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怪我明け20km・平均5'08"/km|「痛みなし張りあり」リモデリング期&シキソトロピー現象|サブエガ返り咲き19話目

2026年7月20日月曜日

マラソン物語-サブエガへの道

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COROSアプリの20.18km坂周回ロング走記録画面 - 富田周回コース平均5'08/km・累積371m・TL453・最大心拍192bpmの復帰後最大の関門
7/20(日)、怪我明けの復帰後最大の関門を突破。
富田周回コース20.18km、平均5'08"/km、最大心拍192まで戻せたよ。

りんごちゃん
バナナぴろし、腓腹筋の怪我からもう1ヶ月経ったんだね!ペースあげたら張りは出る?もう完全復活?

バナナぴろし
今日20km走れたのは大きな前進だよ。ただ、まだ「痛みはないけど張りが出る」という感覚があるんだ。だからスピード練習には踏み込めない。この「痛みなし・張りあり」の正体には、実はリモデリング期の瘢痕組織シキソトロピー現象という2つの科学があるんだよ。

りんごちゃん
シキソ……なんだって!?難しそう!

ナップル博士
シキソトロピーとはな、ケチャップの瓶をひっくり返しても出てこんけど、瓶を振るとサラッと流れ出す——あの現象と同じじゃよ。適切な刺激で「粘り気ジェル」から「サラサラ液体」に変わる性質のことじゃ。修復中の腱の周りでは、この滑りがまだ悪くて、急にペースを上げると組織同士が摩擦を起こして「張り」として脳に警告を送るのじゃ。

バナナぴろし
そう、今日の20kmと直前1週間の積み上げデータ、そして「痛みなし張りあり」の科学的正体を、ここから詳しく紹介していくよ。

こんにちは、52歳ランナーのバナナぴろしです。
2026年つくばマラソンでのサブエガ(サブ2時間50分)返り咲きまで、今日で残り125日

18話(6/19)から約1ヶ月、完治4基準を一つずつ埋めながら、4.5km回復ジョグと10km走を交互に組む慎重なピリオダイゼーションを継続してきました。
そして今日(7/20)、復帰後最大の関門となる富田周回コース20.18km・平均5'08"/km・最大心拍192bpmを突破。エンジンは全く衰えていないことを確認できました。
でも僕はスピード練習にまだ踏み込めない。「痛みはないけど張りが出る」——この感覚の正体は、リモデリング期の瘢痕組織シキソトロピー現象という2つの科学で綺麗に説明できます。今日はそのメカニズムと当面の戦略を書いていくよ。

復帰後最大の関門|富田周回20.18km・平均5'08"/km・最大心拍192

今日のコースは、富田の坂道周回。1周1.81〜1.87km・累積上昇約34mのアップダウンを11周分、合計20.18km。ロングジョグでありながら坂の反復で心拍にも刺激が入る、実戦的なコース設計です。
夕方18:37スタート、気温は31℃と真夏日ながら日没とともに走りやすい時間帯へ。
項目
走行距離20.18 km
総時間 / 動作時間1:46:40 / 1:43:41
平均ペース / 出力ペース5'08"/km / 5'00"/km
最速1km4'19"/km
平均心拍 / 最大心拍163 bpm / 192 bpm
累積上昇 / 下降371 m / 376 m
気温31 ℃
効率 / TL102%「良い」 / 453
有酸素TE / 無酸素TE5.0「過剰」 / 1.4「リカバリー」
COROSの有酸素TE5.0・無酸素TE1.4とラップ詳細11本 - 富田坂周回20km走の各ラップペース・心拍推移
有酸素TE5.0「過剰」・無酸素TE1.4「リカバリー」。
ラップは徐々に加速し、11本目は4'32"/kmまで自然に上がったよ。
ラップの推移を見ると、坂の反復にもかかわらず後半に向かって綺麗にビルドダウンできていました。
Lap距離ペース心拍
11.81km5'45"/km138
21.85km5'04"/km156
31.85km5'07"/km160
41.86km5'14"/km160
51.87km5'15"/km162
61.82km5'20"/km164
71.84km5'15"/km164
81.82km5'05"/km168
91.81km5'03"/km171
101.82km4'49"/km176
111.81km4'32"/km181(最大192)
COROSのペースチャートと心拍ゾーン分布 - 有酸素持久カゾーン72%・リカバリー24%で低強度中心のロング走
心拍ゾーン分布は有酸素持久72%・リカバリー24%。
低強度中心にしっかりコントロール、エンジンは全く落ちていない。
そして今日の20kmを支えたのは、直前1週間の見事なピリオダイゼーション。
COROSアクティビティ履歴の7月13-18日週間トレーニング - 4.5km回復ジョグと10km走を交互に配置したリハビリピリオダイゼーション
7/13〜18の週間履歴。4.5kmの回復ジョグと10km走を交互に配置。
着実に脚の耐久性(Durability)を高めてから、今日の20kmに繋げたよ。
バナナぴろし
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「痛みなし・張りあり」の正体①|リモデリング期の瘢痕組織

