
バナナぴろし
りんごちゃん
ナップル博士
ナップル博士ロングインターバル走は、ありです。ただし追い込む練習ではなく、少しだけ余裕を残して長く積む練習です。研究で最も伸びた例は、1本8分を4本、合計32分でした。全力に近い4分×4本や、16分×4本より大きく伸びています。
- 距離:1本2000m前後(8分前後)
- 本数:3〜4本(合計25〜30分ほど)
- タイム:今の10kmレースペース+キロ10〜15秒。心拍は最大の90%くらい
- 休み:ジョグで2分
- 回数:週1回
- 上がる力:最大酸素摂取量と、乳酸がたまりにくい速さ
・ロングインターバルは何mからか
・「あり」と「なし」それぞれの根拠
・上がる力は何か
・ベストな距離・タイム・本数・休み
・筆者の2.85km×2本は何が失敗だったか
ロングインターバルとは|1本1000mより長いインターバル
ロングインターバルは、長めの距離を速いペースで走り、短い休みをはさんで繰り返す練習です。はっきりした決まりはありませんが、ランナーのインターバルを調べた2023年の総説では、1000mより長いものを長いインターバルとして分けています。
おもしろいのは、2023年のランナーの研究が1000m×5本・休み90秒を「ロングインターバル」と呼んでいることです。筆者のいつものメニューそのものでした。日本の市民ランナーの感覚では、2000m、3000m、5000mをロングと呼ぶことが多いと思います。
ロングインターバルはあり?なし?|論文の答え
答えは「あり」です。ただし、長ければ長いほど良いわけではありません。賛成の根拠と反対の根拠を並べます。
見比べて大事なのは、8分×4本が「きつくなかった」ことです。Seilerの研究では、8分のほうが4分より少し楽に感じたのに、伸びは2倍でした。論文の言葉をまとめると、最大心拍の90%で32分積むほうが、95%近くで16分積むより伸びた、ということです。
つまりロングインターバルで大切なのは、速さではなく「きつすぎない強さで、合計の時間を積むこと」です。
ロングインターバルで何が上がるのか
上がるのは、最大酸素摂取量と、乳酸がたまりにくい速さです。Seilerの研究で8分×4本が伸ばしたのは、次の3つをまとめた数字でした。
- 最大酸素摂取量(体に取りこめる酸素の量の上限)
- 最大酸素摂取量のときに出せる力
- 血中の乳酸が4mmol/Lのときに出せる力(ランナーで言えば閾値の速さに近いもの)
マラソンでは後ろの2つが効きます。閾値が上がると、同じペースでも余裕が出るからです。世界レベルの選手が閾値のインターバルを多くやるのも、速いスピードで走りながら、疲れを残さず回数を積めるからだと説明されています。

ベストな距離・タイム・本数|1本8分前後を3〜4本
市民ランナーのマラソン練習なら、2000m×3〜4本から始めるのがベストです。Seilerの8分×4本を走りに置きかえると、キロ4分で2000m、キロ5分で1600mくらいになります。
タイムは、閾値走のペースと同じか、少し速いくらいにします。目安は「今の10kmレースペース+キロ10〜15秒」です。全盛期のベストではなく、今走れる10kmのタイムで計算します。
心拍計があるなら、最大心拍の90%くらいを目安にします。Seilerの8分×4本は最大の90%でした。最大心拍は年齢の式ではなく、できればレースで出た実測を使ってください。Tanakaの式(208-0.7×年齢)は平均の話です。52歳の筆者の場合、式では172ですが、今回の実測は186でした。
最後の1本に余力が残るくらいがちょうどいい強さです。Seilerの研究でも、最も伸びた8分×4本の強さは、4分×4本より低いものでした。最後に上げたくなっても、上げなくて大丈夫です。
休みは何分か|ジョグで2分が目安
休みはジョグで2分が目安です。よく鍛えたランナー9人の研究では、4分×6本で休みを1分、2分、4分に変えました。1分より2分のほうが少し速く走れましたが、4分にしても速さは変わりません。時間を見ずに自分で休みを決めると、平均118秒でした。
2023年の総説でも、1000mより長いインターバルなら、休み1〜2分で大きなフォームの乱れはないとまとめています。
ダニエルズ式の閾値の反復(クルーズインターバル)では、走る時間と休む時間を5対1にするのが目安と紹介されています。2000mを8分で走るなら休みは1分半、3000mを12分で走るなら休みは2分半くらいです。こちらは本の紹介記事で確かめた数字です。
