親指を上下すると走りが楽になった|土日のゆるラン7.05km・6.03kmと足のアーチ・ウィンドラス機構|サブエガ返り咲き

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りんごちゃん りんごちゃん
この前は「しばらく走らない」って言ってたよね。週末はどうしてたの?

バナナぴろし バナナぴろし
……走ってた。土曜と日曜、どっちもゆるラン。ただ、走りながら変なことに気づいたんだ。痛いほうの足の親指を上下に動かしながら走ると、なんだか楽なんだよ。

9月26日(土)と27日(日)、2日続けてゆるランをしました。土曜はキロ5分58秒で7.05km、日曜はさらに落としてキロ7分02秒で6.03km。平均心拍は143bpm→126bpmと、しっかり低く抑えられました。

そして走っている途中で、ひとつ発見がありました。痛いほうの足の親指を上下に動かしながら走ると、楽になる。

なぜ親指でそんなことが起きるのか。調べていくと、足のアーチ(土踏まず)とウィンドラス機構という、足の裏の仕組みにたどり着きました。今日はその話を、自分の脚で起きたこととして残します。

土日のゆるラン2本——7.05kmと6.03km

9月24日に「しばらく走らない」と書きました。それなのに、土曜日にはもう走っていました。正直に書いておきます。

その代わり、2日ともペースは上げないと決めて出ました。土曜はキロ6分前後、日曜はキロ7分。息はほとんど上がらない速さです。

9月26日(土)9月27日(日)
メニューゆるランゆるラン
距離7.05km6.03km
運動時間42分00秒(総時間42分08秒)42分21秒(総時間46分33秒)
平均ペース5分58秒/km7分02秒/km
ベスト1km5分35秒6分31秒
平均心拍143bpm126bpm
平均パワー/平均ピッチ156W/177132W/173
獲得標高/累積下降20m/14m11m/6m
トレーニング負荷7545
消費カロリー372kcal310kcal
トレーニング焦点有酸素有酸素
コース松戸・五香〜元山あたり松戸・元山〜松飛台あたり
気温19℃22℃

計測:COROS

COROSのラン記録画面 - 9月26日 7.05km・平均5分58秒毎km・平均心拍143bpm
9/26(土)7.05km・心拍143
COROSのラン記録画面 - 9月27日 6.03km・平均7分02秒毎km・平均心拍126bpm
9/27(日)6.03km・心拍126

この1週間に走った日を並べると、こうなります。

日付距離平均心拍ひとこと
9/22(火)5.01km167bpmランオフ明け。ゆるジョグのつもりが心拍167
9/23(水)5.19km141bpmペースを1分落とした
9/24(木)1.52km126bpm帰り道のアスファルトで痛くて離脱
9/26(土)7.05km143bpmキロ6分前後
9/27(日)6.03km126bpmキロ7分

土曜は、芝生の上は楽に走れて、アスファルトに出るとスネの内側に痛みではない「ほわほわした感じ」と圧迫感が出ました。翌朝(日曜の朝)は痛みはなし。ほわほわ感だけが残っていました。このあたりは、低周波治療器の記事にも書いています。

日曜はそこからさらにペースを落として、キロ7分。平均心拍126bpmは、9月24日に1.52kmで止まった日と同じ数字です。あの日は脚が止まって心拍が上がらなかった126。今日は自分で抑えて出した126。同じ数字でも、中身はまったく違います。

りんごちゃん りんごちゃん
日曜はキロ7分! サブエガを目指してる人のペースとは思えないね。

ナップル博士 ナップル博士
いや、今はそれが正解じゃよ。心拍が低いままゆっくり長く動くと、脚の細かい血管まで血が巡る。ケガをした場所に負担をかけずに、体を「走る状態」につなぎとめておける。速さを求める時期ではないのじゃ。

走りながら見つけた「親指を上下すると楽」

ゆっくり走っていると、自分の足の着き方に意識が向きます。

痛いほうの足で、試しに親指を上下に動かしながら走ってみました。地面を指でつかむように下へ曲げたり、上に反らしたり。すると、なぜか楽になる。足の運びが、なんだか軽くなるのです。

気のせいかと思って、何度か親指を動かすのをやめたり、また動かしたりしてみました。やっぱり、動かしているほうが楽です。

りんごちゃん りんごちゃん
え、スネが痛いのに、なんで足の親指? 場所が全然ちがうじゃん。

バナナぴろし バナナぴろし
そうなんだよ。自分でも不思議で。足の親指とスネって、つながってるものなの?