20km走れて心拍も192まで戻せた。それでも僕がスピード練習にまだ踏み込めないのは、「痛みはないけど張りが出る」という感覚があるから。この正体の1つ目は、腱組織の修復段階を知ると綺麗に説明できます。

腱の修復には大きく3つの段階があります。
期間の目安組織の状態
①炎症期受傷〜数日炎症反応・強い痛み
②増殖期1〜3週間コラーゲン合成が急速に進行
リモデリング期(成熟期)数週間〜数ヶ月組織を再構築・強度は上がるが弾力性は乏しい
今の僕の患部(ヒラメ筋・アキレス腱移行部)は、初期の修復を終えてリモデリング期(成熟期)に入っています。この時期に形成される新しいコラーゲン線維(瘢痕組織)は、傷を繋ぐ強度はあるものの、元の組織に比べて弾力性が乏しく、非常に硬い状態です。

ペースを上げて接地時間が短くなると、アキレス腱には瞬間的に「より硬く強いバネ」としての働きが求められます。しかし修復中の組織の弾力性がまだその衝撃吸収スピードに追いついていない。だから物理的な「突っ張り感=張り」として脳に警告サインが届く——これが正体1つ目です。

痛みがないのは炎症が治まった証拠、張りが残るのは組織のリモデリングがまだ進行中の証拠。両立してよいサインで、決して矛盾していないんだよ。

「痛みなし・張りあり」の正体②|シキソトロピー現象と筋膜の潤滑油

正体2つ目は、リモデリング期に併発するシキソトロピー現象(Thixotropy)です。

筋膜や腱の周囲にあるヒアルロン酸などの成分は、「シキソトロピー」という特性を持っています。これは、適切な物理的刺激や温度によって「粘り気の強いジェル状」から「滑りの良い液体状」に変化する現象のこと。
身近な例で言えば、ケチャップやマヨネーズ。瓶をひっくり返しただけでは出てこないけれど、振ったり絞ったりすると急に流れる——あれと同じ物性です。

問題は、怪我の修復部位では一時的にこのヒアルロン酸の粘性が高まり、組織同士が癒着しやすい状態になっていること。
スピードを上げて急激な機械的ストレスがかかると、まだ完全に滑りが回復していない組織同士が摩擦を起こす。それが「張り」として知覚されるわけです。
正体メカニズムペースが上がると
①瘢痕組織の硬さ新生コラーゲンは強度ありでも弾力性不足硬いバネが衝撃吸収スピードに追いつけず突っ張る
②シキソトロピー現象修復部位のヒアルロン酸粘性が高く癒着傾向組織同士の摩擦が増えて張りとして知覚
逆に言えば、「スピード練習はまだできない」という直感的なストッパーは、この2つの物理現象を身体が正確に検知している証拠。硬い組織のまま無理にスピードを出すと、耐えきれずに再び微小断裂を起こし、痛みがぶり返す(再受傷)リスクがあります。

