怪我の前にCOROSには何が出ていた?負荷比率と走力の変化を3回分調べた

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りんごちゃん りんごちゃん
怪我で走れなくなっちゃった……。あとからでも、COROSの記録で何かわかることってある?

バナナぴろし バナナぴろし
俺も今年3回、走れなくなった。それで、トレーニングハブの3年分のデータを全部取り出して、怪我の前と後に何が出ていたかを調べてみたんだ。

りんごちゃん りんごちゃん
3回も!? それで、前ぶれは出てたの?

ナップル博士 ナップル博士
出ていたものもあれば、出ていなかったものもある。トレーニングハブの数字は心拍と時間から計算しておるから、体にかかった「量」は見えても、腱や筋肉の「傷」は見えないのじゃ。

ナップル博士 ナップル博士
今日は2026年の3回の怪我を、前に出ていたサイン、出なかったサイン、怪我のあとに落ちた数字の順に見ていこう。

怪我をすると、走れない悔しさと同時に「何がいけなかったのか」が気になります。COROS(カロス)のトレーニングハブには、練習の量・強さ・疲れの流れが毎日記録されているので、あとから振り返る材料になります。

この記事では、私(52歳・フル自己ベスト2時間49分38秒)が2026年に走れなくなった3回について、トレーニングハブのデータ(2023年6月〜2026年10月の毎日の記録)を調べた結果をまとめます。診断や治療の話ではなく、数字から何が読めて、何が読めないかの記録です。

この記事でわかること
  • 2026年の怪我3回の前に、トレーニングハブに出ていたサイン
  • サインが出なかった怪我と、その理由
  • 走れなかった間に落ちた数字(ベースフィットネス・ランニングレベル・心拍)
  • 怪我を振り返るときに見る画面と、自分なりの目安

2026年の怪我3回|いつ、どこを

時期場所どうなったか
①6月13日右ふくらはぎ(腓腹筋内側頭)テニスレッグ(軽い肉離れ)。走らない日をはさんで、6月15日にキロ5分35秒の9.35kmで再開
②6月19日右ふくらはぎ・アキレス腱の張り短い距離で張りが出て止める日が続いた。7月12日の10.61kmビルドアップまで23日
③8月下旬足首8月26日〜9月2日と9月10日〜20日、ほぼ走らず。9月22日に芝生5kmで再開

それぞれの日の様子は、このブログの練習日誌に書いてきました(①は腓腹筋内側頭テニスレッグ)。この記事では、トレーニングハブの数字だけを見ていきます。

2026年5〜10月の負荷インパクト・ベースフィットネス(上)と負荷比率(下)。怪我の日に点線
2026年5〜10月の負荷(上)と負荷比率(下)。点線が怪我や大きな出来事の日。

前に出ていたサイン①|週間トレーニング負荷がおすすめの1.5倍

データ分析の「週間トレーニング負荷」には、COROSがその人に合わせて出すおすすめ範囲の帯があります。2026年の週ごとの負荷を、この範囲と並べました。

2026年の週間トレーニング負荷とCOROSのおすすめ範囲。赤い棒はおすすめの上限の1.5倍以上。6月と8月の怪我の前に赤い棒が続く
赤い棒が「おすすめの上限の1.5倍以上」の週。
怪我前の週の負荷(おすすめの上限との比)
① 6月13日 ふくらはぎ5/11の週 1,369(1.59倍)→ 5/18の週 541(1.18倍)→ 5/25の週 790(1.74倍)→ 6/1の週 1,473(1.63倍)
③ 8月下旬 足首8/10の週 1,552(1.62倍)→ 8/17の週 969(1.56倍)

①の前は、4週のうち3週がおすすめの上限の1.5倍以上、残る1週も上限をこえていました。③の前は、2週続けて1.5倍以上です。

3年間(2023年8月〜)で、上限の1.5倍以上の週は15回ありました。そのうち2週以上続いたのは3回で、2024年5月(怪我なし)、2026年5〜6月(①)、2026年8月(③)です。1週だけの1.5倍は、ほとんどの場合なにも起きていません。続けたときに、2回は怪我につながった、というのが私のデータの結果です。

トレーニングハブの週間トレーニング負荷(12週)。8月10日の週の点が帯を大きく上にはみ出している
トレーニングハブの実際の画面。8月10日の週の点(1,552)が、帯(おすすめ範囲)の上に大きくはみ出している。