ナップル博士 ナップル博士
つながっておるとも。しかも理由は2つある。ひとつは足の裏の膜が巻き上がる仕組み、もうひとつは親指を曲げる筋肉が助けに入る仕組みじゃ。順番に見ていこう。

足のアーチとウィンドラス機構——親指を反らすと土踏まずが上がる

まず、足の裏にはアーチがあります。いわゆる土踏まずです。足の内側の、地面から浮いているカーブのこと。正式には内側縦アーチと呼ばれます。

このアーチの下には、かかとから指の付け根まで、足底腱膜(そくていけんまく)という丈夫な膜が張っています。足底筋膜と呼ばれることもあります。

そして、親指を上に反らすと、この膜が親指の付け根に巻き取られてピンと張り、アーチがぐっと持ち上がる。これがウィンドラス機構です。図にするとこうなります。

足を内側から見た模式図。上:ふつうに立ったときの土踏まず(内側縦アーチ)と足底腱膜。下:親指を反らすと足底腱膜が母趾球に巻き取られ、アーチが持ち上がるウィンドラス機構
上=ふつうに立ったとき、下=親指を反らしたとき。赤い線が足底腱膜(模式図)
りんごちゃん りんごちゃん
ウィンドラスって何? 聞いたことない言葉。

ナップル博士 ナップル博士
英語で「巻き上げ機」のことじゃ。船のいかりを引き上げる、ロープを筒に巻き取る機械じゃな。足でいうと、親指の付け根(母趾球)が筒、足底腱膜がロープ。親指を反らすと筒が回ってロープが巻き取られる。ロープの反対の端はかかとにつながっておるから、かかとと母趾球が引き寄せられて、そのぶんアーチが高く持ち上がるのじゃ。

りんごちゃん りんごちゃん
弓の弦を引っぱると、弓がしなって曲がりが強くなるみたいな感じ?

ナップル博士 ナップル博士
うまいたとえじゃ。弦(足底腱膜)が張るほど、弓(アーチ)は高くなる。しかもアーチが持ち上がると足の骨どうしがカチッと噛み合って、足全体が1本の硬い「てこ」になる。本来は、走っていて地面を後ろへ押し出す瞬間に、自然に起きておる仕組みなんじゃよ。

ここで、前回までの話とつながりました。

9月24日の記事で、博士はスネの内側の筋肉——後脛骨筋(こうけいこつきん)が、着地のたびに踏んばって骨の膜を引っぱり続けている、と話していました。この後脛骨筋は、土踏まずを内側から吊り上げて支えている筋肉でもあるそうです。

アーチがつぶれて、足首が内側に倒れ込む(過回内(かかいない)と言います)。それを後脛骨筋が必死に止めようとして、スネの骨の膜を引っぱる。これがスネの内側の痛みにつながる、という考え方があります。

バナナぴろし バナナぴろし
じゃあ、親指を反らしたときに楽になったのは……

ナップル博士 ナップル博士
そう。親指を反らすことで、ウィンドラス機構がアーチを外から持ち上げてくれた。そのぶん、後脛骨筋がアーチを支える仕事が減って、スネが引っぱられにくくなった——そう考えると、お主が感じた「楽」に筋が通るのじゃ。

もうひとつの理由——親指を曲げる筋肉が「代わりに支える」

親指を「反らす」だけでなく、「下に曲げる」ほうにも意味があるそうです。

足の親指を下に曲げる筋肉を、長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)と言います。ふくらはぎの奥から始まって、内くるぶしの下を通り、足の裏を通って親指の先までつながっている筋肉です。

この長母趾屈筋、実はスネの痛みの元になっている後脛骨筋のすぐ隣を並んで走っているのだそうです。どちらも内くるぶしの後ろを通って、足の裏へ回り込んでいます。

りんごちゃん りんごちゃん
お隣さんなんだ。じゃあ親指で地面をつかむと、そのお隣さんが働くってこと?