週に何回やるか|週1回で十分
週1回で十分です。Billatの研究では、強いインターバルを週1回にしたら、最大酸素摂取量のときの速さとランニングの効率が良くなりました。そのあと週3回に増やしても、記録は上がらず、疲れの指標だけが上がりました。
Esteve-Lanaoの研究でも、記録と強く関係したのは低い強さで走った時間でした。テンポ走やジョグをふくめて、きつい日と楽な日を交互に作るのが基本です。
世界レベルの選手が閾値のインターバルを週3〜4回やっているのは、週150〜180kmを走る人の話です。市民ランナーがそのまま真似する話ではありません。
筆者の2.85km×2本を採点|追い込みすぎだった
筆者は11月1日に、北総花の丘公園の1周2.85kmで実際にやってみました。52歳、怪我明けで練習不足の状態です。詳しい話は当日の練習日誌に書きました。
答え合わせをすると、失敗は3つありました。
- 1本が長いのに、後半で上げた。2本目は1本目より10秒速く、心拍が最大の96%まで上がりました。目安の90%(167)を超えています
- 休みが短かった。12分走って休みは1分36秒でした。5対1なら2分半です
- 3本やるなら、最初から遅く入るべきだった。同じ2.85kmでも、キロ4分25秒にそろえて3本走れば、合計約38分積めました。実際は約24分です
3本目を始める気になれなかったのは、気持ちが弱かったからではなく、強さの設定が合っていなかったからだと考えています。次にやるなら、怪我明けの今は2000m×3本で、最後まで同じペースにします。
りんごちゃん
バナナぴろしいつもの1000m×5本も、もちろん続けます。芝生の1000mインターバルは最大酸素摂取量をねらう練習で、ロングインターバルは閾値もふくめて積む練習です。COROSならワークアウトの作り方で距離と休みを組めます。
🍌 ロングインターバルに使っている2つ
筆者の練習用シューズと、強さを見るのに便利な腕の心拍計です。
筆者が履いた|ナイキ ズーム ライバルフライ46,999円 税込
COROS 心拍計 ハートレートモニター(腕に巻くタイプ)10,890円 税込
まず基本のインターバルを見直すなら
ロングインターバルについてよくある質問
ロングインターバルは何mからですか?
決まりはありません。研究では1000mより長いものを長いインターバルと分ける例があり、1000m×5本をロングと呼ぶ研究もあります。市民ランナーの感覚では2000m〜5000mが多いです。
1本の距離は何mがベストですか?
市民ランナーのマラソン練習なら2000m前後から始めるのがおすすめです。自転車の研究で8分×4本が最も伸びたので、走りでは1本8分前後が目安になります。ランナーで距離を直接比べた研究は見つかりませんでした。
閾値走とどちらがいいですか?
目的は近いです。続けて走る閾値走に対して、ロングインターバルは休みがあるぶん、少し速いペースや長い合計時間を積みやすくなります。週1回どちらかを選べば十分です。
本数が走れないのは設定が速いからですか?
その可能性が高いです。全部の本数を同じペースで走りきれて、もう1本いけるくらいに余裕が残る強さに下げてください。筆者も後半で上げて、3本目が走れませんでした。
心拍計がなくてもできますか?
できます。今の10kmレースペースにキロ10〜15秒足したペースを目安にしてください。呼吸はきついけれど、短い言葉なら話せるくらいの感覚です。
フルマラソンの何週間前までやっていいですか?
今回読んだ研究に、決まった数字はありませんでした。強い練習なので、レースが近づいたら距離や本数を減らし、疲れが抜けないときはやめる判断を優先してください。
まとめ|ロングインターバルは「積む」練習
- ロングインターバルは、あり。ただし追い込む練習ではない
- 距離は2000m前後、本数は3〜4本、合計25〜30分ほどが目安
- タイムは今の10kmレースペース+キロ10〜15秒、心拍は最大の90%くらい
- 休みはジョグで2分、回数は週1回
- 上がるのは最大酸素摂取量と、乳酸がたまりにくい速さ
- 最後に上げない。もう1本いけるくらいで終える
きついから効くのではなく、積めるから効く。筆者は2.85kmでそれを体で知りました。あわせて閾値走のやり方も読むと、ペースの決め方がよく分かります。
ペースの決め方はこちら






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