前に出ていたサイン②|「過剰」が28日で21日・高強度21%

①のふくらはぎの前には、ほかの数字にもサインが出ていました。

  • 負荷比率:5月17日の野辺山ウルトラ100kmの日に281%。そこから6月9日までの24日間のうち、150%以上(過剰)が21日。直近28日で数えると21日で、3年間でいちばん多い(それまでの最多は2024年の12日)
  • 4週間の強度分布:5月26日〜6月22日の4週は、高強度が21.0%で、この半年でいちばん多い
直近28日に負荷比率150%以上の日が何日あったか。2026年6月の21日が突出
28日のうち「過剰」が何日あったか。2026年6月の21日が突出している。
元気に走るバナナぴろし、荷物を重ねて背負ったまま走り続けるバナナぴろし、ふくらはぎを押さえてしゃがむバナナぴろしの3人。心臓は元気だが足元が赤く光っている
心臓(心拍)は元気でも、荷物を下ろさずに重ね続けると、脚が先に悲鳴を上げる。

100kmを走ったあと、比率が下がりきる前に30km走やロング走を重ね、強い練習の割合も増えていた。量と強さの両方が、器に対して多すぎる状態が3週間以上続いていたことが、数字からわかります。

一方、③の足首の前は、直近28日の過剰は6日だけでした。負荷比率だけを見ていたら、③は見落とします。③をとらえていたのは、週間トレーニング負荷の「2週続けて1.5倍」でした。1つの数字だけでは足りないということです。


サインが出なかった怪我|6月19日のアキレス腱

②の6月19日のアキレス腱・ふくらはぎの張りは、数字の上では何のサインもないところで起きました。

日付その日の練習負荷比率区分
6月15日9.4km(①からの再開)90%維持
6月17日21.5km(帰宅ラン)90%維持
6月19日4.5km(4km前後で張り)76%回復

①のあと練習を減らしていたので、負荷比率は「維持」や「回復」の範囲でした。数字だけ見れば、むしろ休めている状態です。それでも、①から6日しかたっていない脚に、6月17日の21.5kmは重かったのかもしれません。

りんごちゃん りんごちゃん
数字が「大丈夫」って言ってても、痛めることがあるんだ……。

ナップル博士 ナップル博士
そうじゃ。負荷比率は、ここ数週間の心拍の負担から計算しておる。治りかけの筋肉や腱が、どれだけの衝撃に耐えられるかまでは知らん。怪我から戻る時期は、数字より痛みと張りを物差しにするしかないのじゃ。

COROSの公式ヘルプも、リカバリーの計算に筋肉の疲れは入っていないので、自分の体の声を聞くように、と書いています。怪我から戻る時期に「数字が低いから大丈夫」と考えるのは危ない。これが②からわかったことです。


怪我のあとに落ちた数字

③の足首で、8月26日から9月20日まで、ほとんど走れない時期が続きました。その間に落ちた数字です。

数字怪我の前いちばん下10月12日
ベースフィットネス(42日の負荷)111(8/23)60(9/21)70
負荷比率164%(8/23)9%(9/20)117%
ランニングレベル93.592.792.7
VO2Max514949
閾値ペース3分48秒3分52秒3分52秒
データ分析のトレーニング状態(12週)。8月中旬の山のあと、9月に大きく下がり、10月に戻り始めている
トレーニングハブの「トレーニング状態(12週)」。8月の山のあと、9月に大きく沈んでいる。

ベースフィットネスは、ほぼ半分(111→60)まで下がりました。負荷比率は9%で、区分は「低下」です。ランニングレベル・VO2Max・閾値ペースは、思ったより小さな下がり方でした。

ただし、走った感覚はもっと大きく変わっていました。10月12日の芝生10kmジョグは、キロ5分31秒で平均心拍156。夏の6〜8月、キロ5分00〜30秒のランの心拍は中央値149でした。同じくらいのペースで、心拍が7ほど高い。トレーニングハブのゾーン分布でも、直近4週はペースでは93%がゆっくりなのに、心拍では46%しかゆっくりではありませんでした(心拍ゾーン・ペースゾーン)。

10月12日の負荷比率117%は「最適」ですが、器(ベースフィットネス70)は8月の6割ほどです。比率が最適でも、器が小さいうちは、注ぐ量を急に増やさないように気をつけたいところです。休み明けの戻し方はランニングを1ヶ月休むとどうなる?走力の落ち方と元に戻すまでの期間にまとめています。


怪我を振り返るときの見方|自分なりの目安

3回の怪我を調べて、トレーニングハブで見るとよいと思った画面と、私のデータから作った目安です。あくまで1人の記録から見た目安で、COROSが出している基準ではありません。