ナップル博士 ナップル博士
そういうことじゃ。長母趾屈筋も足の裏を通っておるから、親指で地面をぐっと捉えると、この筋肉が土踏まずを下から支える力になる。疲れた後脛骨筋の仕事を、隣の筋肉が「代わりに持つよ」と肩代わりしてくれるわけじゃな。専門的にはロードシェアリング(負担の分担)とも言うの。

まとめると、自分が走りながら無意識にやっていた「親指の上下」には、こういう2つの働きがあったことになります。

  • 親指を反らす(上)——ウィンドラス機構で足底腱膜が巻き上がり、アーチが持ち上がる
  • 親指で地面をつかむ(下)——長母趾屈筋が働き、後脛骨筋の代わりにアーチを支える

どちらも、「アーチを支える仕事を、後脛骨筋から別のものに移している」という点で同じです。

そして裏を返すと、親指を動かすと楽になるということ自体が、今のスネの痛みがアーチの落ち込みと後脛骨筋の疲れに関係していることを示すサインだ、とも言われました。自分の体の中で何が起きているのか、少し輪郭が見えた気がします。

でも、親指でかばう走りを続けてはいけない

「じゃあ、ずっと親指を動かして走ればいい」——と思ったのですが、ここには落とし穴がありました。

ナップル博士 ナップル博士
そこは気をつけねばならん。後脛骨筋は、本来アーチを支える主役の、太くて強い筋肉じゃ。その仕事を、細い親指の筋肉だけでずっと肩代わりさせるとどうなるか。

りんごちゃん りんごちゃん
……今度は、親指の筋肉のほうが疲れちゃう?

ナップル博士 ナップル博士
そのとおりじゃ。長母趾屈筋の腱に負担が積み重なると、内くるぶしのあたりや足の裏に別の痛みが出ることがあると言われておる。「長母趾屈筋腱炎」と呼ばれるものじゃ。スネをかばって、別の場所を痛めては元も子もない。

バナナぴろし バナナぴろし
痛いところをかばうと、別のところが痛くなる。ランナーあるあるだね……。

親指の上下は、あくまで「今の自分の足で何が起きているか」を教えてくれたヒントであって、治し方ではない。そう受け止めることにしました。

では、どうすればいいのか。考え方として教えてもらったのは、「親指を使わなくても、アーチが落ちないように外から支える」というものです。具体的には、

  • インソール(アーチサポート)——土踏まずを下から持ち上げてくれる中敷きを入れる
  • テーピング——土踏まずを引き上げる方向にテープを貼る

の2つ。アーチを道具で支えてあげれば、後脛骨筋も、親指の筋肉も、無理をしなくて済む、という理屈です。どちらを試すかは、これから考えます。

※価格は2026年9月28日時点。インソールは靴に合わせてサイズを選んでください。

足の裏の膜(足底腱膜)そのものの痛みについては、以前足底筋膜炎の記事にまとめました。今回の親指の話と同じ膜の話なので、あわせて読むとつながりが見えると思います。

※ここに書いているのは自分の体験と、調べたり聞いたりして知ったことです。診断ではありません。スネや足の痛みが続く人は、自己判断で走り続けずに専門の医師に相談してください。

静岡マラソンまで、あと167日

今週は、走って、止まって、また走った1週間でした。

  • ペースは上げない。キロ6〜7分、心拍は低いままで、体を「走る状態」につなぎとめる
  • 親指の上下は「ヒント」として使う。かばう走りを癖にしない
  • アーチを外から支える方法(インソール・テーピング)を検討する
  • アスファルトで出る「ほわほわ感」が消えるまでは、「治った」と言わない

9月24日は、痛くて1.52kmで止まりました。そこから数日で、7kmと6kmを最後まで走り切れた。これは素直にうれしいことです。ただ、走り切れたのはペースを落としているからかもしれないし、親指でかばっているからかもしれない。前進と、油断の入口は、見た目がよく似ています。

静岡マラソン(2027年3月14日)まで、あと167日。今は速さよりも、足の裏の小さな仕組みの話をしている時期です。遠回りに見えるけれど、サブエガに戻る道はたぶんここを通っています。

りんごちゃん りんごちゃん
親指ひとつで、足の中のことがこんなにわかるんだね。ちょっと面白くなってきた!

バナナぴろし バナナぴろし
走りながら自分の足で見つけたことだから、余計に面白いんだよね。ただ、見つけたからって調子に乗らない。キロ7分のままで、もう少し様子を見るよ。

ナップル博士 ナップル博士
うむ。体の声を聞けるようになったのは大きな進歩じゃ。あとはその声に、ちゃんと従うことじゃな。

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