全部残してあるぞい。







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