画面見ること私の目安
データ分析「週間トレーニング負荷」点がおすすめ範囲の帯の上にあるか上限の1.5倍以上が2週続いたら、翌週は帯の中まで減らす
ダッシュボード「トレーニング状態」負荷比率150%以上の日が続くなら、下がるまで強い練習を足さない
データ分析「4週間の強度分布」高強度の割合ふだんより急に増えていたら、量か強さのどちらかを減らす
(数字にはない)痛み・張り怪我から戻る時期は、数字が低くても距離を急に伸ばさない
りんごちゃん りんごちゃん
量は週間トレーニング負荷、続いているかは負荷比率、強さは強度分布。3つ見ればいいんだね!

バナナぴろし バナナぴろし
うん。そして最後は脚の声。数字が教えてくれるのは「止まるきっかけ」までなんだ。

COROSを使う前も含めた7年分で、練習量の急増と怪我を調べた記事はこちら。


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※この記事は、筆者1人の記録を振り返ったものです。診断ではありません。痛みが続くとき、強くなるとき、腫れが引かないときは、自己判断せず医療機関(整形外科など)で相談してください。


怪我とCOROSのデータのよくある質問

COROSのデータで怪我は予測できますか?

予測できるとは言えません。筆者の2026年の3回のうち2回は、週間トレーニング負荷がおすすめの上限の1.5倍以上の週が続いたあとでした。一方、6月19日のアキレス腱の張りは、負荷比率が低い時期に起きています。数字は「止まるきっかけ」として使ってください。

怪我の前に見るべき数字はどれですか?

筆者のデータでいちばん役に立ったのは、データ分析の「週間トレーニング負荷」とおすすめ範囲です。負荷比率は、ウルトラや30km走のあとの過剰が何日続くかを見るのに向いていました。

怪我で休むと、COROSの数字はどれくらい下がりますか?

筆者の場合、約4週間ほとんど走れなかった間に、ベースフィットネスは111から60へ、ほぼ半分になりました。ランニングレベルは93.5から92.7、VO2Maxは51から49と、下がり方は小さめでした。

怪我から戻るときは、負荷比率をどう使えばいいですか?

戻る時期は負荷比率が低く出やすいので、「低いから大丈夫」とは考えないでください。比率よりも、痛みや張りが出ない距離を物差しにして、少しずつ伸ばすのが安全です。


まとめ|量は見える、傷は見えない

  • 2026年の怪我3回を、トレーニングハブの毎日のデータで振り返った
  • ①ふくらはぎの前:週間負荷がおすすめの上限の1.5倍以上の週が4週で3回、過剰が28日で21日(3年で最多)、高強度21%
  • ③足首の前:週間負荷が2週続けて1.5倍以上(過剰の日は6日だけ)
  • ②アキレス腱は、負荷比率が低い戻りの時期に起きた。数字は傷を見ていない
  • 休んだ間に、ベースフィットネスはほぼ半分。同じペースでも心拍は7ほど高くなった

最初の一歩は、怪我をした人ならその前の8週間の「週間トレーニング負荷」を、おすすめ範囲と並べて見ることです。まだ怪我をしていない人は、今週末にこのグラフを開いて、帯の上に点が2つ並んでいないかを確かめてください。

⌚ COROS トレーニングハブ講座(全10本)
  1. トレーニングハブの使い方(まとめ)|全体の地図。どの画面を、いつ、何のために見るか
  2. ダッシュボードの見方|毎朝の1分で見る5つの数字
  3. ワークアウトの振り返り方|1本の練習をラップ・心拍・トレーニング効果で見直す
  4. 心拍ゾーン・ペースゾーン|6つのゾーンの意味と、ジョグが速くなりすぎる問題
  5. 負荷比率・トレーニング負荷|練習を増やしてよいかを決める数字
  6. ランニングレベルとペース予測|走力の数字の目安と、予測タイムの当たり外れ
  7. データ分析の画面|12週のグラフで練習の偏りを見つける
  8. ワークアウトの作り方|パソコンで練習メニューを組んで時計へ送る
  9. HRVと安静時心拍|体の疲れを朝の数字で見る
  10. 怪我の前に出ていたサイン(この記事)
りんごちゃん りんごちゃん
怪我の前の8週間、見直してみる。次は帯の中で走るね!

ナップル博士 ナップル博士
うむ。記録は、痛い思いをした自分からの手紙じゃ。読み返した人だけが、同じ怪我を避けられるのじゃよ。

トレーニングハブ全体の地図(4つの画面の使い分け)はこちら。



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