身体の声を信頼して、いまはブレーキを踏むのが正解なんだ。

巡航ペース上限固定+膝曲げカーフレイズ|バネの弾力を育てる戦略

リモデリング期を安全に卒業して、瘢痕組織を「本物のバネ」に育て上げるための当面の戦略は、シンプルに2本柱で行きます。
戦略ねらい
A巡航ペース上限=キロ5'00〜5'15"固定今回の20km走をモデルに、スピードではなく距離(有酸素ベース)で心肺を刺激し続ける
B膝を深く曲げたカーフレイズ(エキセントリック動作)ゆっくり踵を下ろす動きが、瘢痕組織のコラーゲン線維を綺麗に整列させる
Aの考え方が今回の練習設計の要。
ペースを上げれば①瘢痕組織の突っ張り、②ヒアルロン酸の摩擦——両方が同時に発火します。逆にキロ5'00〜5'15の巡航ペース上限を絶対に破らないルールを敷いて、距離だけ(=有酸素ベース)を伸ばしていけば、心肺は落ちないまま組織の成熟を待つことができる。今日の20km・平均5'08"/kmはまさにこの上限ギリギリの設計で、11本目に4'32"まで上がった時も無理はしていません。

Bの膝曲げカーフレイズは、リモデリング期の腱に対して最も有効な補強動作。膝を深く曲げた状態にすることでヒラメ筋にターゲットを絞り、ゆっくり踵を下ろすエキセントリック(伸張性)動作が、コラーゲン線維をランダムな向きから走る方向へ揃えていきます。これがバネの弾力を根本から取り戻す鍵。

痛みが消え、キロ5分で20kmを走破できた——これはサブエガ返り咲きに向けた巨大な前進です。でもここで焦って「スピードを試したい」という欲を我慢して、「バネの弾力」を育てるフェーズを最後までやり切る。それが本当の意味の完治で、そこから初めてポイント練習を再開できる。
つくばまで残り125日、焦らずじっくり——このリズムを守っていくよ。
バナナぴろし
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りんごちゃん
痛みが消えても、瘢痕組織の弾力性まで戻ってこないと本当の完治じゃないんだね。「痛みなし張りあり」が矛盾じゃないって聞いて、すごく安心したよ!

バナナぴろし
20km走破と最大心拍192bpmは、正直めちゃくちゃ嬉しかったよ。でも同時に、「スピードを試したい」という欲を我慢するのが今のフェーズの本当のトレーニングなんだよね。巡航キロ5分の上限を守って、膝曲げカーフレイズでコラーゲンを整えて——バネの弾力が戻ってきたら、あの日の張りは自然に消える。焦らず、じっくり育てていくよ。

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筆者

バナナぴろし

著者プロフィール:バナナぴろし

「10km75分」から「2時間49分35秒(サブエガ)」へ。

昭和49年生まれ。2017年1月、40代からランニングを開始。当初は10kmを走るのに75分かかる状態でしたが、独自の「芝生ランニング」を中心としたトレーニング理論を確立し、劇的な記録更新を達成しました。

  • 2年11ヶ月でサブスリー達成(2:58:08)
  • さらに1年4ヶ月でサブエガ達成(2:49:35)

現在はフルマラソンにとどまらず、ウルトラマラソンやトレイルランニングにも挑戦中。机上の空論ではない「実体験に基づいた効率的な練習法」を届けるべく活動しています。

【自己ベスト・実績】
フルマラソン 2時間49分35秒(サブエガ)
ハーフマラソン 1時間18分47秒
10km 35分33秒
5000m 17分22秒

SNS合計フォロワー 10,000人超

X(Twitter): 6,500人 | Facebook: 3,600人

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